ハウス•オブ•ザ•ドラゴン EP3 行間メモ

2回目に見て、ここはこういう文脈がある場面かも!と気づいたことをメモしていきます。

[5:45]ホバート「エイゴンは2歳 もう赤子ではない 後継者に指名されるぞ」→オットー「うまくいくかどうか」→ホバート「王の嫡男だぞ」→オットー「陛下がそう認識されているか…」→ホバート「ならお前が認識させろ」
•王の手であり、首尾よく王の外戚になることに成功したオットーだが、ハイタワー家の中の力関係では依然として当主である兄ホバートのほうが上のように見える。ホバートはハイタワー家の地位をさらに上げるため、エイゴンを王位につけようと目論んでいる。

[7:25]オットー「デイモンと“海蛇”は許可なく戦争を始めた 今さら王が介入すれば王は弱いと思われる」
•よく分からない。トップダウンの組織として、トップの意思に反して下が勝手に始めたことを支援するのは良くないということ?また、誰に弱いと思われるのを気にしているのかもよく分からない。

[8:46]アリセント「もう行ってサムウェル」→レイニラ「いなさい 王女の命令よ」→アリセント「“神々の森”を去りなさい 王妃の命令よ」
[9:14]アリセント「もしかしたら 狩りは楽しいかも」→レイニラ「それは王の命令?」→アリセント「ええ でも…」→レイニラ「では参ります 王妃様」→アリセント「無理強いはしない こんな関係誰も望んでないわ」
•前回(3年前)まで親友だった二人だが、関係が崩れてしまっている。アリセントがヴィセーリスに近づいたことを知り、レイニラがそれを気に入らなかったことが最も大きな要因と思われる。しかしこの会話を聞いていると、アリセントが王妃となりレイニラより立場が上になったことで、以前のような対等な関係でなくなってしまったことも関係が崩れた原因ではないかと思われる。

[9:38]ヴィセーリス「素晴らしいな 家族揃って“王の森”で祝いの狩りだ」
•このセリフをわざわざ言うヴィセーリスからは、愛情溢れる家族への執着が見てとれる。だからこそレーナでなく、アリセントを妻に選んだのだろう。

[10:48]ヴィセーリス「務めを果たせばうるさく言わん」→レイニラ「敵だらけね」
•先述のように「愛情深い」側面もあるヴィセーリスだが、レイニラに王家の女性としての役割を果たさせようとする側面も持っている。この時代•世界設定からすると当然のことではあると思うが…。そして、その二つの側面がヴィセーリスの中では不可分なものになっているのも興味深い。自分の中にある愛情と支配を区別するのは難しい。
•レイニラは父に王女としてではなく、ただの娘として大切にしてほしいと思っている?

[14:03]レイニラ「あなたの務めはケーキを食べること?」
•自分自身で戦えず、政治の場にも立てない貴婦人が、踏み石諸島での戦いを語ることをレイニラは気に入らない様子。自分で行動したいレイニラらしい言動。
•このセリフの直後、貴婦人のケーキを犬が食べてしまっていて、「ケーキを食べる」=「犬でもできる」=「何も役割を果たしていない」という比喩が強調されている。犬ってケーキ食べるんか。

[16:57]レイニラ「結婚したくないの」→ヴィセーリス「私だって務めには逆らえん!」
•やりたくないことはやりたくないと言うレイニラ。やりたくないことをやりたくないと思いながらやり、それをレイニラたち他人にも要求するヴィセーリス。二人の「務め」に対するスタンスの違いが表れている。

[19:00]レイニラ「私が鉄の玉座の後継者になったのはキャスタリーの磐城の城主の地位を上げるため?」→トリスタン「奴を殺しますか?」(この後、二人は目を合わせて微笑みあう)
•トリスタンとレイニラが仲良くなっていることがうかがえるシーン。トリスタンはもちろん冗談で発言したのだろうが、宮廷の堅苦しい世界から外れた自由な発想を持っていることが分かる。レイニラはその発想に好意を持っているのではないか。

[20:19]トリスタン「王の楯になれたのはコール家最大の名誉です 王女様のお陰です お飾りだとは思いません」
•ただ相手が望む言葉を言うのではなく、自分の気持ちを込めて率直に感謝と敬意を伝えたいいセリフ。僕は落ちました。

[24:08]ヴィセーリス「気まぐれでレイニラを世継ぎにしたのではない 諸侯は皆それを胸に刻むべきだな」
•単に王女であるレイニラを妻にしようとしたジェイスンへのセリフ。諸侯たちは女王を妻にするということを想像できていない?ヴィセーリスは女王レイニラも結婚し子供を産むべきだと思っている。最近のディズニーの世界ならともかく、この世界だと男の王が子を残すのと女王が子供を産むのは違う意味をもたらすはず。ヴィセーリスはそれをどう捉えているのだろうか。

