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北の国から '98 時代/田中邦衛、倉本聰他 レコード棚から その17

今回は「北の国から」'98 時代 について書いてみたい。何故なら、スペシャル版で一番これが好きだからです。
タイトル前の序盤で、蛍ちゃんが慌てて玄関から飛び出し、海岸で待つ正吉のところへ走るシーンから、好きですね。中盤の歓喜への伏線だと思う。落石の初春の明るい光の波打ち際で語り合う二人の微妙な関係が、アングルも光線も素晴らしい。

このドラマは黒板家の家族の様々な歴史を描く訳だが、ドラマなので困難な事柄ばかりが、次々とこれでもか~と湧き上がるのだが、このシーズンだけは、過去最高の喜びに包まれる。五郎さんが、蛍と正吉の結婚の報告を聞いて、歓喜に咽び泣くシーンは、ずーと見てきたものには、他人事とも思えず、思わずもらい泣きをするくらいの感動シーンだった。

だからか、このシーズンが一番好きである。いつものあの重苦しい雰囲気から一瞬開放されるのが、気持ちいい。確かに結婚の話は、古今東西最高に喜びに満たされる訳だから。

正直、1980年の初放送から生で見ていた世代になる訳で、社会人1年生で毎晩終電まで、仕事をしていましたが、「北の国から」放送の日だけは、TV見るために、早々に退社していましたね。

劇中でいうと、純達の兄貴代わりの草太兄ちゃんの世代と同じであるから、どうしてもあの女に弱い草太に自分を重ねることも多い。重苦しい雰囲気が多いこのドラマで数少ないホットする役どころだし、そういうシーンを作ってきたのは、重要な役どころでもあった。岩城滉一さんのあの雑な演技もいい味出していたと思う。

最近、「こたつのない家」に吉岡秀隆さんが出ているのを見ると、しみじみ年月の流れの早さを感じますね。あのませた子供を演じた彼がもう既に疲れた中年の役をこなせるようになっている訳で…ちょほほ。
で、このドラマの吉岡秀隆さんを観ていると、ホントに演技が上手いと思う。特に右の眉毛を上に上げて表情を作るのが、印象的だ。役どころも、だめ亭主を演じる訳だが、それは「北の国から」の五郎さん的な役であり、ある縁を感じる点でもある。



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