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私が一番好きな筆記具メーカー、ニューマンについて語る

どうも、こんにちわ。あびかくと申します。
久しぶりのnoteなので文章が拙いですが、どうぞよろしくお願いします。

今回の記事は私が一番好きな筆記具メーカー、ニューマンについて語ろうと思う。
率直にいうと、私はニューマンの金属加工が特に好きである。
ニューマン製品は値段が1000円や2000円などにも関わらず、その外観、加工の施しようが他社の製品とは一線を画しているのである。

ニューマンには様々な製品があるが、それのほとんどが名称不明、または名称自体がない。よって、製品を特定したり、製造時期を特定することがほぼといっていいほど不可能なのである。

そんなニューマンの歴史と、私が個人的に好きなニューマン製品をこの記事では列挙していく。


ニューマンとは?

ここではニューマンについて紹介する。ソースはニューマン創業者の皆川辰三氏の御令孫、大郷氏(X/@NEWMAN_DAI)の発言や記事などを引用させてもらう。

株式会社ニューマンの歴史

株式会社ニューマンは1946年に元々時計屋の従業員であった皆川辰三氏によって創業された。時計屋で働いた後、創業者は飛行機の部品などを作る工業メーカーを立ち上げたが、戦後、そのパーツの需要がなくなり売れ行きが悪くなったため廃業。その後、時計屋の経験や金属加工の技術を活かして作られた会社が株式会社辰和、のちのニューマンである。

初期のニューマンは上記にも書いた通り、「株式会社 辰和」というメーカー名で、回転式繰り出しシャープや金属を駆使した製品を作っていた(残念ながら、その時の製品は所持していない)。その後、1963年に社名を「株式会社 ニューマン」に改名。

その頃、当時のシャープペンシルのシェア1位、2位を争うまでに会社は成長していた。本店は東京に、支店を大阪や福岡などの大都市圏に設けるまでになった。一時期は北海道まで進出していたようだが、撤退している。そのため、北海道にはニューマン製品の流通は少ない。一方、ニューマンは大阪の支店に力を入れていた。よって、私が住んでいる関西圏にはニューマンの製品が多く流通しているようである。

1971年、世界初の0..2mmシャープペンシル「スーパー2」を発売。ニューマンは金属加工の技術だけではなく、シャープペンシル製造の技術までも発展させていた。

1983年、創業者の皆川氏が逝去された。後継者もほぼいなく、これからニューマンは廃業の道へと進んで行くことになる。ニューマン廃業晩年にはシャープペンシル、ボールペンの他にも万年筆の製造を行った。1984年、ついにニューマンは廃業をする。約40年にわたる筆記具製造に幕を下ろすことになった。

なぜニューマンは廃業したのか

この説にはニューマンが廃業した理由を一個人の予測として列挙していく。まず、ニューマンでは皆川氏だけが知っている商品の開発法、加工法やマーケティング法があり、その知識がなくなったため、ニューマンは失速したのではないか。

また、ニューマンは基本的に高級筆記具のみを製造していた。この頃、1980年代は100円シャープペンシルの登場により、筆記具に求められるものとして「高級感」よりも「コスト」が重点的になったのだ。もはや筆記具はかつてのテレビのように嗜好品ではなく、必需品となっていったのだ。この時代の流れにニューマンは追いつけなく、高級品を生産し続けたため需要があわずに廃業していったものと考えられる。

もし、ニューマンが廃業せず存続していればどうなっていただろう。高級路線で商品を発売していたニューマンは蝕刻加工に優れていたため、確実に蝕刻の技術は現代にも受け継がれていたであろう。そして、高級筆記具メーカーの代名詞として現代も名を馳せており、今のセーラーのような立ち位置の企業であったと思われる。

ニューマンが廃業したことにより、貴重な金属加工の技術が筆記具から失われてしまった。ただ、製品はまだまだ数もあり、現存している。そんなニューマンの製品を今からざっくり解説して行こうと思う。

ニューマンの製品

ニューマンにはさまざまな製品が発売されていた。その中には廉価帯のものから高価なものまである。ここではいくつかの製品を列挙する。

1.製図用 木目調

私の中ではニューマンを代表する製品といえばこれだ。木目調と言われる理由はこのペンの上部にはヘアライン加工がされているからだ。値段は1000円、0.3mmと0.5mmの芯径のバリエーションがある。
下部には螺旋型で蝕刻の加工が施されている。下部はシャンパンゴールド、常備はマットブラックの塗装であしらわれている。

木目調 製図用ペンシル

この画像の木目調は私が所持している木目調である。この箇体には通常の4mmガイドパイプの口金だけではなく、スライドパイプ式の口金が付属している。どうやら、これは特注品のようで、店側が注文した場合だけ付属してくる口金のようだ。価格は正規の値段と変わらない1000円である。

説明書にはバネ式スライドパイプ式の口金があるとの記述がある。これも受注生産品のようで、一つにつき200円である、との記載がある。
ぜひこのバネ式のものをこの目で見てみたいものだ。

2.スーパー2

これは筆記具好きなら誰でも知っているシャープペンシルであろう。なぜなら世界初に発売された0.2mmのシャープであるからである。

このシャープも螺旋型の墨入れが施されている。これはいわゆる「格子柄」と言われるものである。定価は当時としては高めの2000円、ただこの価格に見合う性能は保証されていたのかどうかは懐疑点である。しかし、世界初の0.2mm、これに勝るロマンというものはないだろう。色はシャンパンゴールドが用意されている。

