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種牡馬別 走法辞典 第2回 キタサンブラック編

あばたです。
種牡馬に着目して、産駒の走法傾向を踏み込んで見ていく月1〜2の連載記事になります。

価格はわりと高めになりますがマニアックを極めていきます。

第二回はキタサンブラックです。

キタサンブラック自体の走法

身体の作りの関係上、クビはやや高めに構える形で、かつあまり大きな動きを伴わない。
重心の上下のブレが極めて小さく、前脚は綺麗に上がるが伸びきらない形。後脚の踏み込みは極めて強く、トビに高さがありストライドは大きく伸びる。
同様に大トビの特徴を持っているモーリスやイスラボニータとの比較を持ち出してみる。キタサンブラックはトビの大きさに対して、全体の身体の使い方は大人しく、最小限のアクションによって身体を連動させるのに対して、モーリスやイスラボニータはクビの位置が下がり、前に突き出す形で大きくアクションを取る。一言に"大トビ"と言ってもこの2種類は区別しておくべきで、前者は長い距離への適性を示し、後者は切れ味やパワーを瞬間的に使うためマイル〜中距離への適性を出しやすい。

さらに細かい点をチェックしていく。姿勢が立ち気味でアクションが小さくトビが大きいと言う言葉から、まず"硬い走法"のイメージがつきまとう。しかし、この馬は当てはまらない。動作の引っかかりやぎこちなさ、クッション性の面をみた印象として"硬い"と言う言葉を使うことがあるが、この馬については一連の動作は非常にスムーズで、ぎこちなさは一切感じられない。クッションについてはやや硬めの足回りではあるが、取り立てて欠点と言えるほどのものではなく、常識の範囲内。雄大な骨格のフレームに対して柔軟性の高い筋力が備わっており、これを支える足回りは十分な剛性を持って作られている。長い距離を速く走るためには完璧なパッケージ構造と言えるのでは。

産駒の走法傾向

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