オールカマー 予想
総合的な視点で偏りなく分析を実施してみます。
というのもですね、いつもの走法マトリクスをご覧ください。
表の見方を簡単に説明します。
上に行くほど、前脚を伸ばした走り方をしており、下に行くほど折れて地面を叩く走り方になります。また、右にいくと一完歩当たりの移動距離が大きく、左に行くほど小さくなります。名前のプレートの色はクビの位置を表しています。赤くなればなるほどクビ高で、青くなればなるほどクビ低です。灰色はニュートラルです。
現状の野芝Onlyの中山開催での結果を分析していましたが、走法による適性はだいぶ幅広く、ぼやけています。かろうじて見えてきたのが赤枠部分。そもそも中山の外回りはペースによって大きく適性が変わってきたり、総合力のある馬が台頭しやすい条件ですから当然と言えば当然です。今回はこのマトリクスに頼り切らずに丁寧な分析を実施してみましょう。走法理論は条件が整えば強力ですが、1ファクターにすぎません。やる人が少ないので「あばたは走法見がち」って感じでフォーカスされますが、展開も血統も過去戦績も普通に見ますからね!
ひとまず有力どころとキーになりそうな馬をピックアップしてみました。それぞれの脚質に加えてG2ならではの意図が入り混じるところです。
ほぼほぼ画像内に書いたことで事足りると思います。想像力を働かせ・・・
もちろん違った意見があってもいいと思います。
ここで、いつものマトリクスとはちょっと縦軸を差し替えてみたものを作ってみました。ラストスパート時のストライドの大きさと、その時のピッチを確認してみました。ピッチに関してはラスト4Fと思われる区間で、ランダムで3か所くらいをスロー再生し、時間を測って平均を取ってます。なるべくどの馬もいい条件で走れている時を参考にしています。できるだけ平坦区間をピックアップしています。ストライドは目視の評価をスコア付けし、ピッチ時間を乗算したときに大きい乖離が出ないようにスケーリングしています。死ぬほどめんどくさいです。2度とやりません。
苦労の甲斐あって、トップスピードの能力値が見える化されました。ピッチ時間は実測のため、ストライドの目視が誤っていなかったら大丈夫だと思います。回転とストライドですので、スピード能力そのまんまですよね。
およその等速線は点線の傾きのまま平行移動させてやればいい感じだと思います。ステイフーリッシュという便利な基準がいますので、最低でもこれと同じくらいのラスト4F能力がないと厳しいかなというラインで引きましたが、結構な高い壁でした。
基礎能力は皆さんの見るところと全く乖離がなさそうですね。要するに、これはやる必要のない分析でした。なんて悲しいんだ。
スローからミドルのロンスパ戦ですので、この走法から読み取ったラスト4F スピード能力に加えて、持久力の評価をしてあげればいいでしょう。それと中山になりますのでコーナリングでの所作なども。
というわけで捻り出した印と見解を以下に。
----9/26結果追記---
1.◯ウインマリリン
2.☆ウインキートス
3.▲グローリーヴェイズ
-------------------
9/25(土)印修正・買い目例追加
◎ランブリングアレー
◯ウインマリリン
▲グローリーヴェイズ
☆ウインキートス
△キングオブコージ
△ゴールドギア
----3連系の押さえ
・レイパパレ
・ステイフーリッシュ
馬連◎-◯▲☆△△(5点)
3連複▲-◎◯☆-残り
まず、考え方の決め手となったポイントは以下の通り
・小トビかつピッチ走法の逃げ・先行馬が3頭(ステイ・レイパパレ・ロザムール)
⇒加速有利な走法の逃げ・先行馬が固まった場合、ペースの変わり方は緩やかではなく急になる。ロンスパ戦の開始は急に始まる。また、力関係からステイフーリッシュは早めにロザムールを振り切り、レイパパレのスタートの前にアクセルを踏み始めるしかない。ステイフーリッシュは明らかにG1では足りないため、G2の勝ち負け狙い。勝ちに行く形を見せない理由はない。
・レイパパレの動きはマークされる
⇒この馬が先行集団内での的になる。G1馬ですから。グローリーヴェイズ・ウインマリリンは合わせて動いていくか、被せるためにさらに早いタイミングで動く。中団組は先団から脱落してくる馬にスペースを取られる可能性があるため、ある程度の軽いギアが要求される。後方組はこの展開の影響を受け辛い&加速する際のスペースにはやや余裕ありのため重いギア(ストライド大)の馬を狙うべき。
・馬場が良好、かつCコース替わり
⇒上記の通り、先行馬に厳しい条件が付くも、馬場状態は良好で、内有利状況は無視できない。先行馬からも、内目をタイトに回りながら加速し、持続できる走法馬を狙う必要はある。
以下、個別見解
◎ランブリングアレー
ストライドはやや伸びるが脚の使い方は叩き気味。その分、加速能力に関しては十分なものを持っている。クビが少し高いが前走を見る限り改善傾向。充実期の5歳牝馬。折り合い面で気になるところはあるが、狙うべき中団組の条件に合致。右手前のコーナリングに関しては特に気にならない。左回りでの良績もあるが、コーナリングに関しては右回りの方がクビの位置もいいかなあという印象。左右の手前の差が小さい中京巧者が、本格化したら中山巧者というのはまぁひとつのセオリーというか走法理論あるあるなので、ここは狙いたい。過剰人気するなら▲と入れ替えは考えます。(ランブリング10倍以下なら厳しい・・・。逆にグローリー4倍なら美味しいような。)
