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種牡馬別 走法辞典 第1回 ハービンジャー編

あばたです。
種牡馬に着目して、産駒の走法傾向を踏み込んで見ていく月1〜2の連載記事になります。

価格はわりと高めになりますがマニアックを極めていきます。

第一回はハービンジャーです。

ハービンジャー自体の走法

ダイナミックな大トビの馬。
前脚は完全に伸びるわけではなく、やや曲がった状態で叩く形の欧州テイストながらも、その上がり方は非常に高く、しなやかさと強さが共存した形。特筆すべきは後肢の可動域の大きさと動きの強度。かなり剛体的でダイナミックながらも、脚先まで視点を移していくと悪い意味での硬さは無く、どちらかというと運動全体から受ける印象はしなやかさを感じる。
このしなやかさの要因となっているのが、後脚着地時のクッション性の強さで、馬体の中でサスペンションにあたる部分の作りが柔らかいことが伺える。ハービンジャー産駒の後脚繋ぎが緩い傾向があると言うのは有名な話らしい。
クッションの強く効いた脚捌きのメリットとしては、荒れた馬場に対する適応が容易である点や乗り手側の扱いやすさなどが考えられる。その一方で、姿勢の維持は課題になり、クビから背中にかけてしっかりとした筋力が備わっていないと姿勢が低くなり、前脚が上がりにくくなったり、クビが前に突っ込むなどのバランス上の問題が出てくる。また、急なコーナーに対して外に振られやすくなる可能性がある。
本馬は筋力量豊富で、クビ〜背にかけての芯の入り方が秀逸で、独特なバランスの脚捌きを十分に活かしきれるような姿勢の維持が出来るのが強み。

産駒の走法傾向

まず、統計データ的観点からピックアップしておくと
・洋芝巧者
・カーブの緩い小回り巧者
・ダート変わり×

この点はメジャーな認識となっているのではないか。走法に踏み込んで考えてみる。

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