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競馬予想・走法Tips

どうも、あばたです!
普段はTwitterを中心に、走法に着目した競馬予想を実施しております。
以前、noteにて"走法理論の基礎"というお題で記事を投稿させていただきました。大変なご反響をいただき、嬉しく思っております。

さて、今回は走法を競馬予想に絡めていくときにどのような観点でのアプローチがあるのか。そう言った趣旨でヒント集を作成していきました。
コンセプトとしましては、それぞれのお題に対して、私の考え方を走法理論を絡めつつ共有できればと言うようなものになっております。
基本的には主観的・官能評価的・経験則に基づいて書いており、全てのTipsについて定量的な検証が行われていることを保証するものではございません。この点はご留意いただけますと幸いです。
すぐに使えるものもあれば、分析自体が難しいものもあり、皆様の予想に対してどのように生きてくるのかと言うのは正直分からないところが多いです。
しかしながら、このようなことばかりを考えている私が、それなりの回収率でそれなりの結果を残しつつ競馬予想をやっている。ここは間違いありません。書いてあること自体がお役に立てばそれが一番ですが、読み物として何らかの刺激を与えられることもあるのではないかという期待も込めて執筆いたしました。

前置きが長くなりましたが、本編はもっと長く98%くらいがただの文章です。どうぞゆっくりお読みいただけますと幸いです。

基本用語

手前

→馬の走り方。走る際の脚の着地順序のこと。
通常の襲歩では以下の形
左手前:右後→左後→右前→左前
右手前:左後→右後→左前→右前
最終の着地脚に注目すれば分かりやすい。

ストライド

→1完歩(襲歩の1サイクル)で走れる距離の長さのこと。

ピッチ

→1サイクルあたりにかかる時間のこと。ここではピッチの速い馬を"回転力が高い"などとも表現する。

脚捌き

→読んで字の如く、脚の動かし方のこと

重心

→物理的な意味合いと等しい
 ここでは走り姿から受ける印象で、背中〜腹部中心あたりを指す。

トビが高い・低い

→襲歩のサイクル間で全ての脚が地面から離れている瞬間が発生する。この時の滞空高さのこと。

クビが使える・使えない

→踏み込みに合わせたクビの上下運動が噛み合っているかそうでないかを指す。ポイントは、
・踏み込み→掻き込みの際にクビが十分に沈み込むこと
・トビの瞬間にクビがスッと上方向に持ち上がり、次の動作の準備に入っていること

捌きが柔らかい・硬い

→四肢の動きの官能評価指標
 各動作がスムーズに実行され、ぎこちなさが無いかどうかを確認している。

クッションが効く・効かない

→着地時に地面からの反動を適切にいなしているかどうか。
馬体的には繋ぎの部分の役割が大きい模様

芯が入っている・入っていない

→クッション・捌きの2項目の総合評価的な立ち位置。柔らかすぎて動作がスムーズに繋がらなかったり、上手く推進力を得られていない場合に"芯が入ってない"などという表現を使うことが多い

グリップ力

→着地後の掻き込み方や、各着地脚の接地感を表す。

交叉襲歩

→通常の走り方を表す
左手前:右後→左後→右前→左前のサイクル

回転襲歩・不正襲歩

→後脚の着地順序が入れ替わった形
左手前:左後→右後→右前→左前
手前変えの直後に発生することがある。
また、この襲歩は持続力に不利だが、加速力を得やすい。スタートの際や、仕掛け時に意図的に回転襲歩を持ちいる馬がごく稀に存在する。

Tips本編

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1.ストライド走法の人気馬は疑え
→ストライド走法の馬は身体の使い方が大きくなり、ピッチ走法の馬に比べて、自由に走るのに広いスペースが必要となる。そのため、『逃げor追い込み』と言った極端な作戦を取る馬が多くなる。この2つの作戦ならば追走時も終いもスペースが無いリスクが下がるため。逆に言えば、馬群の中に入れるタイプの大トビ馬は、上手く身体が使えずに何もできずに負けることが少なくはない。このような馬が人気になっている時は疑ってみるのもアリ。
追走時の動作が窮屈になったり、終いの馬群を捌けなかったりと言ったリスクがあるのを常々承知すべき。

