5大総合商社~丸紅1~
いよいよラストは丸紅です。
ところで財務諸表を5社見てきたわけですが、
いつも見るのは貸借対照表とキャッシュフロー計算書のみで、
損益計算書には触れていないですよね。
実は損益計算書ってのは、貸借対照表で頭の中で想像したものを確認する程度で済ませるので十分だと思っています。
でも、その貸借対照表の見方や、分析の仕方がわからない社長さんが多くいます。
損益計算書ならわかるけど、
というのはよく聞くところです。
なので、あえて損益計算書には触れずにやってます。
では、いきます!
資産Δ1千2百億円
うち、
流動性Δ4千6百億円
非流動性+3千4百億円
となっています。
ここまで見てきた4社とは少し違う動きをしていますね。
流動を減らし、非流動が増えるということは、、
短期支払能力が落ちている可能性があります。
他の会社と同じ流れで今日も行けると思いきや。
思わぬ分析をかけなければならない展開となりました。
まずは流動資産の内訳をチェックします。
営業債権・貸付金が+1千2百億円
棚卸資産がΔ3千3百億円
伊藤忠や住友は営業債権が伸びると同時に棚卸資産も増えていましたが、
丸紅は棚卸資産が減少。
通常売上が増えると、棚卸資産も連動して増えるというのが通説なのですが。
ここは報告書の読み込みが必要となりそう!
とりあえずその作業は明日に回します。
非流動性についてみていくと、
持分法で会計処理される投資が+2千7百億円。
ここも先を見据えてどのような投資活動を行ったのか、要チェックですね!
続いて負債。
流動負債Δ5千8百億円
非流動負債Δ4百億円
流動は社債・借入を圧縮したのと、営業債務が減少しています。
上述の通り、売上が伸びると営業債権・棚卸が増えるというのがありますが、
仕入も同時に増えたりして、営業債務も増えるのが通説です。
ないとは思いますが、粉飾していると可能性も想定しておきます。
売掛金/売上
という仕訳を切れば、粉飾は完了しますので。
棚卸・買掛が減っていても、売掛は増える事になります。
こういう疑いの目を持つことも分析には必要です。
もちろん大手企業で公認会計士様が入っているので問題はないと思いますが、想定だけはしておいて報告書を見るように頭の中に入れておきます。
続いて純資産。
純資産額はΔ1千2百億円。
ここで、念の為自己資本比率を見ておきます。
何故見ておくのかというと、資産が減り、負債が減り、としているので
資産の内訳として純資産の比率が大きく変動していないかを確認するためです。
自己資本比率は、
高いほど経営安全性が高く、
低いほどそれは低く出ます。
28.3% ⇒ 34.9%
向上しています。
利益をちゃんと積み増しているので高まっています。
最後に、流動比率についてみておきます。
流動比率とは短期支払能力を検証する数値で、
高いほど、短期的にヤバい事はなさそう
低いほど、短期的にヤバそう
となります。
100%を切るとヤバめです。
120% ⇒ 128%
やや向上しています。
でも、この数値は決して良い数値とは言いづらいところです。
今日の丸紅は、ちょっとネガティヴな発言がありましたが、
長くなったので明日、また続きを見ていきます。