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経営改善の思い出その1北東北の居酒屋さんについて完結。

昨日からの続きです。まずこちらからどうぞ

売上を上げるにはざっくりと

1,客数を伸ばす
2,商品単価を上げる
3,注文商品数を上げる
があって、さて地方で人員も薄いため1を実行するのは資金も人口もオペレーションも心許ない。
そこでお店やオーナーが気づいていない「強み」がどこにあるのかをひたすらヒアリングと分析を行いました。

強みを見つける

居酒屋を居抜きで借りたため厨房には焼き物を調理するグリラーがある、そしてオーナーは日本酒を飲めるという事から
【焼き鳥】と【日本酒】を軸に業態変更を進める事にしました。
地方居酒屋の鉄板ちゃ鉄板な業態
また店の規模もそこまで大きくないためターゲットの絞り込みでどの層に届く店にするかを徹底的に行いました。

年齢は30代後半から上
趣味にお金を使える程度の層
気の利いた日本酒が好き

実際にはもう少し解像度を高めたんですが、ざっくりこんな感じ。
狙うべき層が決まったので、あとはそこに響く価値の訴求をとことんまで行います。

値上げの注意点

コロナや原材料費の高騰でメニューを一気に値上げした店も多いかと思うんですが、一緒にやらないといけないのが
【納得感のある値上げ】
◯◯だからこの価格は納得。むしろ安いくらいだ
とお客様に思ってもらえるようにしなきゃならない。
材料を厳選したり、手間暇をかけたり、すでにやっている事をあらわにしたり。それがよく言われる「価値」に繋がるんですよ。

この地域は地鶏が強くって手頃なブランド鶏探すのめっちゃ難航したので材料よりも【手間暇】を訴求して、とにかく地域で一番うまい焼鳥を目指しました。またメニューも刷新し、焼き鳥と日本酒が無理なく楽しめるラインナップへ。メニューの説明もこだわりを伝える文章を追加。

内部が整ったら入り口周りに日本酒推しだと伝わるように自作の棚を作成して日本酒の空き瓶を並べる。
当時はまだグーグルビジネスプロフィールも無く、SNSはフェイスブックページがメインだったので設定。

また、カウンターが3席しかないがほぼストックヤードと化していたので整理し少ないながらも一人客をカウンターへ誘導し取りこぼしのない設定を行いました。

その後

業態変更に伴う費用としてはDIYで行った棚程度なので1万いかないくらい。
劇薬のようにすぐ反応は出るものではない、と考えていたのですが入り口を強化したためか思ったより早く反応が出てきたのがびっくり。

業態変更は既存客の入れ替えが必ず付き物なんで、何を選択するのかという店主の覚悟が問われるもんですがこちらの店主はしっかりと覚悟を決めたため低単価で長時間という既存客が減少し、その代わりに狙った客層との入れ替えがおきました。

最初は半信半疑だった店主も客層の変化に驚いて一気に経営が上向きになったという話。

現在は、店舗の契約満了にともない全く人通りの無い裏路地に店舗を構えて現在客単価は怒涛の6,000円オーバー。昨年度も過去最高年商を突破しています。あれから10年、今も合うたびに
「あの頃阿部さんに出会ったおかげで今があるんですよ!でも最初見た時はチャラくてヤベーヤツだと思ってました(笑)」
と言って乾杯する仲になってます。
お互いしんどい時期を乗り越えた戦友みたいな仲で一生モンですね。

コンサルタントって責任取れないし、何も凄い事なくって
凄いのは僕を信じてやりきった店主が凄いんですよ。これは絶対揺るがない。
誰かの人生のプラスになれた、そんな事例がいつも僕を支えてくれています。感謝するのは僕の方なんだよね。

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