ハウス•オブ•ザ•ドラゴン EP4 行間メモ

2回目に見て、ここはこういう文脈がある場面かも!と気づいたことをメモしていきます。

[3:02]レイニラ「父上より年長の彼が私の求婚者として名乗りを上げる方が無礼よ」
•政治的理由でレイニラと結婚したい求婚者たちにとって、年齢差は問題ではない。それに対してレイニラは、男性として好ましい人を相手に選びたいと考えているように見える。

[4:52]ブラックウッド家の少年、自分より歳上で大柄な相手を倒す。
•長い時間を描くドラマで、いい描かれ方をしてるので、成長した姿で再登場しそう。

[8:22]デイモン「三頭市を倒して皆に評された “狭い海の王”と だがこの世に真の王はただ一人 (跪いて)我が王位と踏み石諸島は陛下のものです」
•これまで玉座を狙っているように見えたデイモン。しかしここではヴィセーリスに敬意を払う。心変わりしたか、それとも玉座を狙うためにあえて服従することを覚えたか。

[12:26]レイニラ「彼らの狙いは私じゃない 私の家名とヴァリリアの血よ」→アリセント「ある意味ロマンティック」→レイニラ「ただ城に閉じ込められて世継ぎを産まされる人生が?」→(表情が暗くなるアリセント)→レイニラ「ごめん」
•レイニラとアリセントの価値観の違いはこの回の軸になっている。王宮で一番美しい女性として王を射止め、世継ぎを産んだアリセント。しかしレイニラはこれまでと変わらず家に囚われない自由奔放な考え方で、意図せずアリセントの立場を否定するような発言をしてしまう。

[13:18]アリセント「私にはもう友達がいなくて ただのレディでいたいけど皆の目に映る私は王妃様なの」
•王妃になったことで、友人がいない孤独を抱えることになったアリセント。孤独を豪奢な生活で上塗りして、他人を見下すことで自己肯定をすることもできるはずなのに、それをやろうとしない。本当にいい人。ハウドラはゲースロに比べるといい人が多いな。

[15:05]デイモン「結婚は単なる政治的な協定だ 結婚後は好きにすればいい」→レイニラ「男にとっては政治的な協定でも 女には死刑宣告」→デイモン「そうなら何年も前に 青銅の雌犬とオサラバできてる」→レイニラ「奥方は幸運ね 子供がいない」
•デイモンは結婚は政治的な協定として割り切り、恋愛•性愛は分けて考えている。デイモンの妻はデイモンに興味がなく、子供を持とうとしていない?

[15:52]デイモン「母君のことは悲劇だったが この世は悲劇だ 恐れの中で生きてはダメだ 人生で一番の楽しみを逃してしまうぞ」→レイニラ「恐れの中では生きない 一人で生きる」→デイモン「寂しい見通しだな」
•ちょっと快楽主義的ではあるけど、いいこと言ってんなあデイモン…
•「寂しい見通しだな」と言いながら何故か嬉しそうなデイモン。ちょっと深読みしすぎかもだけど、2回目に見ると「こいつ、人が孤独なままでいられないことをわかってないな、今度思い知らせてやろう笑」という笑顔に見えた。

[24:11]デイモン「癪に触るだろうが民が世継ぎに望むのは男のエイゴンだ」→レイニラ「民の望みは関係ない」→デイモン「民を統治する気なら関係あるぞ」
•レイニラは女王になるまでのプロセスに「民の望みは関係ない」と言っているが、デイモンは民に望まれないレイニラが女王になった後の話をしている。レイニラが言うように、確かに今回のデイモンは以前より大人になったように見える。

[26:05]侍女「失礼します 王陛下がお呼びです」→アリセント「もう遅いわ」→侍女「はい 王妃様」
•王が望むなら、アリセントは受け入れることしかできない。そこにアリセントの意思は介在しない。

[27:17]アリセントの上に覆い被さるヴィセーリス。ヴィセーリスの体は傷だらけ(鉄の玉座でついた傷?)アリセントはうつろな目をしている。
•レイニラが積極的かつ楽しそうに性行為をしているのと対照的。もちろん数年間王から求められ続けたこともあると思う。その上で、(アリセント自身は自覚していないかもしれないが)自分が魅力を感じる男性を相手として選べなかったことが、むなしさにつながってこの無表情になっているのではないかと思う。
•レイニラと対比をするなら、以前から美しさを讃えられ続けたアリセントは、男性が自分に魅力を見出していることにさほど価値を感じていないのかもしれない。EP1〜2でやっていた爪を傷つける癖は、その現れだったとも解釈できそう。周囲から女性としての魅力だけで見られることを避けたかった?

