大石泉は読書するか？

　・大石泉に本はフィットするか？

　泉はなにか新しいことに挑戦する場合、対象を調べて対応プランを練ってから動くという傾向があります。そのプランを考えるときに関連したジャンルの本を読みあさる、というのはあり得ることだと思います。あまりはしゃぎまくるタイプでもありませんし、泉がゆっくり読書に集中する様子を想像するのは難しくありません。

　泉は知的な好奇心を持っている女の子です。だからこそ調べごとに時間を割くのでしょう。いつもパソコンを持ち歩いているので、ネット上の記事をチェックして知識を拾うこともよくあるでしょうが、紙の本で知識を増やしたいという欲求もあるのでは？　とも思います。本に書かれた活字を追っていくのは泉にとって苦ではないんじゃないかと考えるときもあります。

・で、どんな本がマッチするの？

　おそらく泉に合う本は新書だと思います。哲学、思想、宗教の入門書はたくさんありますし、5Gなど話題のテクノロジーや現代人の心理・人間関係を分析した本、歴史上の偉人を現代の視点から読み解く研究書など、知識を得るには新書を読むのが近道なのではないでしょうか。エンタメ性はほとんどないフィールドですが最新の情報が詳しく掴めますし、いじめや性的なあれこれを記録したルポなど社会における問題を把握するのにも新書は役立ちます。本屋に行けば大量に並んでいます。分厚いものはあまり見かけません。簡単に手に入るのです。

　たくさん読めば読むほど知識は増えますが、泉の場合は得た知識をアイドル活動に活かそうとするでしょう。本を読んでハイ終わりではなく、本の内容を出力しなければなりません。泉のプロデューサーの出番はここにあると思います。泉の読んだ本に関する話を聴いて、知識を整理して、同じ本を読んで感じたことを共有する……というのは同僚や先輩アイドルより、泉を導くプロデューサーがやる仕事ではないでしょうか。

・漫画とかラノベとかエロ本は読む？

　漫画やラノベに泉が夢中になる光景はなかなか想像できません。イケメンなキャラクターがドバーっと出てくる漫画は読むかもしれませんが、泉は物事をロジックで解くタイプなので、バトルものであれば主人公の技Aと技Bはどこが違うのか、どっちのほうがいま主人公が戦っている敵に有効なのか、とか、スポーツものならば敵チームのピッチャーXを攻略するために味方打線はどうがんばればいいのか、など分析しながら読んでいくんじゃないかと思います。ただ暴力要素が濃い作品はNGでしょう。

　「他人に頼る」ということをあまりやらないのも泉の特徴です。主人公パーティや主人公チームが助け合って難所を越えていく漫画やラノベを読んでいけば、誰かに頼るのも悪いことじゃないのかな、と思うことも増えるかもしれません。

　泉がエロ本を読むかどうかはよくわかりません。十代の女の子ですから性的なコンテンツに触れることも多々あると思いますが、泉の場合は動画で観るんじゃないでしょうか。よりリアルな情報をハートでキャッチできるので。キャベジン……

・個人的に泉に読んでほしい本は？

　古いタイプの考え方だと思いますが、泉にはSF小説が合うんじゃないかと思っています。ロジックで作品世界を読み解くこともできるけれども、それを超えた不思議なワンダーを秘めたSF小説を読んだとき、泉のイマジネーションは強く刺激されるはずです。「イーガンは短編が向いてるよね」とか「『無伴奏ソナタ』って泣けない？」とか「『零號琴』ってプリキュアオールスターズだよね」なんて泉に言われたら絶頂射精です。イメージがどんどん膨らむSF小説を読んでいけば、泉のアイドル活動にも創造性が宿ってくると思います。

　いっぱい読んで、いっぱい吐き出していけば、泉はもっともっと強く優しく美しくなれると思います。泉と一緒に本を読んで語り合えたら、望外の幸せです。