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『言語が違えば世界も違って見えるわけ』 ガイ・ドイッチャー
最初にハードカバーで発行されたのが2010年というから、もう10年以上も前になるのか。当時新聞広告を見て、欲しいと思ったけれど、その時期は長期出張中のホテル暮らしをしていて、立ち回り先の書店にはなく、ネットで注文しようにも送付先をどう指定するか分からず、で結局買っても荷物になるから、と諦めたのだった。少し前にハヤカワで文庫化されたの機にふたたび話題になっていたので、図書館で借りてきた。
言葉が思
年末年始に挑んだ原典読破の挑戦 #1 (The Complete Sherlock Holmes)
Netflixでベネディクト・カンバーバッチ主演のBBCドラマ『SHERLOCk/シャーロック』を何話か観て、この年末年始に原文で読破しようと思い立った。
マルティン・ベックも5作目『消えた消防車』待ちで、他の図書館予約の本も来るのはまだまだ先になりそうで、この長い休み期間中に何を読もうかと迷っていたけど、ドラマに背中を押してもらった形だ。
Kindle版では幾つか全集が出ているが、原著者のサ
北村英哉・唐沢穣編 『偏見や差別はなぜ起こる?』
社会心理学者が偏見や差別が生まれる心理メカニズムを解説し、現実の諸問題に適用した最新の成果とアプローチを紹介する一冊
普段は小説やノンフィクションしか読まないのだけれど、最近自分が思っていることが、知らず知らずのうちに差別的な考えになっているんじゃないかと不安に感じることがあって、それならば、何が差別で何がそうででないのか専門家に聞いてみよう、と思いたって図書館から借りてきた
「ステレオタ
デイヴィッド・ベニオフ 『卵をめぐる祖父の戦争』
夕食後から読み始めて、真夜中まで450ページを一気に読み切ってしまった。それくらい面白かった。
あらすじ
作家デイヴィッドはコラムの題材にするため祖父レフの戦争体験を取材する。そして1942年の最初の一週間に祖父が祖母と出会い、親友ができ、ドイツ兵二人を殺した出来事を聞く。
ナチス包囲下のレニングラード。死んだドイツ兵からナイフを奪ったことで捕まった十七歳のレフは、ソヴィエト秘密警察の大佐に
劉 慈欣(リウ・ツーシン) 『三体』
ヒューゴー賞受賞の話題の中国発SF小説。
あらすじ
文化大革命で父を惨殺された科学者葉文潔が前半の主人公。反体制の烙印を押され大学の籍もなくし、失意の中、辺境の開拓事業に参加していた彼女は、ある日巨大なパラボラアンテナを備えた軍事基地での秘密プロジェクトに参加することに。
それから数十年後、ナノテク素材の研究者汪淼は、とある会議に呼ばれ、科学者が次々と自殺している事実を告げられる。裏に見え隠
原田マハ 『キネマの神様』
大手デベロッパーで初の女性課長としてシネコン開発を手掛けていた歩が、退職を余儀なくされ、思わぬきっかけから、経営の傾いた映画雑誌の編集者に。彼女が映画好きでギャンブル好きなダメ親父、かつて敏腕でならした女性編集長、ぶっきらぼうな編集者らと共に奇跡を起こす。
ダメ親父の映画日記を元に、雑誌のブログに記事をアップすると予想外に好評を呼ぶ。
かつての同僚でアメリカ在住の友人に手助けしてもらい、英語版の
図書館で神様に出会った
年が明けたある日。
返却期限が過ぎていた本を返しに図書館にいった。ついでに面白そうな本はないかと見ていた時、一人の老婦人が本を二冊抱え棚から棚へと顔を寄せながら何か探しているような様子に気が付いた。その方はしばらく棚を眺めていたけど、ふと隣に立っている僕に話しかけてきた。
「すみませんけど、この本を元の棚に戻して頂けませんか?目が見えずらくてどこに戻せばいいのか分からないんですよ」
「ええ、お安
『ホテル・ネヴァーシンク』
アダム・オファロン・プライス 『ホテル・ネヴァーシンク』
図書館本。
ポーランドから米国に渡ってきたユダヤ系移民のアッシャー・シコルスキー一家は、幾たびの失敗と苦難を経て、ニューヨーク州北部のキャッツキル山地の山間の小さな町リバティに辿り着く。そこで偶然始めた民泊業が評判となり、かつての大富豪が狂気に駆られるように建設したいわくつきの大邸宅を買取り、「ホテル・ネヴァーシンク」を開業する。ホテルは大