嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
入間人間作の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を愛読している。
みーまーシリーズは12冊発売されている。その中でも、『幸せの背景は不幸』と『記憶の形成は作為』というサブタイトルのついた2話が特に好きで、何回も読んでいる。
幼少期に猟奇的な誘拐犯に虐待された2人が主人公なので、内容は結構重たい。虐待を原因とした精神機能の障害で、みーくんは嘘をつくのが癖になり、まーちゃんは人間関係の構築や社会生活が破綻するようになった。ストーリーも、殺人や傷害を犯す人たちと対峙するなど陰々滅々としている。しかし、全編を通じて、パロディーが散りばめられていたり、語り手が嘘を織り交ぜた軽い口調なので、面白さも感じられる。2人で世間に関係なく社会から隔てられた生活をしているからか、多少の憧れも感じる。
みーまーを初めて読んだのは、高校卒業間近の時だった。恐らく、中学までだったら、内容の重さや自分には理解し難い主人公の言動に拒否反応が生じ、読むのをすぐにやめていたと思う。高校に入り、(大した苦難があったわけではないにせよ)色々悩んだり辛さを感じたことで、みーまーの面白さや魅力を感じるようになったのだと思う。辛い思いを経験することによって、創作物をより楽しめるようになるのかもしれない。
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