新型コロナウィルス対策

  新型コロナウィルスに対する自社の対策を、社員に明確に周知しているだろうか?


  最初にM社の取組みを紹介したい。

①手洗い・うがい・アルコール消毒の励行 

②外出時のマスク着用

 ③定期的な事務所内換気の徹底 

④日々の体温を把握し、毎朝出勤時に記録 

⑤会議・研修を延期もしくはWeb会議に切替え、大人数が集まる機会の削減 

⑥会合・外部研修・セミナーなど原則参加禁止 

⑦37.0度以上の発熱者の会社報告及び自宅待機 

⑧37.5度以上の高熱・風邪の症状、倦怠感が4日以上続く体調不良者には、最寄りの保健所に連絡し指示に従うよう周知徹底とその報告 

⑨37.5度以上の発熱者には、近日の行動記録及び接触者等の聞き取り 

⑩プライベートにおいて、不要不急の外出禁止

 

 いかがだろうか、M社は社員数が400人を超える会社だが、これを社員に周知徹底していること、さらにその取組みをお客様にも告知をしているところがすばらしい。

  こういった不測の事態が出現すると、経営の力量が試される。社内で徹底する。そしてこういった対策をとっていますと、お客様に告知することにより、最悪、社内で感染者が出たとしても、ここまで徹底をしている会社であれば仕方がないと世間から思われるだろう。やるべきことを徹底する会社だと評価して貰えれば、それだけでも信頼性が高くなる。


 それ以外にも、このピンチをチャンスと捉えることも出来るかもしれない。以前紹介をしたことのあるヘルトフエルの法則 (減るものがあれば、必ず増えるものがあるという法則) に乗っ取って考えれば、様々なビジネスチャンスが浮かぶ。

  今需要が減っているもの=旅行、外食、映画館、催事、海外からの物資等々。逆に需要の増えているもの=消毒用品、持帰り飲食品、自宅料理用品、常備品、家事代行、政府の経済対策関連商品等々、色々考えられる。

  自社の業際で考えてみて欲しい。私どもの古くからのお客様は引越業が本業ながら、直ぐに消毒液の取扱いをされだした。このように困っている人がどこにいるか、世の中のために何が必要かを考えれば、何かが見つかるのではなかろうか。
  

  またこのように事業領域を拡げる以外に、現在の事業を見直すきっかけや深めるきっかけも出来る。たとえば、お客様でお困りのところがあれば、社長自ら、何かお手伝い出来ることがないかと聞き取り訪問をすれば、この機会を通じて信頼関係を深めることが出来る。

  また今後に向けて営業の訪問回数を減らして、客先と合意の上でインターネットを通じて取引できないだろうか。得意先、仕入先を分散させておいた方がいいのではないか。社員は正社員だけで本当にいいのか。フレックスタイム制が取れないか。自宅で仕事をさせることはできないか。政府の薦める無利子融資を借りるだけ借りて、資金繰りをこの機会に楽に出来ないか、逆に借入をしてもいずれ返済をしないといけないなら、この際コロナを口実にして事業の一部をたたむ方向で検討できないか等々、考えることは多い。


「悲観的に準備をして、楽観的に対処をする」ことの重要性はよく聞くところであるが、我社が潰れるとしたら、何が原因で潰れるかを徹底的に検討したい。そして考えられる最良の対策を講じる(冒頭のM社もこの危機意識によるものだ)。その上で楽観的に事業を見直す。この世にやってやれないものは何もない。非常時はなりふり構わず動ける絶好のタイミングである。

  仮に上手くいかないとしても、こういう決断をすれば、こういう結果になるのだという経験則が身に付く。経営者としてどれだけ修羅場を潜り抜けてきたかは、何物にも代えがたい経験になるからだ。

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