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モノ選びの教訓 KINGJIMのノートPC PORTABOOK

自分のこれまでの人生を顧みて、後悔しない選択がどれだけ出来てきたか?

すべてを肯定出来るほど自信家ではないけれども、すべてを否定するほど失敗続きということも無かったと思います。

ただ、今の自分があるのは多くの成功と多くの失敗の積み重ねではありますが一つ言えることがあるとするのならば、選択しなかったよりも選択したことにこそ後悔しない鉄則だったと思います。

もちろん、最初のモノ選びでもっとじっくり選んでいたらきっと違う結果が得られていたのかもしれません。

今、確実に言えるのは、高いものが必ずしも自分に合っている訳ではないし、高いものは満足度も高いものが多かったというのも事実でした。

選択をより具体的に見ていくと、モノ選びの中で分かりやすいのはPCの選択ではなかろうかと思います。最新のパソコンが最良のパフォーマンスを与えてくれるという点においてこれほど綺麗に序列されているものも少なくないでしょう。ですからパソコンは中古よりも新品を買う方が満足度が高いです。

通信の世界もプライバシー問題を考えなければ最新のモノが良い意味でパソコンよりも分かりやすいですが、スピードは目に見えないこと使う場所エリアによって最適解が異なるという意味でパソコンよりも不公平だったりします。特に5Gはまだ東京の一部でしかおすすめできないタイミングだということはみなさん私よりもずっとよくご存じだと思います。

私は、パソコンで使うキーボードについての記事を書きました。なぜならキーボードは最新が必ずしも最良ではない部類のアイテムと言えるからです。今もKINESISのキーボードが最高だと思っています。それは、人間のフィーリングが実に繊細かつ些細な違いも簡単に嗅ぎ分けられさらに嗜好性に忠実なものであることなのだと思います。気持ちの良いタイピングは良い筆を持つのと同じで勝手に筆が進んでいきます。

しかも、良いという判断は、その人その人によって判断が異なるという意味でまるで音楽の好みのように「えーこんなものが良いの?」という場合があります。例えば私にとって最高はKINESISでしたが、忘れられないのは「富士通FM-8」のパコパコという音が出るキーボードだったりします。FM-8と言って分かる方は1980年代前半のパソコン黎明期の記憶のある方だと思います。そして触覚的に似ているのがキングジムが唯一発売したPORTABOOK XMC10のフルサイズキーボードです。

8インチモニタでOSこそWindows10 Home 64bitですが、CPUはインテルATOM x7-Z8700 1.6GHz メモリは2GB ストレージはeMMC 32GBです。メインメモリは増設出来ませんから非力を通り越してヤバい仕様です。

実際つるしでは全く動かず、全てのバックグラウンド処理を止め、不要なアプリケーションも削除しまくってOSとブラウザとメモ帳を入れるぐらいでようやくWindows updateが出来るぐらいです。(実を言うと、いまだ今年5月のWindows10 May2020 Update Version2004は入れていません。。。)

特に、バーストテクノロジーで2.4GHzに対応しているからかとある4GB/64GBメモリのCeleron機よりもキビキビと動いてくれていて愛着が湧いています。

実際、今私はいまこのPORTABOOKでAmazon PrimeMusicを聴きながらEdgeを立ち上げVGA経由で外部ディスプレイに映してこの記事の下書きをしています。メモリ使用率は90%に届こうかというところですが、論理プロセッサ数4つのCPU利用率はまれに最大80%を指しますが、30%を中心に14%から50%程度を行ったり来たりで固まることもなく安定して動いています。日本語入力環境としては快適なレスポンスです。

そして、面白いことに一文字一文字を大切にする感覚は新しいPCやiPhoneで打つよりも濃厚な感覚が得られています。

このPORTABOOKを選んだ時は、同じくキングジムのポメラのバックライト付と同じ中古の価格で買えてしまうことに気付いた時「いい!」と手に入れましたが、その感覚に間違いはありませんでした。古いポメラは筐体表面のゴム質が加水分解してベタベタになりますが、このPORTABOOKにはまだその兆候はありません。

一方、モノ選びで難しいのが高級オーディオの世界。パッと見の金額の桁が2つや3つ違うものがたくさんあって末恐ろしい。深い深い沼のように思えたりします。それは音は目に見えないからなのでしょう。しかしデジタルの世の中になって音場の立体感などは技術的に作れるようになってきました。

それでも出力を担うスピーカーからアンプから機器を替えるだけで全く違う音になりますよね。それはヘッドフォンでも同じことが言えると思います。

車だって、バイクだって、最新が良いです。操作性のシャープさは格段に上がり、より安全にスピードを楽しめるようになっています。

しかし、スピードの上限が決まっている中での味わいとなると、必ずしも最新のモノが最良ではなくなります。バイク乗りはどんどんと先祖返りをしていく傾向が特に強いのですが、それは先祖に戻れば戻るほど低速での味わいが濃くなってくるので、より安全な速度域で楽しさが増すのが実感できるからなのかなと感じます。

それは、あえてオーディオ機器で言うと、この時代に真空管アンプやレコードが見直されているのに似ています。ただ、クラシックを狙った現代のものと本物のクラシックビンテージものでは味わいは全く異なります。許されるものならば本物のビンテージを一度触れてみることで意味は理解できると思います。

コーヒーひとつ味わうのもインスタントコーヒーにするか、買ってきた粉で淹れるか、豆を買いミルで挽く場合、豆はどうするか?機械のミルか自分の力でミル挽くのか、フィルターは紙かネルかそれとも水出しか、焙煎も自分でするのか?やればやるほど奥が深くなってとうとう豆を栽培するなんてことも出てきます。自分のポジションをどこに置くのか?すべてインスタントで済ます人はたぶん別のことに価値を見出しているから。

普段はコーヒー豆をハンドミルで挽きV60の紙フィルターで淹れるのが自分の無理のないスタンスというか反復し続けた結果ルーチン化して気付いたけれど、TPOに合わせてインスタントコーヒーを選択するときもありますし、稀にネスプレッソを使ったり、もっと稀に気合い入れてエスプレッソマシーンに起きてもらうこともあります。

モノの幅を身に着けて最適なアイテムを使えるようになるとちょっと嬉しいということなのです。生活の中でチャレンジ選択を意識的に行なうことの積み重ねが時間をかけた時にずいぶんと違う世界が見えるようになると思います。


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