憧れのアーティストに会えた話 〜X編③〜
その日、吉祥寺のパチンコ屋で朝からバイトしていた俺は、夕方、引継ぎとなる夜番の先輩から教えられた。
「みちろー、hide死んじゃったぞ」
「えっ!?うそですよね」
「ほんとほんと、ニュースでやってる」
23年前の今日、5月2日
X JAPANのhideが永眠。
突然訪れた訃報とその衝撃に動揺も隠せず、泣きながらバイトを終え、帰宅してからのことはあまり覚えていない。
親はいつまでもいると思っているように、ヒーローもまたいつまでもヒーローでいると思い込んでいた
誰かを亡くすという事実にまだ慣れていなかった若い俺には事実として受け止めるのに混乱した
TVではトップニュースとして連日取り上げられ
数日経って、ファンも参列できる告別式が築地本願寺で行われることになり参列した。
hideに最も近づき、永遠の別れともなった。
画像は記念にと持ち帰った帰りの切符。
その後、バンド活動をしながら様々なアーティストに直接会う機会はあったが、結論から言うと現時点でXのメンバーに会って話ができたのはPATAだけである。
それも数年前、当時住んでいた中目黒にあるドンキホーテで。
場所柄、近所で芸能人を見ることはしょっちゅうだったが自分の憧れのアーティストに会うのは稀。
どうしても我慢できず握手を求めた。
PATAさんは気さくに応えてくれて「電池どこにあっか知んね?」と聞いてくれた笑
階段あがって左のほうに家電があるので〜と答え、「ドラクエ頑張ってください!」と謎の応援をして階段をあがる背中を見送った。
その数日前に、JOLLY PICKLESのエバカンさんから「みちろーくんドラクエやってない?PATAさんがオンライン仲間を探しているんだよね」と聞いてくれたからだ。生憎ゲームをやっていなかったのでお誘いに乗ることはできなかったが。
さて、そのPATAさんに会った数年前、またも悲劇が起こるのだが、それよりさらに数年前に俺はX JAPANのコンサートを観ることになる。
2008年、LUNA SEAのSUGIZOさんがサポートで加わったドーム公演だ。
ついに、初めて生で観るXは、ファンになった当時とは違いバラードが多めで、幕間も長い構成だったが、それでも充分に楽しめたし、全ての始まりだった「紅」、そしてラストナンバー「X」で念願のXジャンプもできた。
そこにTAIJIもhideもいなかったけど、あのXをどんな形であれ一度は観ておいたほうがいいと思ったのは正解だった。
しかし、Xを観に行くのはそれで最後と思っていたが、奇跡が起こる。
2010年8月14日
サブタイトルに「再会の夜」と題された横浜アリーナのコンサートに、TAIJIが出るんじゃないかと噂されたのだ。
つづく
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