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雨の中、町田へ行く。

横浜線は、急に拓けた、田圃が見える。
奥の方まで雨が降っている。
町田駅、バスターミナルが入り組んだコンコースの下にあって、雨垂れ。
バス停を探して、階段を上り降りして、雨に濡れずにバス停を探すのは難しい構造。全てコンコースの屋根の下で完結してくれればいいのに。
バス停が見つかる、長蛇の列。
時間になってもやってこない。
痺れを切らして反対側でタクシーを待つけれど、
タクシーも長蛇の列。
GOアプリでタクシーを離れたところに呼ぶ。

タクシーの運転手は、急いでいるのがわかってくれて、何も言わないけれど、混んでいる大通りを外れて、予想だにしない道のりを行く。
細道をいくつも経由して、田圃の通りを抜けていく。ものすごい坂道を下って、向かいからやってくるバイクに、機敏に反応して止まる。こんなところタクシーは通らないのだろう。バイク乗りは驚いていた。

山崎団地という、とてつもない団地群を経由すると桜美林大学に着く。
唐突に現れる、それは山形の芸工大に似ている。
どこから入ればいいか分からず、雨に濡れたキャンパスは堅固な城壁に見える。中の人が来て、ガラス越しに「こっちこっち」と指さしてくれる。
警備員室でももてなし、誘導に従ってスタジオに行く。
僕は招待客扱いで通される。
遅刻の連絡は入れていたけれど、遅れて行って招待客席に座るのは、かなり恥ずかしかった。

劇が始まる。これは僕が3年前に書いた劇なのだった。
セリフのナイーブさ、構造のナイーブさが肌を刺す。やはり、上演を見ると他人事にはどうしても思えなかった。
招待客用に用意された特等席で、針の筵で、冷や汗が止まらない。
全ての空気、重力の集まりが、真ん中の僕に寄りかかっている様に感じるが、本当にそれを感じているのは、目の前の2人の役者だ。

暗い影の演出が良くて、身体の力が抜けた。
水面に顔を近づける。
濡れた影。
伸びる影。

帰り道を調べると、「給水塔前」というバス停に行く様に指示されて、行くと、給水塔があった。
水が飲みたかった。雨はやまなかった。

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