2.堅実なピッチ走法/ロマンのストライド走法
→1の内容に関連。ピッチ・ストライドの有利不利がぼやけている条件において、『馬連・ワイド・3連複』などの1着が固定されない馬券の軸馬にはピッチ走法寄りの馬を選ぶアプローチが有効になる場合が多い。
逆に単勝・馬単・3連単などの1着が必要となる馬券や、穴馬からの流し馬券を思考の軸に据える場合は、ストライドが伸びるタイプを選択するメリットが出てくる。
前述の通り、ストライド走法の馬には能力を出しきれないリスクがつきまとうが、終いの伸びやかさや持続力の点において、ハマったときの恩恵が大きい。

3.ゲートが上手い馬/下手な馬
→パトロールビデオから読み解く。まずはスタートの際の数完歩のピッチを測定してみること。これがゲート直後の速さに直結。
このピッチが決定する要因としては、姿勢が起きて後脚にスムーズに体重が乗っているかと言うところの寄与が大きい。ただし、スタートの瞬間に過度に後脚に体重がかかるタイプは出遅れのリスクも高くなる。
また、まれにスタート後のピッチがあまり効かないにも関わらず、ロケットスタートを切る馬がいるが、このタイプはほぼ例外なく不正襲歩を使用している。加速に合理的な襲歩で、身体の使い方としては馬にとっては不自然なため、この襲歩が可能な馬は限られている。見分けるには前脚の手前と後脚の手前を確認すれば良いがパトロールビデオで見極めるのは結構難しい。模擬的な検証として、踏み出した脚とクビの向きで推測することができる場合もあるが、大事なのは不正襲歩をしているかどうかではなく、『なんか分からんけどロケットスタートすることがある馬』と認識することの方。

4.直線逆手前の功罪
→直線で手前を変えない馬は一定数存在する。片方の手前で長く走っていると疲れが溜まり、脚が上がらなくなっていく。最後にはスピードが落ちていくことが多く、これは特に身体が出来上がっていない若駒戦や、常時パワーが要求されるダートにおいて重要な要素となる。ただ、中には片方の手前での走行が著しく下手であり、手前を変えることでかえってスピードを落とす場合がある。また、手前替えの動作自体が苦手な馬については、手前替え前後の減速が発生する場合もある。基本的に手前替えが発生する場面はコーナー出口から直線に向かっていく勝負どころ。各馬の特徴を掴むにあたって非常に重要な要素であることを強調しておきたい。

5.『4輪駆動型』の適性
→ 左手前交叉襲歩において、『右後→左後→右前→左前』の順序で着地が行われるが、この内の右前→左前の区間の時間が長い馬を4輪駆動型と定義したい。もちろん、時と場合によってこのような駆動形式になる場合もあれば、トップスピードの襲歩では目立たない場合もある。あくまでも可能性の一つとして頭の片隅に置く程度。このような襲歩を見せるタイプの多くが、トップスピードの伸びやかさに欠ける反面、荒れ馬場や道悪・小回りへの適性を示すことが多い。また、このタイプには圧倒的にダート馬が多く、脚捌きの安定感が上がることによってパワーやグリップ力に優れた形であることが推測される。ただし、卵が先か鶏が先かと言う面については分からない。ダートを走っているからそのような襲歩になるのかもしれないし、道悪の走法を切り取って見ているからこの印象が付いて回るのかもしれない。
もう一つ、障害初挑戦の馬について、この形の襲歩をする馬の方が適応できるパターンが多いことは分かった。(個人調べ、データ開示までは勘弁してください)。踏み切り合わせ→飛越→着地→再加速について、一定のレベルでこなすには合理的である可能性が高い。ただし、オープンクラスではこの要素での判断は危険。飛越技量が上がることにより、再加速によるアドバンテージが消失する。

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