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那須野が原ハーモニーホール/セルスペース 早草 睦惠@2005.08 建築探訪 その18

竣工1994年、見学2005年。栃木県大田原市にある。複合文化施設で大ホール、小ホール、交流ホール、2つのギャラリーがある。

黒川紀章氏が審査委員長のコンペで、設計者が選ばれた。小ホールはガラス張りで、全体的にモダンなデザインに成っている。そういった特徴から卒業設計の参考になると思い、何遍か見学した。

事前に見学のお願いをしており、当日はイベントも無く、大ホールのステージも登れた。

エントランスホールから大ホールのホワイエへ向かう

平面的にも、エレベーション的にもアクロバティックなデザインが多用されており、バブル期の傾向にある。

レストランもガラス面が多く、開放的だが反面、落ち着かないかも?

下画像、スロープ途中から大ホールのホワイエの入口を見たもの


大ホールのホワイエからスロープを見返した

上の画像、貫入したボックスは遠近法で角度が付いており、より遠くに見える

大ホール ステージ

大ホールのステージには、その後パイプオルガンが付けられた。それから行っていないので、一度聴きに行きたい。

ステージから客席を見る。

大ホールの客席数は約1,200席。

小ホールの入口

ここから小ホールだが、当日補修工事で見学出来なかった。曲面ガラスが多く、補修が大変らしい。


補修工事で足場があった
ホワイエの屋根
巨大な球体が小ホール

ガラスの球体は流石にメンテナンスが難しいらしい、雨漏り原因はそのデザインと納まりに在るだろう。その奇抜さとトレードオフである。

小ホールのガラス面

配置的には中央にストリートがあり、北側に大・小ホール、南側にエントランスホールとギャラリーがある。

エントランスホール上部
中央のストリート

バブルの遺産と言うには、余りに可愛そうだが、そのメンテナンス性の悪さは、自治体に経済的負担を強いているだろうことは、容易に推察できる。これからも、頑張って維持して欲しいが…。
設計者とは、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストにも責任を追うことは明確であり、これはその時代の遺産であろう。

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