口金は安定のスライド式シャープ、0,2mmの細い芯が折れないような構造になっている。ニューマンの技術が詰まったシャープなのである。

3.スーパー5

これはニューマンを代表するシャープペンである。ニューマンの最も基本的なシャープペンシルであり、最もポピュラーなものであったとも言えるだろう。

スーパー5の製品の種類は把握できないほど、多様である。例えば上記のスーパー2のような格子柄のものがあったり、金と黒のいわゆる仏壇カラーと言われるものや、純銀製のもの、そして蝕刻が施されたり、波線状のデザインがほどこされた独特なものまで多数ある。

その中でも最も基本形のスーパー5は下部がプラスチック、上部はアルマイト、もしくはステンレスのものである。これは初期と後期に分かれており、初期の定価は500円、後期は700円となっている。

4.製図用 蝕刻

残念ながら、このシャープは私は所持していないため、写真を掲載することができない。それもそのはず、当時でも非常に人気だったため在庫数が少なく、そもそもの流通量が少なかったのではないかと考えられるからだ。値段のタグからしてスーパー2などと同じ時期に流通していたものではないかと思われる。

軸はフルメタルボディ、軸の中央部に硬度表示窓が付いており、下部には蝕刻が使われた滑り止めが採用されている。当時の定価は2000円だったが、今買うと数十万円する、非常に珍しいものとなっている。

余談なのだが、ニューマンには製図用のシャープは木目調とこの蝕刻、そして500円の安価モデルしか(2023年時点)存在していない。このことから見てニューマンはプロフェッショナルの製品よりも高価格帯の「嗜好品」としてのシャープを製造していたことがわかる。

5.逆グリップ

ニューマンで一番有名なボールペンといえばこれだろう。軸はほぼステンレスでできているが、価格は200円〜300円と非常に安価である。価格はオイルショックを境に変化をしたようで、カラーバリエーションやシールの作りも若干変わったようだ。

軸中央部にはプラスチックでできているパーツが存在し、軸のステンレスに金属クリップの負荷をかけないよう、作りも非常に精巧なものである。しかし、このペンは非常に安価でどうやってこの価格でこのクオリティのペンを作ったのか、非常に謎が残るところである。

私も所持していたのだが、今は手放してしまった。しかし、その精巧さとコスパの良さは現在、過去のどのボールペンを見ても最も優れていると言えるであろう。

ここでこの製品名(仮称)の由来をかこう。実はノック部が普通のボールペンとは逆側のクリップ側にあるのだ。この個性さもこのペンの魅力を引き出していると言える。

カラーバリエーションはさまざまあり、約10色くらいあるとされる。

6.ニューマン 純銀シャープ

このペンシルは軸が全て純銀(スターリングシルバー)で作られているペンシルである。このペンシルも生憎私は持っていないが、回転繰り出し式、固定口金式、スライドパイプ式の3種類を確認している。

中身の機構や仕組みはノーマルのスーパー5や回転繰り出し式のものと同様である。

7.ニューミクロ芯

このニューミクロ芯はニューマンを代表するシャープペンシルの替え芯である。芯径のバリエーションとしては、0.2,0.3,0.5,0.7,0.9,1.15,青芯,赤芯などがある。

しかし、この芯には謎が多く、元々鉛筆やシャー芯を作る技術を持っていなかったのだが、急にニューミクロ芯、という芯を作り出したということである。これにはいくつかの仮説があり、最も有力な説としてはカノエの技術を使ったというものがある。元々ニューマンはカノエという文具メーカーとさまざまなコラボ商品を出していた。そのメインのものとして、初期のニューマンはカノエと提携して、「ニューマンカノエ」というブランド名でシャープ芯、シャープペンシルを発売していた。
しかし、その後ニューマンはオリジナルでニューミクロ芯を発売し、その時期にカノエという会社名は見られなくなった。よって、仮説としてニューマンがカノエを吸収合併したというものがある。裏付けとして、カノエにはXX年に廃業した、という情報が全くない。よって、ニューマンがカノエを買収し、その技術を芯作りに当てた、というのが自然であろう。

どちらにせよ、ニューミクロ芯はとても使いやすいということは事実である。実際、雑誌でも他社製のシャープ芯よりも使いやすい、という結果が出たという。ちなみに、このニューミクロ芯にはバリエーションがあり、ルーラー芯やハイミクロ芯などさまざまなものが確認されている。

これらが現在、ニューマンを代表する筆記具である。ニューマンの製品にはここには挙げきれないさまざまな種類があるが、その製品全てにニューマンの個性が現れており、非常に面白いものとなっている。

まとめ

ニューマンは今にはない加工技術を使い、個性的なデザインの製品を作ってきた、この中には相場がとても高騰しているものも含まれる。しかし、これは値段では語れるものではないと思う。もちろんニューマンに限らず、他社の製品についても同じである。それぞれのペンが独自の歴史、変移、文化がそこにはある。
私はこれからも希少価値、現行廃番に関わらず、今持っているペン達を大事にしていこうと思う。

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