[28:51]デイモン「分かるか?ヤるのは快楽だ 女にとってもな」→レイニラとデイモンがキスをする→ベッドで無表情のアリセントの顔のアップ→デイモン「確かに結婚は我々の務めだ だが欲望を捨てる必要はない 好きにヤればいい」
•アリセントが快楽を感じていないことが暗に示されている?逆にレイニラは積極的で、快楽を感じているように見える。王女として見られ続け、女性として見られたことのないレイニラは、デイモンやクリストンに女性として見られることを喜んでいる?アリセントとレイニラ、いい対比。

[32:40]トリスタン「ダメです」
•「ダメです」と言いつつあまり真剣に止めないトリスタンの胸中はちょっと謎。そもそもレイニラに好意を抱いていたから迷っている?それならデイモンと出かけていたことを後で知った時、どう思ったのか気になるところ。

[36:44]衛兵「“白蛆”の使いの者です。」
•「白蛆」が人物か組織かは不明だが、オットーはその存在にかなりの信頼を置いているか、もしくは支配されていることが分かる。この件が王に伝わったことで損したのは主にデイモン•レイニラ•オットーの三人。もしかしたら「白蛆」は、この三人のうち誰かを陥れようとしたのかもしれない。

[37:50]ミサリア「娼婦では上り詰めるのに限度があると学んだの」(ここで男の子からコイン?鍵?のようなものを受け取る)
•この男の子はオットーに密告した男の子と同一人物に見える。だとするとミサリアは「白蛆」と関係がある人物ということになる。娼婦として上り詰めるのではなく、策謀を使って上り詰めようとしている?

[40:44](デイモンとレイニラが娼館で何をしていたかはっきり言えという王へ)オットー「まぐわいを」
•実際のデイモンとレイニラは「まぐわい」まではしていなかったように見えた。そうすると色々な可能性があって、例えば「白蛆」が「まぐわい」をしていたとオットーに偽って報告した可能性や、オットーが「まぐわい」をしていたと王に偽って報告している可能性も考えられる。
•またこれを王に報告するオットーの意図も不明で、「単に王の手として報告した」かもしれないし、ヴィセーリスが言うように「エイゴンを王にするためにレイニラを貶めようとした」かもしれない。あるいは「白蛆」に支配されているもしくは弱みを握られていて、「自分の立場が危うくなることは勘付いていたが、報告せざるを得なかった」なんて可能性もありえる。

[45:07](アリセントへ)レイニラ「王女の純潔を疑うのは反逆だわ」
•これまで人道にもとる行為はしてこなかったレイニラだが、ここでがっつり嘘をつく。実際にはデイモンと「まぐわい」はしていなくても、やる気まんまんだったし、そのあとクリストンとしているわけで、その上でこの言動は一線を超えた感じがする。アリセントはかわいそう。でも一人の傍観者として見ると、レイニラがこれをきっかけにして自分の欲望のために他人を利用するようになったら、さらにストーリーが面白くなりそうで楽しみでもある。

[47:04]アリセント「純潔を疑われる行動をするなんて愚かよ 縁談を組むのに王も私も苦労した 諸侯たちがあなたを汚れてると思ったら?全部おしまいよ」
•古い価値観の中で、女性に純潔が求められた理由の一つとして、「血縁による家単位での相続を前提とした場合に、女性が複数の男性と性行為をしていると、生まれた子供の父親が誰か分からなくなって困るから」というものがあるのではないかと思う。レイニラやアリセントは王宮という、血縁による相続を前提にした世界で生きている。しかし町にいる女性や娼婦は、血縁による相続がさほど重視されない世界で生きている。だから比較的自由に誰とでも性行為ができる。結局、倫理観とは関係なく社会システムを成立させるために女性は自由を制限されていた(いる)のかもしれない。

[49:50]デイモン「彼女を俺にくれ 俺に借りができたと言ったろ? 我が家の伝統に倣い あの子を妻に迎える」
•女性としてのレイニラが欲しいとしたら、娼館で行為を中断した意味が分からない。やはりヴィセーリスが言うように、玉座を手に入れるためにレイニラと結婚したい?デイモンは「結婚は単なる政治的な協定だ」と言っていたし…

[50:41]ヴィセーリス「ただ二度と顔を見せるな」→デイモン「御意に 兄上」
•ただ酔い潰れているだけかもしれないが、反応が薄すぎる気がする。そう思うと本当にレイニラを妻にしたかったのかも疑わしくなってくる。デイモンの意図がよく分からない。

[55:46]レイニラ「父上の玉座を狙うハゲタカはどうする?」→ヴィセーリス「どのハゲタカだ?」→レイニラ「“王の手”よ」→(中略)→レイニラ「世継ぎの務めを果たしレーナー公と結婚する まず父上が王の務めを果たして」
•レイニラはやはり策謀に目覚めた?これまで父からの命令を拒否していたが、今回はそれを受け入れることと引き換えに、エイゴンの即位を望むオットーを排除した。
•ヴィセーリスは様々な人の思惑に動かされてきたが、ついに娘の思惑にも動かされるようになりかけている?

[1:00:45]学匠「お茶です 王陛下からの お飲みになれば望まぬ結果を避けられます」
•単純に王がレイニラを信頼しておらず、避妊薬を飲ませようとしているとも考えられるが、レイニラと王の会話の中では王がレイニラを疑っている様子はなかった。可能性は低いものの、レイニラの妊娠を望んでおらず学匠に嘘をつかせることができる何者かが薬を飲ませようとしていることも考えられる?

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