メガネを外したら美少女神話

物心がつく前から、ド近眼だった私。それがどういうことかというと、メガネなしの、ハッキリした自分の素顔というものを知らずに成長していくわけである。近眼なので、鏡に近づけば近づいた部分はよく見える。が、顔の全体像はいつもぼやけてしまう。メガネは顔の一部。

地味な顔なのはわかっていたけれど、少女漫画好きだった私は多少は期待して、妄想していた。じみじみだったメガネッ子が、何かの拍子にふいにメガネを外す。○○って、意外と可愛かったんだな・・・とかなんとか思ってくれる男子のひとりやふたりいたりして。キャー、どうしましょう‼️
(いや、どうもしないんだけど)

美少女はなしにしても、さすがにメガネをかけた顔よりもとった素顔の方が女としてアリなはず、と信じていた。

Xデーは中学2年の頃、訪れた。初めてコンタクトレンズを買ってもらったのだ。自分から欲しいと言ったわけではなく、どうにかメガネを外してあげたいという母の親心だ。期待を胸に、鏡の前に立った私は衝撃を受けた。
これは・・・

はっきり見た自分の素顔は、想像を超えて地味だった。長年のメガネ生活で、なんとなくメガネ焼けをしてしまっていて、それがまた一層顔全体をぼやけさせてしまっている。低い鼻も、メガネをとることで、鼻ペチャ度が増している。なんということでしょう。私の顔を引き締めてくれていたのはメガネ様だったのです。

思春期真っ只中だったこともあり、今更メガネを外すことも気恥ずかしく、せっかく買ったもらったコンタクトレンズは中学卒業まで使われることはなかった。

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