雷蔵ライブ「カタランネ~1000万回のI Love you~」感想

今年のGReeeeNのツアーがめちゃくちゃ盛り上がってますね!

僕はツアー参戦できるのがずっと先なので、ライブについて話したいけど、話せる内容がない…でもこんなに盛り上がってるんだし、なんか一緒に盛り上がりたい…!と思っていたところ、先日こんな発表がありました。

この雷蔵くんというのはGReeeeNと同じ音楽事務所に所属アーティストで、もともと路上シンガーとして活動(今でも?)していた子です。

実は僕は彼のことを事務所に所属する前から知っていて、そんな彼がGReeeeNのライブツアーに帯同するっていうのは個人的にかなり感慨深いものがあったので今回はGReeeeNファンの皆さんに彼のことを紹介するつもりで記事を書こうと思います。


まず最初に、僕が雷蔵くんを知ったきっかけについて少しだけお話させていただきます。

僕は通勤やらなんやらで新宿駅をよく使っていて、新宿駅南口はいつも、それはもうたくさんの路上シンガーが歌って賑わっています。

僕の出身である福岡も弾き語りの文化が強いので、その光景になんとなく懐かしさとちょっと元気がもらえることもあって、たまに足を止めて彼らの歌声を聴くのですが、雷蔵くんもその中の一人にいました。

歌う前はふわっとしてるのに、いざ歌い始めると血管が切れるんじゃないかってくらいの熱唱を見せるギャップが印象的だったのを覚えてます。
同じ九州出身というのもあり、それ以来「あの子今日も歌ってるなー」くらいで認識していたのですが、GReeeeNのライブに感動してGReeeeNのことを色々調べていたら事務所のHPにその雷蔵(当時は福田賢太名義)くんが出てきてめちゃくちゃびっくりしました。

そんな縁もあって、気にかけていた彼が先月下北沢で初ライブを開催するということを知り、近くでちょっと用事もあったのでそのライブを観させていただいたんですが、これがもうすごくよかった。

コロナ禍でずっと歌う場を失くしていた路上シンガーの子たちが有観客でライブができる喜びや楽しさを爆発させたライブ、と言ったらほめ方としてあいまいなので、GReeeeNファンの人たちに一発でわかるすごさを説明すると、PA席に立ってるのがJINさんでした(笑)

いやね、ライブ会場に入ってきて最初に目に飛び込んできたのが、ハンドクラップしてるGReeeeNのプロデューサーだとさすがに笑いますよ。
普段は音質の違いなんてよくわからんと言ってるような僕でもわかるレベルで音の迫力が違いすぎました。これがこのサイズの箱で聴けるなんて。。別に出演されていたアーティストがどうとかいうわけではなく、ステージの格が一段上がってました。

そんな音のすごさを伝えたところでライブ全体やパフォーマンスについてお話しようと思いますが、このライブは「カタランネ~1000万回のI Love you~」(以下、カタランネ)というタイトルだったのですが、この「カタランネ」とは九州地方の方言で仲間に加わるという意味の「かたる」、つまり「仲間になろうよ」ということなんですね。

出演するアーティストも基本的には雷蔵くんの路上仲間が中心で、歌唱力やパフォーマンスはスペシャルゲストのRakeさんやLeolaさんと比べるとまだまだ発展途上なんですけど、何より歌うことを楽しんでいる感じがすごいんですよね。ほかのシンガーがステージで演奏しているときは、楽屋からみんなステージ袖まで出てきて賑やかししてる感じとか、本当に「1000万回のI Love you~」のタイトル通り、愛にあふれた素晴らしいライブ会場でした。

個人的な話で恐縮ですけど、僕は絶望的にコミュ障なので、例えば一次会で盛り上がったテンションのグループの輪に入っていくのって比喩ではなく本当に死ぬほど苦手なんですよね。でもカタランネは誰でも迎え入れてくれるという空気感があるというか、あれができるのは雷蔵くんの誰とでも気さくに打ち解けられる人当たりの良さがあってこそだと思います。

ただ、そんな彼もこの2年は本当に辛かったと思います。

正直、このコロナの音楽シーンにおいて一番打撃を受けたのはオンラインに舞台に移して戦っていくには知名度もなければお金もない、インディーズの子たちだったのではないでしょうか。

中にはもちろんうまくネットに切り替えられた子たちもいますが、路上やライブハウスをメインに活動していた子たちは僕が知ってるだけでも相当な数が活動を辞めてしまいました。

新宿南口…だけでなくすべての路上から歌声が消え、誰もいないあの新宿の光景は本当に世界の終わりを見るような感覚でした。

そんな背景を知っているから、雷蔵くんの最後の「Retry.」を聴いたとき、思わずボロボロ泣いてしまいました。

曲について簡単にで申し訳ないですが説明すると、死にたくなるほどの絶望を乗り越え、いつも歌を聴いてくれるリスナーへの感謝と共に自身の決意と再起を綴った、ゆったりめのバラードを歌いがちな雷蔵くんらしからぬかなりアップテンポなバンドっぽい曲です。

聴いた瞬間、自分の身を削って生み出した魂の叫びのようなものを感じました。

勢いよくスタートを切っても、途中でつまづいて立ち上がれなくなってしまうことはあります。その間にみんなどんどん先に行ってしまって、もう追いつくことは無理かもしれない。それに絶望して歩みを止めたくなることもあるかもしれません。

でも人生はレースじゃないんです。

いい成績を残して誰かから褒めてもらうためだけに生きるわけではありませんし、先に行ったと思ったライバルが助けに戻ってきてくれることだってあるかもしれません。たまたま通りがかった人が車にのせて目的地に運んでくれるなんてこともあるでしょう。

目的地にたどり着くルートや手段は無数にあって、何回何十回何百回失敗したって、生きているかぎりやり直しができるんです。

とはいえ、それがわかっていても実行に移すのは簡単ではありませんし、ものすごい量のエネルギーが必要だと思います。

GReeeeNだって、みんなから応援ソングと呼ばれるものを生み出し続けられるのは本人たちがそれだけの挫折や困難、いくつもの絶望を乗り越えてきたからこそなのではないでしょうか。

絶望を乗り越え新しいスタートラインを切った雷蔵くんが、いつかGReeeeNのように多くの人の心を救うアーティストになることを願って、僕もツアーで見かけたときは勇気を出して話しかけてみようかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?