限りなきはたらきのままに

ある日の瞑想中、人類史の中で戦争を繰り返し、虐殺したのも、虐殺されたのも、レイプしたのも、レイプされたのも、すべて自分だったという強烈な感覚に見舞われました。そして鉄の扉の向こうにガーンと閉じ込められて、この地獄は永遠に続くと思いました。
そのすべてが自分だったから、この地獄が永遠に続くのは仕方がない(地獄は一定すみかぞかし)と思った瞬間、今度はそこに一輪だけ花が咲いているのが見えました。ありがたい、一輪だけでも花が咲いていたのは奇跡だと思いました。なんとありがたいことかと涙があふれました。
すると、周囲が光だけになりました。光のお花畑です。(ま、魔境と言われてもいいんですが。)
と、自分が人にやさしくしたこともある。それで今、この光の花たちが咲いているんだという想念が沸きました。と、そのとたん、花たちが一斉に牙を剥いて自分に襲いかかり、すべてが痛みだけとなりました。地獄です。
これは一瞬一瞬のゆだねと、自我の取り込みとして、自分の思考より速いスピードで変転する六道輪廻だったので、もうどうしようもないと思いました。そのどうしようもないというのは、徹頭徹尾、どうしようもないということにほかなりません。自分の力ではいかにしても、ゆだねることも、自我に取り込むことも一瞬の顛倒がコントロールなどできない。
だからもう絶対的にどうしようもないと思ったときに、限りなきはたらきのままにと手を合わせました。
それが僕に念仏もうさんとおもいたつ心の起こった瞬間です。

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