ゲーム•オブ•スローンズ シーズン2EP3「鉄の決意」 行間メモ
2回目に見て気になった箇所をメモしていきます
[3:11]
(ジョン、クラスターが産まれた男児を森に捨てているのを見てしまう)
ジオー「野人は我々より冷酷な神々に仕えている 息子はクラスターの捧げ物だ」
ジョン「息子を殺すなんて人間じゃない」
ジオー「我々の哨士(レンジャー)は何度も奴に命を救われた お前の叔父もだ 我々には別の戦がある クラスターのような男は必要だ」
•ジョンが「人間じゃない」と思う感覚は視聴者の感覚と近くて、視聴者が共感できるキャラとして設定されている。
[13:32]
御者「陛下」
レンリー「足の具合は?」
御者「おかげさまで 馬に悪気はありませんし」
レンリー「そうだな」
•御者の足の具合を気にして声をかけるレンリー。彼はシーズン1EP7で、「私は国への愛や忠義がある王になれる」と宣言し、現代の目線から見ても「いい王様」を目指している。
[14:36]
ブライエニー「私のことは“ブライエニー”で結構です。レディではないので」
•中世ヨーロッパでは、貴族の女性をレディと呼んだそうで、ゲースロでも同様の使い方をしていると思われる。
•ここではブライエニーは自分のことを「貴族」もしくは「女性」ではないと言っている。「タースのブライエニー」と呼ばれていたので、タース島出身のブライエニーという意味だと思っていたが、タース島の領主はタース家で、ブライエニーはタース家の出身らしい(ややこしい)。つまりブライエニーは貴族の出身になる。この場面でブライエニーが言いたいのは「自分は女性ではない」ということ。
•彼女は容姿を「麗しのブライエニー」とバカにされ、女性としてのアイデンティティが傷つけられている。一方で作中屈指の強キャラであるにも関わらず、女性であるがために騎士になれていない。女性としても戦士としてもコンプレックスを抱えている。このあたりを踏まえると、シーズン8EP2でジェイミーに騎士にしてもらい、またシーズン8EP4で一時の間だけだがジェイミーと結ばれ、最後に報われたのがよりいっそう嬉しく感じる。
[17:26]
シオン「なぜ味方の北と戦うんです 戦わず 忠誠を誓えばキャスタリーの磐城を与えられる」
ベイロン「我らの標語は?言ってみろ」
シオン「“種を播かず”」
ベイロン「“種を播かず” 我々は鉄の民だ 誰の家臣にもならん 耕さず鉱山も掘らず ただ奪い 我が物とする」
•鉄の民はウェスタロスの民と違う文化を持っていて、信じている神も違う(溺神)。ベイロンの言葉によれば、鉄の民は騎馬民族に近い、略奪によって勝ち残る民族のようだ。しかしそれが成り立つのは、圧倒的な軍事力があってこそ。具体的には強力な水軍を持ち、ウェスタロスからの諸名家の攻撃をすべて跳ね返し、鉄諸島への上陸を許さない、といったところだろうか。グレイジョイの反乱に敗れて以上、強力な水軍という前提は崩れており、略奪よりも交渉や立ち回り、政略結婚で国を守ったほうが賢明に見える。とはいえ長年略奪のみを行ってきたので、今更交渉や政略結婚をしても、鉄の民がついてこないのかもしれない。
•一方シオンはシオンで、ベイロンに対して「味方の北」と言っているのが気になる。ベイロンからすれば、どこの味方にもなりたくないし、もし万が一味方になるとすれば、勝ちそうな勢力の味方になるだろう。ベイロンの中に、「シオンとスターク家の縁を利用する」という発想がない以上、グレイジョイ家が今すぐスターク家の味方になるメリットはない。シオンはスターク家を攻撃したくない感情のままに喋ってしまっている。
[21:08]
ミアセラ「式のためにガウンを新調してもらうの (サンサを見て)あなたは花嫁だから白ね」
(サンサ、黙っている)
サーセイ「答えないの?」
サンサ「すみません (ミアセラを見て)美しいドレスができるわ 戦が終わるのが待ち遠しい 王に愛を誓えますから」
(サンサ、微笑もうとするが、唇が引き攣ってうまく笑えない)
•引き続き上手くいっていないが、なんとかハウンドの助言通り、サーセイに従おうとしている。
[32:56]
マージェリー「私たちが不仲となれば 敵が喜ぶだけ 敵に打撃を与えるためにも子を宿すのです 私のお腹に また改めて 私だけか兄も入れるか陛下がお決めください 好きにしていいのです 王なのですから」
•レンリーを立てつつ自分の要求をしっかり通そうとしているのがマージェリーらしい。今話で初登場だがすでに持ち味が出ている。彼女の考え方はいつも理にかなっているだけに、最期は理にかなわない極端な行動を取ったサーセイに葬られるのが面白い。
[41:51]
ヴァリス「人があると思うところに力は宿る まやかしです 影と同様 影は小さな人間のものも大きくなりうる」
•権力の本質をついている。
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