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着物、はじめました。(その2・着物の種類とかTPOとか・・・うーむ)

洋服にTPOがあるように、着物にもTPOがある。
着物のTPO・・・・これが、洋服以上に「なんか難しそう」「めんどくさそう」という、眉間にシワを寄せる原因になっていると思う。


洋服のTPOだったら、大体の事はパッと分かる。
「母からディオールのイブニングドレスを譲り受けたのですが、どんな場面に着て行けますか?」
この問いにはすぐさま、「やっぱ、舞踏会でしょ」とか「そりゃあレッドカーペットだろ」などの答えが思い浮かぶ。間違っても「磯丸水産での飲み会にも是非」とはならないはず。
しかし、これが、着物となるとどうだろう?
「母から紋付の色無地を譲り受けたのですが、どんな場面に着て行けますか?」
着物に全く縁のない生活をしてれば「・・・・はて?」である。
しかし、ご安心下さい。巷で出回ってる「着物の教科書」的な本を読んで、ちょっと勉強すれば、すぐさま回答できるようになる。
「紋付の色無地なら、結婚式とか卒入学式、七五三、お茶会なんかのフォーマルな場面に対応可能ですよ」「紋なしの色無地だったら、普段着としても着られるそうなので、磯丸水産にも対応可能ですよ」・・・・まぁ、いくら普段着とはいえ、色無地着て磯丸行く女はいないと思うが。

着物には、留袖やら振袖、訪問着とか小紋などなど・・・なんか色んな種類があるが、ザックリ分ければ「フォーマルかカジュアルか」の2種類だ。
着物にハマって3年になる私だが、この3年の間で「フォーマルな装い」をしたのは、たったの一度だけ。娘の小学校入学式である(保育園卒園式は雨が降ったため、あえなく断念)。
それ以外は全てカジュアル着物だ。
小紋・紬・木綿あたりが、カジュアルに、居酒屋対応可能な(こればっかだな)着物なので、基本、このへんばっかり着ている。
しかしカジュアルとはいえ、実はそこにもTPOは存在するのではないか、と思うようになった。

例えば、カジュアル着物の代表格、木綿着物。

(こちらが木綿着物。染織こだまさんで仕立てて頂いた久留米絣。帯揚げ・半衿はKIMONO MODERN。帯締めは着物屋くるり。帯はくるりのリサイクル)


洋服に例えるなら、Tシャツにジーンズといった所か。だから居酒屋やカフェにはOKだが、そこからすっ飛び抜けて、三ツ星レストランみたいなとこに着て行くのは「ちょっと違うかな」と思う。
そういう店に着て行くとすれば、ちょいとおめかし感のある小紋とかシックな紬か。それこそ、紋なしの色無地や江戸小紋なんかも素敵だと思う(紋付だと、どうしても「大げさ感」が出ちゃう気がする)。
そんなふうに、「今日おでかけする場所」にマッチするような着物を、想像力を働かせコーディネートするのがオモシロイと思えるようになった。
「今日はホテルでちょっとしたパーティだから、ツヤ感のある紬にしよう」
「友達の家で新年会、でも相当ユルい飲み会だから気楽な木綿でOK」
「食べ放題のランチにはデニム着物で」などなど。

で、TPOに関して、最近、つくづくおもしろいなーと思ったのが、「着物の値段」である。
先日、デパートの呉服売り場で「黄八丈(きはちじょう)」の反物を見る機会があった。
黄八丈とは、八丈島産の、目にも鮮やかな黄色の紬である(黄色に赤い格子柄のものをよく見かける)。
で、これがとんでもない値段で、私が見たやつは100万円ぐらいするシロモノだった。
「・・・・100万ですか!!??(私)」
「そうなのよ〜、織り手さんが少なくなってきて、希少価値が上がってますからね〜(店のオバサン)」
「でも、100万とはいえ、あくまでも『普段着』の位置づけなんですよね?」
「そうよ〜、いくら高いからって結婚式なんかには着て行けないのよ〜」
・・・・・100万円の普段着。相当な贅沢である。個人的には、ここで発生する「着物TPOポイント」がおもしろいと思った。
要するに、いくら100万円する着物でも、結婚式には着て行けない。
結婚式にはNGだけど、でも、磯丸水産はOK。赤羽での立ち飲みにもOK(そんな人はいないと思うが)。
じゃあ100万もするんだから結婚式はダメでも、三ツ星レストランや料亭はOKかと言われたら、私は「難しいんじゃないか?」と思う。
いや、レストランは100歩譲ってアレだけど、料亭はやめた方がいいような気がする。
なにしろ、着物姿の(女優・岡田茉莉子みたいな)女将から「うちの店に普段着で来たわね?」と睨まれそうでコワイ。

やはり、その店に合ったドレスコードで出かけるのが「礼儀」なんじゃないかと思ったりもする。

そう考えると、例えばリサイクルショップで激安価格の訪問着を買ったとする。激安と言えど、れっきとした訪問着。キンキラの帯と合わせれば、堂々と結婚式にも着て行けるし、園遊会にだって、ノーベル賞の授賞式にだって着て行ける事になる。
しかし、いくら激安とはいえ、磯丸水産での飲み会には向かないだろう。
いや、別に着ちゃダメって事はないと思うが、どうなんだろう、飲み会メンバーが全員、洋服普段着姿の中、そこに格調高い訪問着の女がひとり・・・・・まぁ、これはこれで面白い絵面ではあるが。

私が思う、着物のTPO。ドレスコード。
まだ着物歴3年の私が言うのも何だが、この3年で感じた事。
とりあえず本で勉強。あとは想像力と直感なんじゃないかなぁと思った次第である。
なにしろ、いくら「結婚式には訪問着!」とはいえ、最近の結婚式はレストランでカジュアルに開く場合もある。そこに、バリバリに気張ったキンキラの訪問着で行ったら、ダメじゃないけど、一人、浮いてしまいそうな気がする。
「じゃあ、何着てったらいいんだよ!!」になるかもしれないが、その悩ましい所が、イマドキの着物のおもしろさだと思うのだ。

ちなみに、私がイチオシの磯丸水産メニューは「ポテ壺サラダ」である。
蓋つきの壺の中に、ポテサラ、味玉、揚げ玉が入ってて、それらを混ぜて食べるのだが、めちゃくちゃ美味い。是非お試しを!!(・・・・・・って、今回は、私の、磯丸ヘビーユーザーっぷりが露呈した形の原稿になってしまいました)。


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