株式会社アベ経営・ハーバー税理士法人

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最近の記事

「因」と「縁」と「果」

 ある本からの転載です。  「原因」が同じでも、「条件」(縁)が異なれば、まるで違った「結果」が生じます。例えば、草花の種を蒔くと花が咲きます。種は「原因」です。そして花は「結果」です。しかし、いつ、どこに種を蒔くかによって、「生起」する「結果」は違ってまいります。やはり、それぞれの種にとって、適切な時期が選ばれなければなりません。その時期が「縁」(条件)になります。また、適切な場所に蒔かなければなりません。土が必要です。これも「縁」です。  しかし土のほかに、水分、養分、日

    • バカかしこ、かしこバカ

       先日、初めてこちらの事務所の担当になったという、会計事務所を取り巻く業界の、ある一部上場企業の女性が東京から来た。税理士事務所の営業担当だという。30歳前後で、すらっとしてマスク越しには綺麗な方で、私と副所長とで対応をした。公認会計士の資格を持っているようだ。昔はこんな監査法人に勤めていた。その後、別の大手コンサルタント事務所に勤め、その後に、今の会社に勤めだしているという。そこの会社とは以前から知り合いなので、気楽に話してくれたのかもしれないが、かなり気になった。曰く、い

      • 商売とは饅頭の凄まじい奪い合い

         商売というのは、本当に生き馬の目を抜くようなものです。小俗吏の才じゃありませんが、商才、才覚があって気が利いて、悪さをしかねない奴はうんといます。同業者もいくらでもいます。油断をすれば何もかも失いかねないのが商売です。その中で、私は従業員みんなを幸せにしていかなければならない。私はそれを、こう例えてみたのです。食糧難の時代に育ったせいもあってか、饅頭を例にしたものです。  餓鬼道に落ちたお腹を空かしたワルが、テーブルの周囲を取り囲んでいる。そのテーブルには饅頭が落ちてくるよ

        • ピロリ菌

           昨年7月、3年ぶりに人間ドックを受けた。ガン家系でもありドッグではいつも胃カメラで診て貰うようにしている。そこでお医者さんから言われた。「ピロリ菌がいますね」「えっ、そうなんですか、10年ほど前に除去をして貰ったのですが」「そうですか、最近井戸水か、谷川の水を飲んでいませんか?」「銘水100選の水を汲んで来てそのまま飲んでいますが」「それです、除去をしましょう」非常に驚いた。こちらの生活ぶりは知らないはずなのに、ずばりと言い当てられた。しかも日本銘水100選2位として名高い

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        • 気付きの言葉(バイマンスリーコラム)
          26本
        • 経営研究会
          1本

        記事

          最高のコーチは教えない

           プロ野球のシーズンが終わって、各球団の監督が交代をした。その中で私が一番注目をしているのが、ロッテの吉井理人 (まさと) 監督だ。特に贔屓球団というからではない。この方の経歴からどんなチームを作り、どう活躍をするのだろうかと経営者目線で興味があるからだ。  今年優勝のオリックスの中嶋監督がそうであったように、吉井監督も仰木監督の薫陶を受けている。ヤクルトの高津監督と同じく、野村監督にも教えられている。大リーグ3球団でも活躍をしたことがある。そして日ハムではコーチとして大谷翔

          動機善なりや、私心なかりしか

           京セラやKDDIを立ち上げ、77歳の時に日本航空 (JAL) の再建を無報酬で引き受け、見事に再建を成し遂げた稲盛和夫氏、先月24日に老衰のため90歳で亡くなった。この方こそ国葬にして欲しいと思えるほど、世の中のありとあらゆる層に影響を与えている。   それにしても既に経営の第一線から退いていたにもかかわらず、また晩節を汚す可能性もあったにもかかわらず何故引き受けたのだろうか。旧知の前原誠司国土交通省の再三の要請に応じたためとあるが、稲盛氏には頼まれれば世のために一肌脱ぐ気

          動機善なりや、私心なかりしか

          何かあったらどうする症候群

           最近、新聞のコラムに面白い記事を見つけた。  『元陸上選手の為末大氏が先日、SNS(交流サイト)で私たちの国は「なにかあったらどうすんだ症候群」にかかっている、と発信した。   それは社会に安定と秩序をもたらすが、副作用として停滞を生み、個人の可能性を抑制するという。この症候群は、未来を予測してコントロールできるものと考え、その逆算でしか物事を判断できない。だが、実際には予想しないことが必ず起きる。それをイノベーションという国もあるが、この国では「危ない」や「予想外」となる

          小売業がうまくいくかの指標はただ一つ

           不況下で、経営者や指導者は常にどういう考え方を持っているべきかと悩むことが多いのではなかろうか。そんなときは各界の指導者がどういう風に困難を乗り越えて来たかを知りたいものだ。しかも多くの成功した経営者や指導者の、人生を変えたエピソードや座右の銘などが手っ取り早く分かれば、その中からその時々に勇気づけられる言葉に出会うのではないか。そこでうってつけの本を見付けた。  新聞広告からこの本の存在を知り、さらに先行して発売されたシリーズ本がわずか1年4カ月で35万部も売れていること

          小売業がうまくいくかの指標はただ一つ

          ミラクルをちょうだい!

