信子がパートを辞めた理由

脳トレのためにnoteを始めて今日で4日目。とりあえず三日坊主はクリアしました。
四日坊主にならないようにがんばります。

前回「私が知る中で一番の変わり者」をアップしたら続きが気になるというコメントがあったので、今回は信子が「肉体労働を辞めた」お話をしたいと思います。他にも話たい信子の砕石所エピソードはまた後日ということで。

※まだ「私が知る中で一番の変わり者」を読んでいないという方はそちらを先に読んでからこの記事を読むのをオススメします。

母、信子が働く砕石所。
砕石所といわれてもわからない方のために簡単に説明すると、建物などを解体してできたコンクリートの瓦礫。
これをトラックが荷台に載せ、信子が働く砕石所に運ばれる。
瓦礫はベルトコンベアに流され、瓦礫に混じった木片やプラスチック、ゴミなどを流れるベルトコンベアの中から見つけだして、手で取り除く。
そして最終的に、コンクリートのみの砂利にして製品にして販売するという仕組みだ。

信子の仕事はベルトコンベアで流される瓦礫の中からゴミを見つけだし、取り除くのがメインだ。

作業している小屋は1階部分は比較的ゆっくりとした速度で流れるベルトコンベアがあり、2階部分は高速で流れるベルトコンベアになっている。
1階のベルトコンベア(2人体制)でゴミを取り除いたものが2階に流れ、
2階(1人体制)はそこで取り逃してしまったごみを見つけて取り除くのだ。

2階の人の負担が半端ねぇ。

なので、1階で作業する人と2階で作業する人はローテーションで組まれている。

ここまでただの説明しかしていないのだが、少しでも働いてる状況がみえたら幸いです。ようやく本題に入ります。

信子が砕石所で働きだして20年が経った頃。
電話でいつものように信子と最近の近況などの話をしていると、珍しく信子が深刻そうに話をしてきた。

「お母さんね、75歳まで砕石所で働くって言っとったやろう?もう無理かもしれん。」

信子は以前から「75歳まで砕石所で働く!」と毎回電話で口癖のように言っていた。そんな信子も70歳になり、さすがに体力的にも肉体労働は限界だろう。逆に、よくここまで働いたとすら思う。

しかし、辞めたい理由はそんなことではなかった。

職場はいつも決まったメンバー3人でローテーションを組み、1階と2階を回していた。信子以外はA子さんとB子さんの共に50代の2人と組んでいた。

あるときA子さんが友達のB子さんを紹介する形で連れてきたのだが、そこから信子の辛い日々が始まったのだ。

連れてこられたB子さん。
どこにでもいるぽっちゃりした50代のおばちゃんらしいのだが、
信子とB子が一緒に作業をするとき、毎回B子が立ったまま寝るのだ。

「B子さんが立ったまま寝るとよ~。お母さん2人分、ゴミを取らんといけんけんくたびれるっちゃが」(訳:くたびれるちゃが=体が疲れてつらい)

B子を起こすわけでもなく、黙って2人分のゴミを取り除く信子。
B子を起こせばいいのに、信子は気を使って言えないらしい。

「無理して続けることないよ。もう辞めな。」

すると信子はようやく決意したのかこう言った。

「お母さん、75歳まで砕石所で働くって言いよったけど75まで続けんで辞めるばい!!72まであと2年がんばる!!!」

いや、すぐ辞めるんじゃないんか~い!!!

それから信子は72歳まで砕石所で働いたのであった。

みなさまが気になっていた、信子が仕事を辞めた理由・・・

正解は

「B子さんが立ったまま寝るから」でした!


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