Tips of Buddhism

No.61
Swami Vivekananda…was an Indian monk,a chief disciple of the 19th-century Indian mystic Ramakrishna.He was a key figure in the introduction of the Indian philosophy of Vedanta and Yoga to the Western world….He is perhaps best known for his speech which began with the word –“Sisters and brothers of Amerika…”in which he intoroduced Hinduism at Parliament of the World’s Religions in Chicago in1893.(from Wikipedia Swami Vivekananda,2019/16/29)

(訳)
スワミ・ヴィヴェカナンダは、インドのヒンドゥ―教の僧侶であり、19世紀のインド神秘主義者ラーマクリシュナの1番弟子である。ヴェーダンタとヨーガというインド哲学を西欧世界に広めるに当たって、カギとなった人物である。・・・最も知られるのは、そのスピーチであろう。こう始まる。「アメリカの姉妹、兄弟達」1893年シカゴの万国宗教会議で、ヒンドゥー教を紹介した時のものである。
(解説)
現在世界的に広まっているヨガを西欧社会に導入したのは、ヴィヴェーカナンダである。万国宗教会議でも大人気を博した。その様子を紹介してみよう。
 1893(明治26年)9月11日、シカゴに世界の宗教者、宗教研究者が一堂(いちどう)に会し「万国宗教会議」がにぎにぎしく開幕した。多くの宗教者に混じって、インドのスワーミ・ヴィヴェカナンダは主催者からの歓迎のあいさつに応えて「アメリカの兄弟姉妹」”Sisters and brothers of America”という呼びかけで始まる有名な演説を行った。この呼びかけに聴衆(ちょうしゅう)一斉(いっせい)にスタンディング・オベーションで応え、その後も熱狂的な反応がつづいたという。ヴィヴェーカナンダの演説はヒンドゥー教にとってだけでなく、万国の宗教者の連帯をうたうその後の東西宗教〈間〉対話の進展にとって決定的なメルクマールとなった。これを契機(けいき)に、ヴィヴェーカナンダは欧米においてむしろ高く評価され、インド宗教いなアジア宗教を代表する宗教者・思想家と位置づけられた。ヴィヴェーカナンダのアメリカ旅行は当初かなり混乱をきわめていた。インドの藩(はん)王(おう)いわゆるマハラジャからの資金援助をえて意気揚々(いきようよう)とアメリカに乗り込んだヴィヴェーカナンダは、会議が当初7月から始まる予定だったのが9月に延びたという事情も、また、会議への参加資格がいずれかの宗派、教派の代表でなければならないという原則も知らなかった。インドのパトロンの援助による資金も枯渇(こかつ)しかけて神(しん)智(ち)協会(きょうかい)に助けを求めたが、これもていよく断わられていた。ヴィヴェーカナンダは途方(とほう)に暮れるが、ノーブルな顔立ちが幸いしてかアメリカ側の強力な支援者を得て、異例ながら一介(いっかい)の「ヒンドゥー僧侶」として参加が許されたのだという。このことがその「普遍宗教」構想にはプラスに働いたのであるから、歴史はまことに皮肉である。・・・(杉本良雄「比較による真理の追究―マックス・ミュラーとマダム・ブラバツキー」『国立民族学博物館調査報告』90,2010,pp.177-178、ルビ私)
これで、いくぶん具体的にヴィヴェーカナンダの様子が伝わるであろう。ここで、訳にあった「ヴェーダーンタ」と「ヨーガ」について触れておきたい。ヴェーダーンタの原語は、vedantaである。これはインド最古の文献veda(ヴェーダ)とanta(アンタ)を組み合わせた言葉で、「ヴェーダの最終結論」というような意味を持つ。ヒンドゥー教を代表する宗派名と思って欲しい。ヨーガの原語はyogaである。現在ヨガと短く発音されること
もあるけれど、本来はヨーガと長く言う。これもヒンドゥー教の宗派の1つである。どちらも、現在流行しているヨガの思想的基盤と考えてもらいたい。2つの教えには、決定的な相違点もある。難しい表現をすると、ヴェーダーンタは一元論、ヨーガは二元論である。


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