2日前の昼下がりに人生で2度目の死があった。もちろん肉体上の死ということではない。ご心配をおかけした関係者各位にはこちらでもお詫びとお礼を申し上げたい。

「自分にはもはや何もできない、何も生み出すことができない」という、私の脳と身体のすべてを瞬間的に支配し1年近くも家のベッドへ完全に縛りつけた、2018年の4月に突如あらわれたあの無情に、約2年の時を経てふたたび襲われた。

どうしたらいいのだろうと考えることすらできなかった。
2日前、用事を済ませて帰りの電車に乗り込み、途中の駅で寄り道しようと思っていたら、その電車は特快で、目的の駅を通過するものだった。その電車に乗る前にも2本ほど乗り過ごしていたので、体感的に30分ほど目的地にたどり着けなかった末の、この結末だった。
流されていく目的地を見送っていたらスイッチが切れた。

急激に誰かの創作物を取り込みたい、取り込まなくてはならないという焦りに苛まれ、西村健太氏の著作「どうで死ぬ身の一踊り」の試し読みへアクセスし、読まなくなって久しい活字を数ページねめあげるように読んだ末、機械的にkindle版を購入した。家へ帰ってドアを閉めたらドアが消えた。そのまま散らかった布団へ倒れ込み寝た。そこからはずっと寝た。

寝たら今日になっていた。
家のドアがあったので外に出た。
2日前に来たかった駅に行こうとしたら普通に来れたので、ここも2日前にはなかったのかもしれない。

ピスタチオ ・ハニー・キャラメルフレーバーのシーシャを吸って吐いた。息を吹き返したなと思った。

こうして書いてみると生き返るスパンがだいぶ短くなったことが分かる。強くなったのか。何かが詰まって壊死したのか。

さしあたり仕事には行けそうなので、よかった。





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