           日本の製薬技術は世界最高レベルであると思っていたが、いつまで経ってもコロナに有効なワクチンを開発できずにいる。中国ですら早い段階で実用化をしているというのに。  そんな中ようやく塩野義製薬が国産初の承認申請を2月25日に行った。非常に朗報である。しかも重症化リスクの有無を問わずに投与でき、使用法の制限が少ない画期的な飲み薬だという。国においても条件付き早期承認制度で迅速な承認をして頂きたいものだ。  医薬品の国内での販売額を調べると、1位が中外製薬で5,168億円、2位が武

          会話力は質問力

           お正月に免じて頂き、自分の能力不足を棚に上げて、日頃思っていることを書いてみたい。    誰かに教えて貰った訳ではないが、この歳になってようやく会話のルールが分かってきた。  昔から、自分の能力不足を感じていたので、コミュニケーションや雑談に関する本は沢山買って読んだ。また何でも経験を積まないと話に入れないと思っていたので、色んなことに首を突っ込んで来た。しかし会話力に関しては全く上達していない。いまだに自分に関心のある話は聞けるが、関心のない話の糸口が掴めない、気さくに質

          イノベーションの大切さ

           トリドールホールディングスの2021年4月~9月期の連結決算は、本業のもうけを示す事業損益が40億円程度の黒字 (前年同期は35億円の赤字) になった。主力の「丸亀製麺」で持ち帰り弁当の販売が好調だ。他の外食大手は集客に苦戦している。新型コロナウィルス下の新たな外食需要を取り込んでおり、株価も上場来高値圏にある。(3年11月10日、日経新聞)  今年4月から始めた「丸亀うどん弁当」は、なんと1,300万食売れたそうである。外食産業は軒並み苦戦をしている中で、逆風を上手に利用

          侍ジャパン、北京では無冠、東京では金

           東京オリンピックが終わった。数々の名勝負があったが、私が特に注目したのは野球である。  プロ野球で全く監督経験のなかった稲葉監督が、少ない練習時間にもかかわらず、星野監督でさえつかめなかった栄光の金メダルを、どうやってつかめたのか?  選ばれた選手はオールスターの時のような、両リーグを代表する名選手ばかりではなかったはずだ。24名の選手の選考基準はどういうものだったのか。選んだ選手に持てる力の最大を発揮させるようなコツが何かあるのだろうか。これは経営にも通じることではなか

          侍ジャパン、北京では無冠、東京では金

          やめるという決断

           軽い食事をするために、7月初めに家内と一緒に近所のいきつけの居酒屋に行った。その店の入口に6月20日付けをもって閉店しましたと書いた紙が貼ってあった。美人親子で一生懸命なオーナーを知るだけに、「しまった、もっと早くに行ってあげるべきだった」と後悔した。    ただ、そこの店は大きなビルの2階にあり、窓も開けられず、50席あるもののコロナ対策がしにくそうな店だったので、行くときも6時前の出来るだけ人の少ない時間帯を選んでいた。  今となって思うのは、ギリギリまで我慢をして、お

          大谷翔平と「論語と算盤」

           今メジャーリーグが面白い。大谷翔平の活躍に日本のみならずアメリカ全土が沸き立っている。それもそのはず100年前の野球の神様ベーブ・ルース以来の活躍を見せているからだ。   4月26日のレンジャーズ戦に2番・投手で投打同時出場を果たし、5回を投げ切って勝利投手となり、打ってはホームランを含む3安打とした。4打席目には大谷シフトで手薄な三塁前にバントヒットの小技も見せた。打って投げて走って、小技も出来る。栗山監督をして「野球小僧のままやっている感じ」と言わしめた。まるで野球をす

          弘毅の資質の重要性

           はじめに徳川家康の遺訓を紹介したい。有名な言葉なのでご存知の方も多いと思う。 『人の一生は重荷を負いて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したるときを思い出すべし。堪忍は無事長久の基(もとい)、怒りを敵と思え。勝つことばかり知りて負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるより勝れり』  コロナ禍で不自由な生活を強いられ、望みを高く持ちたいのに、我慢をせざるを得ない現状を鋭くついている

          日本の資本主義の父、渋沢栄一

           2月から始まるNHK大河ドラマで渋沢栄一の生涯が放映される。明治維新という激動の時代に生きて、500を超える企業を作り、実業のみならず数々の社会貢献活動の礎を築き、かのドラッカーまでが日本人で唯一書籍中に取り上げた偉人だ。   どのような考え方をもって生きていたのか、興味がつきない。そこで何度か渋沢栄一の著書である「論語と算盤」を読んだ。この本と、ある別の本を読むまでは、私は論語を誤解していた。かつて中国の山東省曲阜にある孔子廟も訪ねてみたことがある。すごく大きな墓で、中国

          日本の資本主義の父、渋沢栄一