気になる中古車'13MaseratiグラントゥーリズモV8 4.2L
9月14日だというのに気温34℃まで上がりとても暑い1日
陽がだいぶ落ちて来たとはいえまだまだ暑い
都内に入った国道1号線第二京浜を都心方向へ進む横を警察官数名が一列に自転車を漕いで走る横をクーラーが効いたサーブで追越しながら
「暑い中ご苦労様です」と心の中でつぶやきながら
「今日はまだ終わりたくない」
とも思っていました
ロータスエスプリに触れて気持ちが高揚している一方で
予算をオーバーしていたことへのくやしさをどう折り合いつけようか
首都高速目黒線の下の日陰を走りながらふと思い出して電話をする
これまでヤングタイマーのジャンルである80年代後半から90年代の車輌を中心に見て来たのであるが、マセラティグラントゥーリズモに関しては特に前期型はミッションがトルコンオートマである上、個体によって思ったほど高くないものがある
本当はグランカブリオが好物なのですが、その場合500万円を割った個体にはまだ出会ったことが無いので、総額で500万円を下回ってくれるグラントゥーリズモはチェックしていたのです
全く初めてなのですが、出来たら見せてもらえませんか?
「いいですよガレージから出しておきます」
夕方に近くなっているのに急なお願いに心良く対応してくれるそのお店は中目黒の近くの山手通りから一本入った小道にあるスピリットさん
お店に着くと、すでにお目当ての赤メタリックのマセラティが私を待っていてくれました
Sさんがクルマを説明してくれました
特に問題のタワーパーキングについても大丈夫だが、ホイールの出っ張りが当たってしまうパレットもあることを教えてくれました
これは要注意
しかしそれさえ気をつければうちの狭いタワーパーキングのパレットでも入るであろうことを教えてくれるとともに
「これまで3200GTを検討していたのですが、サスペンションのワーニングが必ず出ますよね」と質問をなげかけると「サスのボトムとトップにあるプラスちっくのギアが必ず欠けてどのクルマも必ずワーニングランプが点灯するし、もうパーツは出て来ない」ということや、「スロットルボディが弱点でまれにボルボのパーツ流用で回避する場合もあるけれどもそれもあまり良い手ではない」といった情報をすぐに話してくれました
そう横幅1,850ミリのタワーパーキングに入れられるのは横幅1,830ミリの3200GTしかないと思い込んでいたのでしたが、ショップの人は持っている情報もノウハウもやはり違うのだと教えてもらえました
さらに、「必ずベトベトになる」内装のプラスチックパーツはパーツのプリントまでは削らないよう慎重かつ丹念に、指の指紋が消えるくらい頑張って消していることなど苦労話しも教えてもらえた
私のように強いエタノールでやってしまうとプリントが消えてしまうのでエタノールは使わないようです
2013年式ともなると、ナビまわりだけは古さを感じさせるものの、ボディや内装のキレイさエンジンの程度、信頼感殆ど新車のように見えました
実際格好いいので「これはありだよな」と心がだいぶ傾いたところで
Sさんが「サーブ幌も車体色と合わせてあって塗装もキレイだしいいですね」と言ってくださった
「しかも、他のクルマを見にいくとグズるんですけど、今日はとても快調でクーラーも良く冷えるんです」と思わずサーブ推し発言を返してしまいました
そう、500万円にもなるようなクルマを買うということはサーブを手放すということと同義なのに、サーブでお店を回ってしまう自分の非情さを恥じる結果になり、ちょっと寂しい気持ちになって家路に着いたのでした
その後、降って沸いた縁談が待っているとも知らずに・・・
(続く)