能力的にはレイパパレ・グローリーヴェイズより少し劣るがオッズ妙味で取りたい。走法マトリクスのこの位置にいる馬は基本的に中距離稍重~重巧者かつ坂道巧者の相です。おそらく道悪にはなりませんが、東京1600mというのはこの馬の適性から外れたところだと思いますし、そこで2着になったというのは重い事実でしょう。
〇ウインマリリン
右手前のコーナリングは光るものがある。クビは少し下がり気味になることもあるがまあ許容範囲。道中はゆったりストライドを伸ばし追走しながら、勝負所のコーナーでピッチを上げられるのはかなりの才能。猛烈な瞬発力ではないが、案外最終ギアも持っているし、持続する脚の使い方ですのでコース適性は高いでしょう。内枠がいいですね。
▲グローリーヴェイズ
オッズ次第では◎と入れ替えます。トビの綺麗さと回転力が素晴らしいです。シンプルに能力が高い。今回の走法一番星ですね。溜めればそこそこキレますし、先行すればストライドを活かして粘りこめます。特に、クビの使い方と身体の連動性が良いため、安定感があります。ここまできれいなトビになってくるとまず道悪はまったくダメなタイプも多いですし、この馬もそのタイプだと思います。今回キレイな馬場である程度時計が出るかと思いますので、問題なく実力発揮できるかと。
そういえば坂がダメという意見もありますね。加速区間に上り坂があるコースは合わないと思いますが、中山はスピードに乗った状態で坂に入ります。回転が遅くストライドだけで稼ぐタイプの脚は止まりますが、この馬は振り切っている特徴ではなく、ストライド・回転のバランスがいいタイプですのであまり心配はないでしょう。
☆ウインキートス
今回の先行馬の中では、この馬は今まで使っている距離が長めですので、行き脚的に位置取りは控えめになるのではないでしょうか。無理に押していくならば話は別ですが。自然に位置を取っていくとどうもちょうどいいポジションに収まるのではないかという。
私のここまでの分析では、適性的にはギリギリ強調できて、スピード能力的にはギリギリ足りているかなあというところにいますので、調子次第でチャンスがあってもいいと思います。
△キングオブコージ
ロマン走法枠。トビがでかいぜ!ギアが重いぜ!
元の状態に戻ってきているかがポイントです。”後方組は重いギアを狙う”というところに合致しています。おそらくピンパーでしょう。
△ゴールドギア
トビはゆったりとしていて、追走の脚は正直ありません。ただ、追ってからの脚の使い方に特徴があり、叩き・掻き込み傾向が見られます。これは坂道巧者の相ですね。足りないと思いますが、人気薄のなかではなんとか狙えるかなあという印象です。
・レイパパレ
実力は十分認めたうえで、逆張りします。そもそも走法理論的にこの馬は非常に狙いづらいんです。大阪2000mなんかはスタートで坂ありますから、最高の舞台ですよね。今回は前述の先行馬厳しい見立てに加えて、好意差しの形になるでしょうから、内目を付くのも考えづらいかなあと。横綱相撲で試しますよね。ステイフーリッシュの外後ろ側に付けてピュッと抜く形ですかね。かなりトビの小さいピッチ走法かつ脚を突っ張ったように使いますから若いうちはいいですけども、どんどん距離適性は短い方にシフトしていく見込みです。タフな展開を見込む今回は3連系の押さえまでで考えます。ぶっ放して逃げるんならまた話は別なんですけどね。
その他のお馬さん
サトノソルタス
トビはぼちぼち。脚は良く伸びていますが、ストライドがそこまで稼げていないのでG3までかなぁという印象がぬぐえません。クビの使い方に難があり追われてもギアチェンジがなかなか難しいところ。前脚への体重の乗り方なんかにも原因がありますかね。急なスパートで置いて行かれる可能性があり、手は伸びませんでした。
セダブリランテス
少しクビが立っていて、トビは大きい形ですね。パワフルでいかにも舞台設定は合いそうです。しかしながら、ちょっと脚の振り上げ方に対して進んでいかないような形が続いていますね。少しトビの大きさにムラがあるように見えます。これは、重心が後ろに寄り気味になっているのと、身体が硬くなってきているのかなぁと。ちょっと判断難しいですね。基本的に、年齢を重ねた馬が調教を派手に見せている場合ってのは個人的にあまり信頼したくないパターンなんですよね。キセキなんて若いころの調教は見た目すごい地味だったそうですよ。年を重ねてどちらかというとパワー寄りの走法になってから動けるようになったという話もあります。
走法的には少しムダが重なっているような形に見えます。2200mの距離は正直長いんじゃないかなーと思いました。
余談
少し似ているタイプとしてはディープボンドを思い浮かべる方がいるかと思います。しかしながら、結構な違いがありまして、ボンド君の方は身体がかなり柔らかい使い方をしているんです。具体的に言うと、クビをそこまで高く保たなくても、グッと前脚が上がってきますし、叩きつけた分だけストライドも高さもしっかり出せているんですよね。身体の使い方がいいので、無駄なく地面に力を伝えられていると。これはCW追いの2頭について見比べてみてほしいんですけど、セダブリランテスはウッドチップが大きく跳ね上がるのに対して、ディープボンドはそこまで跳ねていないんです。(僕の目が節穴じゃなければ。)跳ね上がるチップに力が逃げてるわけで力のロスがあるんですよね。対してボンド君は力を逃がしておらず、推進力やトビの高さにつながっているんだと。私はそう解釈しました。年齢差がありますからね、比べるのは酷ですけども。。
ではひとまずこんな感じで。疑問点などあったらついったーにどうぞ。
なんだ、結局走法ばかり見てるじゃないかコイツ