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前川國男邸/前川國男 建物探訪 その9

3月10日に小金井市にある江戸・東京たてもの園に展示されている「前川國男邸」を見て来た。


やはり住宅の傑作である。
外見の特徴は、大屋根で中央に丸柱が棟木を支える形式で伊勢神宮と同じである。中央に居間が吹き抜けで東西に個室という構成だが、中央の胴差のレベルが低く、腰高の印象は無い。此処がスケールを抑えているので、全体的にヒューマンスケールと成り、小振りに見える。
展示場では、南東から反時計回りに北西の反対側にある玄関アプローチへ回り込んでいく。

南東から、中央の独立丸柱が印象的


アプローチもヒューマンスケールである


第一印象はその小振りさであること。玄関を入る時のスケールも小さく感じた、居間の化粧桁の高さもとても低い。この低さは、自分が知る中で最小と思った。が、其れ故所謂ヒューマンスケールを感じるのかもしれないが。

アプローチから居間北・食堂を見る


プラン的には、居間を中心とした型であり、その東側に主寝室・浴室等のサニタリー、キッチン、西側に個室・女中部屋・玄関が付つ形になっている。廊下は少ない。

玄関入り口から居間を見る


食堂は居間の一部で北側に、奥の小窓はキッチン受け渡し用、奥はサニタリー


ダイニングテーブル 一品もの



寝室1 


白いタイルのキッチン、奥はボイラー


リビング北側の2階片持根太


感激して1時間も滞在し根掘り葉掘り見ていた。自分がみた住宅の中でも屈指の作である。それが原型で保存・展示されていること自体も素晴らしい。この住宅は昭和15年頃の戦争前期で資源規制があり、延べ床面積が100坪の中で設計・建設された。とても戦前の建築には見えない。
建築や住宅が好きな人には、是非見て欲しい住宅である。
前川さんについては以前書いたのでリンク先を参照してください。



この住宅に関する復元工事報告書が、ショップで販売されていた。思わず購入…先日の決意は各も無惨に潰えたのであった…ちょほほ。
今日(11日)から読みだした。藤森氏と元所員の大高氏、大谷氏の座談会もあり、面白くてここから読み始めた。



後日、もう一度この住宅について、書いてみたい。
以前から見学したいと思いつつ行けなかったが、行って良かった。次回は一日ゆっくり見てみたい。
今回は町田でのオルガンリサイタルの往路の途中で寄った。朝4時起きし、C5ACで水戸街道>環七>新青梅街道>青梅街道経由で3時間掛けた。久々の早朝一般道走行は気持ちよかった。
蛇足だが、この住宅がある江戸東京たてもの園は小金井公園の一角にあり、60ha規模で家族で行っても一日楽しめる。散策していて、この近所に越したくなった。

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