ZOOM楽座「魂の螺旋ダンスを読む」第2回 星川淳さんを迎えて


ZOOM楽座 
『魂の螺旋ダンス』(長澤靖浩著)を読む
第2回 第1章 部族シャーマニズム 
その2 星川淳さんを迎えて
(4月19日(日)14時から16時)

参加方法:ZOOMにアクセス。下記URLをクリックするだけ。

https://zoom.us/j/5409124232
Meeting ID 540 912 4232


私は15歳のときに虚無感の極致で恩寵のように宇宙との一体感に包まれ、以降、その神秘体験を再現し、定着させることを試みてきました。ヨーガ、密教、瞑想、禅などの伝統的な修行によってそれを再現しようとしてきましたが、どれもうまくいかず、挫折を繰り返していました。

そんな中で出会ったふたつの巨大な存在が、ひとつにはバグワン、ひとつには親鸞です。
かなり毛色の違うふたりですが、両者とも修行によってではなく、修行の果てにそれをあきらめ手放した瞬間に無碍なる覚醒や光に包摂されるという言説に共通点があります。

神経性の尿意頻数の果てに、大きな病院で身体的に異常がないので精神的なものではないかと診断され精神科の受診を勧められた帰り道。立ち寄った書店で偶然手にとったのが、当時プラブッダ(星川淳)訳で日本で最初に刊行されたバグワンの講話『存在の詩(うた)』でした。

「ゆったりと自然でいなさい。川は海に向かって流れている」

私は書店で立ち読みしたままハラハラと泣いてしまい、身心のこわばりがすべて脱落して、耀く大洋とひとつになるのを覚えました。基本的にはそのとき僕はあらかじめ「すべて」を知りました。その最初のひと味は17歳のときに作った「まわれすべてのいのちをのせて」という歌にも余すところなく表現されていると思います。それはのちの臨死体験すらあらかじめ予見しているとさえいえます。

星川淳訳の『存在の詩』は、バグワンの語りを日本語に移すときのひとつの先駆的モデルとなり、その後の多くの翻訳の型に決定的な影響を与えているということができると思います。彼自身がそのころは、バグワンというひとりのグルとの青春の蜜月時代であったということができるでしょう。
(2020年5月、星川淳訳『存在の詩(うた)』の復刊が予定されています。)

そんな星川淳さんが、バグワンの元で足かけ2年のインド滞在後、北米での自然生活を経て屋久島に移り住み、チェルノブイリ原発事故などを経験した世界で、エコロジーに対する意識を強く持ちながら、1990年代からは環太平洋の先住民文化の足跡をたどるなど、地球の上に生きるというテーマを深めていったのは多くの人の知るところです。

そんな中で星川さんは、バグワンや仏教などの精神世界の構造に、この世をあるがままに抱きしめることを拒否して脱出していくことが解放であり救済であるとする「解脱パラダイム」を見て、それに対する批判すら展開するようになりました。

私のライフワークのひとつ「魂の螺旋ダンス」の構想の根っこは、自分を解放する「解脱の思想」とこの世を抱きしめる「あるがままに生きる」思想の深い統合がどのようにして可能なのかの追求です。
そのために私はすべてを抱きしめる「先住民シャーマニズム」的なものと、すべてを超越していく「超越性宗教」的なものを縒り合わせていく螺旋モデルを構想し、この書を書き始めたのです。

この本の初版(第三書館版)の帯には「すべてを超え、すべてを抱きしめたい」と書いているのはそのためです。
またもう一度「まわれすべてのいのちをのせて」を聴いてみてください。
この歌に「ふるさとの海に還る」「ふるさとの空に還る」「光に溶ける」という解放思想とともに、その日の訪れるまで「ただひとつのこの世界を抱きしめて生きていく」ということがあらかじめすべて歌われていることに気がつくはずです。

その「魂の螺旋ダンス」執筆の際に、この書の完成を最も応援してくれた先輩のひとりが、星川淳さんでした。
今回のZOOM楽座「魂の螺旋ダンスを読む第2回」では、そんな原点に立ち返って、この本のスピリットを語りたいと思います。ゲストの星川淳さんには、青年期にバグワンを日本に紹介する先駆的役割を果たした後、なぜ環太平洋地域の先住民来歴伝承や、アメリカ合州国の建国と成文憲法制定に影響を与えたとされるイロコイ連邦の母権民主制などに惹かれていったのか、また最近の思索なども語っていただきたいと思っています。

ことに北米東部の先住民イロコイ連邦で18世紀半ばに起こったハンサムレイクの宗教改革と呼ばれるものが、キリスト教との関係において伝統的な信仰体系の修正を迫る側面を持ち、その難を逃れたより古い伝承がポーラ・アンダーウッド著『一万年の旅路』(星川訳)に反映されているという話などは、とても新鮮で興味深いものになると思います。

今回のZOOM楽座について軽く打ち合わせるだけで、私自身、改訂増補版で殆ど加筆修正していない第1章「部族シャーマニズム」の加筆に対する強いモチーフを感じているところです。

『魂の螺旋ダンス』初版(第三書館)または以下のマガジン(note)が手元にあると、便利ですが、なくても参加できます。

魂の螺旋ダンス 改訂増補版 読みやすい版 マガジン|長澤靖浩 #note https://note.com/abhisheka/m/m447cc391caf0

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