公務員を十把ひとからげにしないで

公務員は給料が高くていいなあ、ちょっとは返納しろという書き込みをよく見かけるようになりました。

しかし、末端の教育公務員の経験から言うと。

バブルの頃は民間のすごいボーナスを後目に公務員は不遇だなと思っていました。

バブルが弾けるといったん公務員のほうがいいように見えた時期がありましたが(1990年代半ばまでとか)

2000年ごろから給料は年齢を経てもまったく上がらなくなりました。
それどころか、さらに微妙に下がっていくという給与表改訂がありました。

また年金の民間との一本化計画が段階的に進み、保証されていたはずの額は受け取れない、支給年齢が段階的に後ろ倒しになっていくなどの改悪に見舞われました。

評価育成システムという名前の勤務評定が導入され、やがて実際の給与に反映されるようになりました。

君が代・日の丸に反対していたり、生徒を規律的にコントロールすることに熱心でないと評価は低いです。(最悪の場合、解雇)

僕は、とある項目で意外に高評価をもらったことがあったけど・・・。
それは、道徳教育の年間計画を国の基準に従って、内容項目をすべて満たすように作成しないと監査が入ったときまずいというので、ちょうど道徳教育係だったとき年間計画をばしっと作成したときです。

それは書類上は国が定めたすべての項目を満たしているように見える年間計画です。

しかし、たとえば「生命を尊重する」というような項目では「生物多様性を考える」という表向きの計画になっていて、実際には絶滅危惧種ジュゴンのことを考えようという入り口から辺野古の基地反対という授業だったりするウルトラCなんです。
ばれなければ「生物多様性を考える道徳の授業をしているんですけど・・・」とすまし顔。

ちなみに「平和教育」というのは学校では禁止ではないですが1990年代頃から「反戦平和教育」は禁止になりました。
違いがわかりますかね。
「平和」中国語で「和平(ふーぴん)」というのは、パックスロマーナ、パックスアメリカーナと同じように強大な権力でもって、抵抗勢力を取り除き、平定するという意味なんで、禁止じゃないんですよ。(-_-;)

しかし、とにかく書類上、国の押し付ける道徳教育の年間教育を作り、教室では従来どおり、ちゃんとした授業をする。

そのためのフェイクの年間計画をうまく作ったとき、その項目がやたら高評価でした。(-_-;)

いろいろ書きましたがとにかく末端の教育公務員はブラックな働き方である上に給料は下がり、年金は先延ばしされている。
公務員として十把一絡げにできないんです。

それでも
息子や娘やその婚約者などの給料を聞いて、おったまげた。
低すぎる。

この国は終わってる。

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