挑戦という言葉でやった気になるな!
3-2のビハインドから途中出場。
最高の舞台が用意され、同点から逆転までイメージはできていた。
結果はそのまま試合終了。
最高の舞台は最低の結果で終わった。
2017年の8月に「Jリーガーになる」と豪語したこの挑戦。
39歳という年齢と15年というブランク、そして一度もJリーガーになったことがないという肩書は、世間から、恰好の批判の餌食となった。
そんな甘い世界ではないというサッカー村の人からのお怒り、アラフォーのくせに夢語ってんじゃないという世間の怒り、どの批判をみても、理解できる内容ではあった。
だから、やめようと思えばやめることができた挑戦でもあった。
その批判に追い打ちをかけるように練習中に全治1ヶ月の怪我を負った。
ここにも挑戦をやめる理由はあった。
しかし、今振り返ると「やめる」という言葉は一切浮かんでこなかった。
どんな状況になろうと挑戦をやめずに、ただひたすら、トレーニングを重ねた結果、昨年水戸ホーリーホックの練習参加が認められ、そこから3ヶ月の練習生生活が始まった。
挑戦者でいるということは、そこに継続がセットになっている。
挑戦者ジャッジするのは他人ではなく自分なんだ。
それを昨年の3ヶ月間で学んだ。
そして、その継続が実を結び2018年3月31日に目指していた「40歳でJリーガーなる 」という目的を達成することができた。
(数ある写真の中からボニをチョイス!ボニ頑張れ!)
選手の前で涙を流したあのミーティングは今でも鮮明に覚えている。
40歳Jリーガーの誕生。クラウドファンディングでJリーガー。などなど事の大小に関わらずサッカー界に衝撃を与えたことは間違いないだろう。
そこから僕の挑戦はどこに向かっていったのだろうか。
所属ができるということは、そこに自分以外の何かが介在するということ。
ルールや掟や既得権益、そして人だ。
挑戦はある意味"無視"をできる人でないと継続ができない。
僕は、その"無視"をすることができず、イップスに陥ることになる。
今思えば、「折角手に入れたJリーガーという肩書」を手放すことへの恐怖があったのだと思う。
というか、間違いなくそう。
"40歳でJリーガーになる"という無謀な挑戦はJリーガーという肩書が欲しいとは全く別次元のところにあるはずなのに。。。
僕は気がつけばその村のルールに従い、Jリーガーという誰が作ったかわからない定義を"なんとなく"解釈し、その誰だかわからない"なんとなく"の定義に右往左往しながら生きてしまった。
後悔しかない。
だから、その後悔をこうして取り返しに行き、YSCC横浜というチームでJリーグ最年長デビューを果たすことができた。
そして、今ある次なる目標はJ3最年長ゴールだ。
いや、ちょっと待てよ。
果たしてこれは挑戦なのか?
"40歳Jリーガーになる"といったときと同じだけの無謀な挑戦と呼べるのか。
もちろんゴールを取ることはそんなに簡単ではない。
しかし、必要以上に難しいものだと勝手に捉えてないだろうか。
"40歳でJリーガーになる"といったときは、言ったはいいけどどうしたらなれるのか全くわからなかった。
その中で自分なりに考え、そこにサッカー選手ではなく安彦考真という人生をかけて挑んだ結果、少しずつ道が拓けていき、どこにどんなアプローチをするのがいいかわかってきたんだ。
それを考えると、ゴールを取るということに関して言えば、何をどうすればいいかわかるし、一人の力だけでできるものではない。
昨日の試合で言えば、試合中にリョウスケ(17番)に「切り替えしたらそのままニアにクロスを上げてくれ」と伝えた。
その結果、まさにそのシーンが訪れた。
結果は僕の頭上を越えてしまったが、明らかにコミュニケーションによる効果がそのシーンを作ったのは事実だ。
これは挑戦ではない。
もはや、当たり前のことだ。
挑戦という言葉に託つけて呼吸すると同じくらいに当たり前のことを疎かにしていたのではないだろうか。
僕はこれからも無謀な挑戦を繰り返す。
それは地位や名声や肩書やお金が欲しいからではない。
お前の人生そんなもんでいいのか!?
って言いたいんだ。
自分に嘘をついて生きるな!
言い訳する前に行動しろって。
挑戦は継続だ。
やめるなんて言葉が過るならそもそもそれは本気じゃない。
やめることは悪いことじゃない。
やらないし、やめれないし、で誰かのせいにすることになんの意味もない。
だから、41歳になったおっさんは今を思いっきり楽しみ、何かにとらわれて生きることをやめる。
好きなことだけして生きていく。
それと同時に嫌いなことはやらない。
ただし、好きなことして生きていくためにはどんなハードルも乗り越える。
そこにある弊害こそ挑戦者の好物だから。
挑戦という言葉に託けるな。
やるべき目の前のことは呼吸するようにやり切れ。
そして、今を色濃く生きろ!
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