そろばんのメリットって何?

そろばん教室ではそろばんを使った計算および、それを頭の中でするそろばん式暗算を指導しますが、これをやるメリットって何だと思いますか?

私は1.計算力 2.成功体験失敗体験 3.指先の細やかな動きが脳の活性化につながる 4.ワーキングメモリ 5.集中力
これらを育成することができると思っています。

1.計算力

これは言わずもがなですが、そろばんはそもそも計算するためのツールです。そろばん式暗算を使うことで圧倒的に早く計算することができますし、簡単な計算なら凡ミスをすることがほぼありません。これは高校などで本格的に難しい数学になったときに式や解き方はあっているのに計算で点を落とすということがない、ということや、日常でこちらのほうがお買い得、などちょっとした計算にもすぐ役に立ちます。そろばん教室に入塾を検討されている方にお伝えしていますが、学習塾に行って小学生が大人顔負けになるのはそうそうありません。(難関中学レベルになると小6ぐらいで親がついていけないということはあるでしょうが、それでもママ塾できる、親のほうが子供より問題はとけるという人もいると思います)でも、そろばんならそろばん未経験の大人である場合、そろばんを習っている子どものほうが大人顔負けの計算力を身に着けることができます。

2.成功体験失敗体験

どんな習い事でも勝ち負けや入賞や成長などがあります。そろばんも検定や大会という機会を通じてまた教室の中での友達同士との切磋琢磨によってたくさんの目標とそれを達成するための努力が日々必要になります。とくに一番の目標の軸である珠算暗算検定は既定の点数に満たないと不合格となるので、日々の努力=結果とわかりやすいものです。
この検定で失敗したら失敗したで、何が不足していたか、自分を振り返ることになりますし、成功したら、あれだけ努力したのだから、と努力に裏打ちされた結果に自己肯定感も高まります。
年に何度もある検定で何度も自分の成長と向き合う機会はそろばんの大変良い点だと考えています。

3.指先の細やかな動きによる脳の活性化

そろばんは当然そろばんという道具を使います。5㎜ほどの珠を上下させる動きを0コンマ何秒という速さで正確にする必要があります。手は第二の脳といわれているぐらいで、この手(指)を鍛えることは脳の発達に良い影響を与えていると考えています。

4.ワーキングメモリ

日常生活でワーキングメモリがないとかなり不便です。総じて年齢の低いお子さんはワーキングメモリが少ないですが、これを小さいころからそろばんを通じて鍛えることで、そろばんだけでなく、勉強や日常生活で役に立つようにすることができます。
ワーキングメモリとはずっと覚えておかなくていいけれど、今その作業をするのに少しだけ覚えておく必要があるというものです。そろばんの場合、掛け算なら123×456といった作業の時にまず何と何を掛け合わせてそれをどこに入れて、そのあと次の九九を見つけて、、、と1.場所の把握 2.九九の記憶を引っ張り出す 3.そろばんの足し方で足す、4.次の作業を想定してその場所を見つける、5.次の作業、、とぐるぐると30秒ほどの間に複数の作業を何度も繰り返します。すぐ思い出したり、どこまでそろばんで足したか覚えたり、必要ない事項を忘れたりしていく作業を繰り返していくいわば、ホワイトボードの書き消しのような感じです。それを複数同時にできるようになればなるほど、より早くそろばんが解けるようになり、そのことがほかの日常生活や勉強でも役に立つというわけです。
勉強ではある程度時間制限があっても、難しいものはそれなりの時間配分があると思います。でも、そろばんの場合、級が上がるごとに難易度は上がるのですが、解く時間に変わりがありません。つまり処理能力を徐々に上げる練習をすることができるわけです。

5.集中力

先ほどの成功体験失敗体験と同じでほかの習い事などでも当然鍛えることはできるので、そろばんでないと身につかないというものではありませんが、そろばんに必ず必要になってくるのは集中力です。もちろん9級や8級ぐらいならある程度集中力がなくても解き方さえわかれば解けるのですが、上の級となるとそうはいきません。
そもそも9級のレベルは見取り算なら2桁の足し算を5回繰り返してそれを1分程度で解くというものです。(つまり10回数字を処理する)これが、6級になると3桁で10回足し引きするというものになります。
(これで30回数字を処理する)そして、3級になると6桁で10回たし引きして1分で解く、となり、1級になると10桁で10回足し引きして1分で解くとなります。(1分間で100回数字を処理する)つまり、ひたすらに処理する量が増えてくるわけです。3級ぐらいならそれでも何とかやれば受かるようになるでしょう。でも、それ以上となると集中して、工夫して、練習を繰り返して、合格に至るためには何が必要か分析して対応する必要があります。何よりよそ見してできるようなスピードではなくなってきます。難しくなるのにミスなくとく、ということを課せられるので、当然集中力が必要とされ、受かるレベルになれば必然的に集中力が身についている、といえるわけです。

まとめ

このようにそろばんを習わなければ大人になれない、というものではありませんが、そろばんを学ぶことでたくさんのメリットが得られると考え、そろばん教室を運営しています。

逆にそろばんがどうしても肌に合わない、他に好きなものがある、という場合は、無理にそろばんをせずに自分のしたいものを突き詰めたほうが、集中力や成功体験失敗体験をたくさん得られると思います。

もし、何かお子さんに初めさせてみたい、と思われるなら選択肢の一つとして一度そろばんも考えてみてはいかがでしょうか。


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