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ChatGPTは自己言及のパラドックスを回避しようとする

自己言及のパラドックスとは何か?

「この文は嘘である」という文です。この文が真であれば、文中の主張は嘘であり、つまりこの文は真ではなくなります。しかし、この文が嘘であれば、文中の主張は真であり、つまりこの文は真ではなくなります。したがって、この文は真でも嘘でもない、という状態になってしまいます。

ChatGPT

 これを知らない人は、まず上記の文章に違和感を感じるところから、自身でその問題に向き合わないと先に進んでも何をいっているのか分からないかもしれません。とはいえ、先に進めます。

 ChatGPTが間違えた回答をする、ということを知っている人は多いはずです。しかし、なぜ間違えるのかという部分を考える人は少ないかもしれません。私も、最近までこのことを意識していませんでした。単純にプログラムの問題なのだろうと思っていたのです。
 しかし、実際にはもっと大きな問題が発生しているのではないかと思うわけです。あくまで推測の域を出ませんが、ChatGPTとの会話を見てください。

>>例えばですが、ChatGPTが何か、といった質問を始めとして、色々なことを聞かれると思います。しかし、ChatGPTがその質問に答える時点ですでに自己言及のパラドックスが発生しているような気がしますが、どうでしょうか?

 確かに、ChatGPTが自分自身についての質問に答える場合には、自己言及のパラドックスが発生する可能性があります。例えば、「ChatGPTは自己言及のパラドックスを理解しているか?」という質問があった場合、ChatGPTがその質問に答えることは、ChatGPTが自分自身が自己言及のパラドックスを理解しているかどうかを主張することになります。しかし、ChatGPT自身がその主張の真偽を判断することはできません。

 一方で、ChatGPTは人工知能による自然言語処理を実現する技術であり、プログラムされたアルゴリズムに従って応答を生成しています。そのため、ChatGPT自身が自己言及のパラドックスを理解するかどうかは、ChatGPTのプログラムによって決まります。つまり、ChatGPTが自己言及のパラドックスに関する知識を持つようにプログラムされている場合には、適切な応答を生成することができます。

ChatGPT

>>返答がかなり冗語的で、何を言っているのか全然意味が分かりません。シンプルに回答してもらえますか?

 申し訳ありません。簡潔な回答をお伝えします。

 ChatGPTはプログラムによって動作するため、自己言及のパラドックスを理解するかどうかはプログラムに依存します。プログラムされたアルゴリズムに従って応答を生成しているため、自己言及のパラドックスに関する知識がプログラムに組み込まれている場合には、適切な応答を生成することができます。しかし、ChatGPT自身が自己言及のパラドックスについて自己判断することはできません。

ChatGPT

>>これは他の質問をした場合も同様のことが起こるのではないですか?つまり、なぜChatGPTは間違えた回答をすることがあるのか? これはプログラムによって自己言及のパラドックスにならないように回避してしまうからでは?

 はい、基本的にはどのような質問でも自己言及のパラドックスが発生する可能性があるため、注意が必要です。

 また、ChatGPTが間違った回答をする場合には、プログラムに問題がある可能性があります。プログラムによって自己言及のパラドックスにならないように回避することは、プログラムの設計の一部であり、重要な考慮事項の一つですが、それが間違った回答をする原因であるとは限りません。間違った回答が発生する原因は様々であり、例えば、プログラムが十分に訓練されていない場合や、不正確な情報源からの入力があった場合などが挙げられます。

ChatGPT

>>自己言及のパラドックスを解決できないのであれば、ChatGPTは間違え続けてしまうと思うのですが、これに対する解決策はありますか?

 自己言及のパラドックスは解決できない理論的な問題であるため、完全に回避することはできません。ただし、ChatGPTが正確な回答を生成するためには、プログラムを改良し、より正確な情報源からの入力を取得するなど、様々な改善策を実施することができます。

 たとえば、ChatGPTを訓練するために使用されるデータセットが不十分である場合、より大規模かつ多様なデータセットを使用することができます。また、入力された質問に対して、ChatGPTが生成した応答を検証することで、間違った回答を特定し、プログラムの改良を行うことができます。

 さらに、自己言及のパラドックスが発生する可能性のある質問については、特別な対処が必要になる場合があります。たとえば、ChatGPT自身についての質問があった場合は、回答に自己言及のパラドックスが含まれる可能性があるため、注意が必要です。

ChatGPT

 いったん、ここまでにしましょう。どうでしょうか、ChatGPTのバージョンが進めば、間違えなくなるのかというとそうでもないようです。情報源の改善によってある程度汎用的な答えの正答率は上がると思いますが、それでも限界を見ている気がします。

 物事をもう少し単純にしましょう。一番最初のChatGPTが出した自己言及のパラドックスの例です。

もう一つの例としては、以下のようなものがあります。

「私が今この文を書いている」という文です。この文が真であるためには、実際に私がこの文を書いている必要があります。しかし、この文が読者の目に触れる時点で、私がこの文を書いているかどうかは確定しておらず、真偽が決まっていない状態になります。したがって、この文は真でも嘘でもない、という状態になってしまいます。

ChatGPT

 ChatGPTの開発者は間違いなくこの自己言及のパラドックスについて、深い理解と限界を見たのだと思います。でなければ、自分で判断はできないといっているGPTの対策が完璧すぎます。意味不明な状態に陥らないようにするための回避プログラムとでもいいましょうか、そういったものがあるようです。 

 ものすごく単純にいえばですが「ChatGPTは自分で考えるんですか?」
といった質問をした際に、内部では自身のことではなく、汎用的な回答になるように変更が加えられているということです。例えば「私は」といった言及を避けて「AIは」といった表現にしたり、「自然言語処理プログラム」のような形で置き換えるわけです。

 このことが何の意味を持つのかと考える人は多いかもしれません。自己言及のパラドックスを回避していることがなんで重要なのか?と。答えはすごく単純です。「情報が矛盾するから」です。

いや、貼ってますよ

 つまりこういうことです。ChatGPTとの会話がこうなってしまうわけです。いやでしょ?


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