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ルノワールとパリに恋した12人の画家たち 2019年11月5日

#ルノワールとパリに恋した12人の画家たち
#オランジュリー美術館コレクション
#横浜美術館開館30周年記念
#ポールギヨーム
#横浜美術館 #2019年11月5日

オランジュリー美術館のことは知らずに、ましてやポール・ギヨーム氏なんて名前も知らずに観てきました。この美術館に限らず、画商なりコレクターなりが意識して蒐集・保管していかないと作品は後世に残らないと改めて痛感。もちろん蒐集する人のセンスが問われる仕事でもあるので誰でもできる訳ではないけれど。ギヨーム氏のセンスと、ギヨーム氏が面白い物を集めていると気付く周囲の人々の感受性がタイミングよく一致して(場所的、時間的)これらの多数の作品が残ったものと思料。金銭的な打算が当然あったと思うけれど、残された作品がそれ以上の説得力を有すると後世に称賛される。

違いがあるから面白い。
作家の思考・表現方法が違う、作品が違う、観る人の感受性が違う。
違いがあることに価値を置くことができなければこの世は暗黒。

さて、気に入った作品をいくつか。

「美しいモデル」
アンドレ・ドラン、1923、油彩・カンヴァス
生身の肉体がそのまま目の前に置かれた様。虚飾・虚栄心を排したそのモデルの様は正しく「今、生きている人間」を表わしている。

「桟敷席の花束」
オーギュスト・ルノワール、1878-1880頃、油彩・カンヴァス
花束の白い色が印象的。・・・白い色が鮮やかできれい。

「ピアノを弾く少女たち」
オーギュスト・ルノワール、1892頃、油彩・カンヴァス
いつも感じますが、テレビや印刷物で見る色彩と実物の色彩との違いに唖然とします。この画はこの展覧会のPR用に前面に出ている作品ですが、実物の少女たちの背景の青緑色にハッと息を飲みます。

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今回、目先が変わって面白かったのがギヨーム邸の内部を再現した「マケット」が2点展示されていたこと。「マケット」って何? ミニチュアモデル、ジオラマ、と言った方が分かり易いかな。当時の写真も展示されていたので邸内の雰囲気はよく分かります。所狭しと作品が並べられていて、ちょっと窮屈な印象ですが、画商という立場で見ればそこが商談の場であったのでしょう。コレクターという立場と画商という立場とをどのように使い分けていたのか興味あることころです。

もう一つ良い試みだと思ったのが「ミニ図録」の販売。いつもは大きくて重たい図録を持ち帰り、溜まってくると家の中で場所を取る図録。作品だけ見返したい、思い出したいときはこのミニ図録で充分。今回、通常の図録は2300円、ミニは1200円。

ギヨームの来歴等、裏話はこの番組に詳しいです。