ヨーガとは

その4
では、『チベットの死者の書』とは、どのような書物なのでしょうか。簡単にいうと、1種の枕経です。死者の耳元で、死後の世界のあれこれを聞かせるお経です。奇怪な内容で、興味はそそられます。それ自体は悪いことではないのですが、問題は、その来歴と内容のいいかげんさです。『チベットの死者の書』は、ニンマ派という宗派のお経です。チベット仏教の主流は、実は、ニンマ派ではありません。ゲルク派という宗派です。ダライ・ラマもゲルク派に属しています。そのゲルク派の僧侶で、日本にいるツルティム・ケサンという人は、『チベットの死者の書』を厳しく批判しました。僧侶なら当然知っていなければならないことを、間違って書いてあるそうです。それに、このお経は「埋蔵(まいぞう)経(きょう)」というもので、山に埋めておいて、後で、掘り返したでっち上げたものだそうです。つまり、私達は、偽のお経をありがたがっていたわけです。そんなものに乗っかったブームだとしたら、大変まずいことですが、未だに、『チベットの死者の書』は、チベット仏教で1番有名な本です。内容を知りたいなら、ちくま文庫などで翻訳が出版されていますので、簡単に見ることが出来ます。
 
 

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