[25:24]オットー「ジェイスン公の他にも候補が 陛下もよく知る方で キャスタリーの磐城より近くにいます」→ヴィセーリス「誰のことだ?」→オットー「エイゴン王子です」
•ホバートにはエイゴンを後継者にするよう王に働きかけろと言われたオットー。しかしレイニラを後継者の地位から動かそうとしないヴィセーリスを見て、エイゴンをレイニラと結婚させようと提案する。状況を見て、ヴィセーリスと敵対しないようにしつつベターな選択をしているように見える。
•レイニラが女王になった時、諸侯を夫に迎えるとその家が権力を持ちすぎる可能性を考えると、ターガリエン家の中で結婚することはヴィセーリスにとってもメリットがある?しかしヴィセーリスは「息の詰まる政治の話はご免だ!」と一蹴してしまう。

[28:37]ライオネル「婚姻で両家の溝は埋まりコアリーズ公の受けた辱めも和らぎます 辱めが妄想でも」
•レーナー•ヴェラリオンをレイニラの夫に推した後のセリフ。「辱めが妄想でも」のセリフは、ライオネルの意見を無視してアリセントと結婚したヴィセーリスへのフォローになっている。
•ライオネルは何が目的?自分の家や、自分の欲望のために行動しているようには見えず、逆に不気味。ゲースロでいうヴァリスのような存在感がある。

[34:05]ヴィセーリス「まさか自分が結婚して息子を持つとは 間違いだったとしたら?」
•レイニラを後継者にしたが、息子が生まれたことで迷いが生まれている。自分の選択に自信がなく、間違いを恐れている。ヴィセーリスにとっての間違いとは家族を傷つけることや、家族を失うこと?エイマの死は間違いだったと自認している。
•アリセントには弱さを見せており、アリセント側も「ヴィセーリス」と呼び捨てにしていることから、良い関係性が築けていることがうかがえる。

[36:38]狩人?「もう一度です やや左側を」
•捕らえられた白くない鹿を、ジェイスンに用意された槍で殺そうとするが、一度では仕留めきれないヴィセーリス。ヴィセーリスが周囲の思惑の中で動かされていることのメタファー?

[37:56]
•お膳立てをしてもらって狩りをしたヴィセーリスとは対称的に、レイニラの前には王の森の王、白い鹿が自ら姿を現す。レイニラに王の資質があることの表れ?

[39:07]
•自ら返り血を浴びながら猪に止めを刺したレイニラは、野営地に帰り周囲からの注目を浴びる。本人は意識していないかもしれないが、この件をきっかけに女性だからという理由でナメられなくなるのかもしれない。

[42:30]ヴィセーリス「王配としてあの子を守る貴族と婚姻せねば 本人の望みは関係ない」→アリセント「いずれ結婚しますよ 自分の決断だと思えれば」
•オットーの指示でヴィセーリスに近づき、「ヴィセーリス自身の決断」を促して王妃に選ばれたアリセントがこのセリフをヴィセーリスに直接言うのはアツい。
•直前の場面で、エイゴンを後継者にすることをヴィセーリスに頼むようにオットーに指示されていたアリセントだが、レイニラへの友情があるためか、この場面でそれをヴィセーリスに伝えることはなかった。

[44:06]ヴィセーリス「私は生涯板挟みだということだ」→アリセント「では単純な質問を “蟹餌作り”がのさばる方がいい?消える方がいい?」
•常に他人の考えや、王としての務め、自分の中の理想の家族観などに振り回されているヴィセーリス。彼は自分がどうしたいかという基準で行動するのが苦手なように見える。アリセントはそれに気づいて、「単純な質問」でヴィセーリス自身の意思に焦点を当てている。

[47:17]ヴィセーリス「婚姻の相手は好きに選べ 満足できる相手を自分で見つけろ 私のように」
•親子のぶっちゃけトークの中で、ヴィセーリスはレイニラを後継者にし続ける決意と、親として彼女に幸せになってほしい思いを伝える。結婚相手のアリセントを自分で見つけたように言っているが、実際は半ばオットーに選ばされている。
•ヴィセーリスは務めを果たすことをレイニラに求めながら、できるだけ妥協してレイニラの意思も尊重している。レイニラの奔放な気質は、この父への反発と、父の妥協によって形成されているのかもしれない。

[51:50](ヴィセーリスから援軍を出す旨の書簡がデイモンのもとに届く。読んだデイモンは激昂し、書簡を届けた兵士を殴る。その後デイモンは軍を離れ、単身敵陣へ向かう。
•このあたりのデイモンの心境は、「プライドが高いデイモンは王に助けられることが許せなかった」と言ってしまえば簡単だけど、それだけだと全てが説明できない、もっと複雑な感情のような気がする。なんとなくだけど。

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