ゲーム•オブ•スローンズ シーズン2EP10「勝者」 行間メモ

ピーター「若い頃の母上にあなたは実にそっくりだ 彼女は姉同然でした 彼女のため家に帰してあげましょう」
サンサ「王都が故郷です」
・ジョフリーとの婚約を破棄されたサンサ。前回でハウンドからの申し出を断ったのに続き、ピーターの申し出も断る。この時点ではピーターのことをあまり疑っていなさそうだが…なぜ王都にこだわるのか疑問。

(ダグマー、北部兵との戦いに向け演説するシオンを殴り気絶させる)
・ダグマーはダグマーで行き当たりばったりで行動しているように見える。ウィンターフェルを襲撃してみたものの、リターンよりリスクが大きかったのでシオンをスケープゴートにしてウィンターフェルを捨てたのだろう。

ヴァリス「サー・マンドン・ムーアは姉上の命令で襲った 従士があなたの命を救った」
・サーセイがティリオンを嫌っているのは前提として、利用価値もないと思っていたのは意外。少なくともジェイミーを大事に思う点では共通しているはず。その損得勘定を上回るくらいティリオンが憎かったとすれば、サーセイはかなり感情的に行動する人物ということになる。

シェイ「全部忘れて行きましょう」
ティリオン「できない ここが居場所だ 俺は悪い奴らを扱うのが得意だ 彼らを出し抜いて生きるのが俺なんだ 楽しいんだ 何よりそういうことが好きなんだ 俺の元を去るか?」
シェイ「覚えが悪いのね 私達はお互いのもの」
・ティリオンとシェイの関係は実はここが分岐点だったのかもしれない。ティリオンがラニスター家で生き残るためには「出し抜いて生きる」しかなかった。そうやって生き続けた結果、もうそれはティリオンのアイデンティティ、生き様になってしまった。
・卑近な例えで言うと、「仕事と私どっちが大事なの?」みたいな話。ティリオンからしたら生き様もシェイもどちらも大事だが、シェイにはティリオンの生き様の価値が分からない。

デナーリス「ドラカリス」
・思わせぶりなスキンヘッドの黒魔術師がちっちゃいドラゴンに焼かれるの、改めて見ると笑ってしまった。かませ犬すぎる。
・デナーリスが両手を広げて少しのけぞって、その腋の下からドラゴンの炎が飛んでいくのもよく見るとちょっと面白い
・デナーリスはシーズン1がピークで、そこでキャラとして完成してる感じがある。内気な少女が強い意志で女王を目指すまでの心情の変化が面白い。そこから後は力をつけていくだけで内面はシーズン7あたりまで変わらない。

(野人に連行されるジョンとクォリン。クォリンが突然ジョンのことを裏切り者呼ばわりして切り掛かる。ジョンの両親を侮辱し、ジョンに自分を殺させる。これによって骸骨公はジョンの手首を縛った縄を切り落とす)
・二人とも殺されるくらいなら、ジョンだけでも野人の信頼を勝ち得て生き残ったほうがまし、とクォリンは考えたのだろう。その理屈はわかる。でも合理的に自分の命を捨てられる精神はよくわからない。非合理的に勢いよく自分の命を捨てるほうがまだ理解できる。なんとなく、壁の北側という極限の環境に長年居続けたことで、この合理的な思考が研ぎ澄まされたように思う。
・おそらくジョンはこの場面で初めて人を殺している。にもかかわらず、一瞬ためらってはいるもののわりとあっさりクォリンを殺しているのは注目すべき。侮辱された怒りで勢いのままに殺したのでもなく、またイグリットを殺せなかった時のように殺すのを拒否しているわけでもない。クォリンの意図を汲んだ上で、自分が生き残るための合理的な判断として殺している。クォリン側の考察でも書いたけど、こういう極限の判断が人を研ぎ澄ませて成長される気がする。

デナーリス「(ザロ・ゾアン・ダクソスの財宝を見せて)船を買える?」
ジョラー「はい 小舟でしたら」
ジョラー「(ドスラク語で)金と宝石を残らず奪え!」
・結局クァースにはデナーリスに味方してくれる権力者はいなかった。権力者たちからすると、ドラゴンという莫大な力を得たデナーリスは、利用できないならリスクになるので倒すしかない。でもデナーリスは利用されるような人物ではない。必然的に敵対するしかなくなる。(デナーリスを崇拝するという選択肢もあるが、権力者がそれを選ぶのは難しい)
・デナーリスからすれば、ウェスタロス制覇という目標に向かっているだけなのに、権力者たちと対立してしまう。ウェスタロス制覇は彼女にとって私利私欲を超えた「あるべき姿」としての目標だ。だから対立する者はすべて悪という認識になるし、倒した時に相手が持っていたものは目標達成のために使ってもいいと考えている。こう考えるとデナーリスがウェスタロス制覇を目標にする限り、権力者を倒して略奪を行うのは必然なのだろう。

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