書きたいだけ書く日記【2021/12/06~2021/12/12】
本格的な寒さが熊本にも。短歌も万葉の和歌もJ-POPもおさるのジョージの歌もみんな歌、古今関係なく歌まみれ。疑似来世に温まりつつ、タイピング音やバブルとバラードについて考えた、1週間。画像はこの期間に作ったクロックムッシュ(ゆるめ)。
2021/12/06(月) 冬はつとめて
寒さ、本格的に。
清少納言の「冬はつとめて」は秀逸だと思う。今と気候が似ていた平安時代もきっと同じぐらい寒かっただろうし、ろくな暖房も衣服もない頃だから寒さはこたえただろうに。それでも冬は早朝だという審美眼。
書物をして、デスクの片付け。廃棄の紙類が大量に出る。紙を縛るのは苦手。3つ作ったところで忍耐力死亡、放棄。デスクからリビングにパソコンを持って移動して詩作。しばらくやめていたけれど、世界と私をいかに遭遇・対面させるかの手段は多いほうがいいということで再開。世界と私となのか、私と世界となのか。私という世界なのか考える。言葉遊びのようになってきた。
息子1、体育の時間にまたしても仲間たちと完璧に、「おさるのジョージ」のオープニングを歌いつつ走ったという。
今回は5人で、口三味線と掛け合い付き。アホだ。なんだろね、この充実ぶり。私の中学時代は校内暴力とかツッパリだの不良が生息していて、こんなのどかで楽しい学校生活はなかった。不良は力勝負だし、それ以外は陰湿でやるかやられるか、の世界。一時も気が休まらなかった。息子1のおかげでもう一度、今度は充実した学校生活を送らせてもらってる気分。もはや疑似来世だ。
懸案の炎症、変わらず。全然治まらず腫れている。痛みも熱はないので様子見、と言われているが納得いかん。だったらどうやって治るのか、と思ってしまう。
2021/12/07(火) 鳥といえば高桉
渡りの鳥たちが近所の庭の木立の中でさんざめいている。風の葉擦れの音とともに好きな音。こう際限なくぴやぴや言っているのを聞くと、いつもこの歌を思い出す。
高桉の三笠の山に鳴く鳥の止めば継がるる恋もするかも
山部赤人
流布している解釈がどれも微妙に雑で笑える。「鳴く鳥の声のように絶え間なく恋することだろうなあ」とか、濁す。もうちょっと言葉数増やして、と思う。ああこれ、「短歌『読んで』みた」に書くべきか。
一つの声が鳴きやんでもまた別の鳥が鳴く、の意だからまあ一つの恋だけでなく次々と、ってこと。継続の話じゃなくて数の話か。恋多き人。というか、鳥のぴやぴやに恋を引っ掛けてくるあたり、どんな恋愛脳。これが貴族の歌のたしなみか。まあ長歌につけた反歌というから言葉のお遊び要素が強いのだろうけど。
文章を打っていて、気になるのはタイピング音。知人が職場の人のタイピング音に悩まされていて、どう見積もっても知人の気のせいでも過敏でもなさそうなので。多分私はものすごく音が大きいと思う。そもそも中学時代、小説や詩や歌詞を猛烈に書いていたところにワープロをもらって、あまりに嬉しすぎてそれはもう高らかにキーボードを叩き、その音にまで喜びを感じていたくちなのでそもそも大きい。音がしてこそ文字が打ち込まれるぐらいの認識。人様が居るところではひそやかに叩こうと思うし、スタバとかに持ち込むのはやめようと思う。そもそもそんなところに行って歌が文が出来るわけではない。
2021/12/08(水) どでも辛い
日米開戦の日。80年目だという。だからなのか、ニュースも番組も多く扱っているけれど、私としてはしんどい。私は祖母が戦争の中枢で働いていて、そこがないと私は多分この世にはいないと思うから機会あるごとに調べているので、見る気がない時にぶっこまれるのはしんどい。普段全く触れない人に対する啓発だとはわかっているけれど、私はしんどい。どれだけ調べても耐性はつかない。いつ見てもあの戦争下で暮らした人の話はつらい。テレビ大好き人間で一日つけっぱなしのテレビは今日は一日ミュートにして、日米開戦のことのニュースが出る度に目をそらしてやり過ごした。
祖母もやばいけど祖父はもっとヤバい現場で戦争中は働いていたらしい。二人共戦争で人生が変わった。祖父に至っては多分誰にも本当のことを言っていない。誰も知らないのだ。戦後ある日劇的に出家し、書斎に自分が関わったであろう事件の書籍を置いていた祖父。戦争は生き残っても人の性格や人生まで変えてしまうし、私たち普通の市民は、色んな意味で上から降ってくるものに甘んじるしかない、ということに絶望する、というのが私にとっての戦争だ。だから、私の意志と関係なく無理やり目に入れられるとしんどい。
夕方の家事時間、今日は鼻歌ではなくYou Tubeで誰かの作ったミックスリストを流す。今日はYOASOBI。まとめて聞いて、なんというかいい意味での新しく無さ・フォークロア的なものを感じる。
晩飯にミネストローネとポークソテー、ごはん、ザーサイ。ザーサイは水前寺駅近くの中国人のご夫婦がやっているお店のもの。とても美味。親切にパッケージに「どでも辛い」とマジックで書いてあって身構えたけれど、そんなでもなかった。
2021/12/09(木) AFNPacific
先週から朝の、家族がそれぞれの場所に出かけるまでの時間、AFNPacificを聞いている。今朝は三沢基地のものを。AFNはアメリカ軍のラジオ放送で基地があるところなら聞けるし、今はスマホアプリがある。こうなった発端は息子1の受験。耳を鍛えるために英語を聞き流したら良いと塾の先生に言われて、思いついたのがAFN。
このAFN、昔はFENと言っていた。とても懐かしい。実家では親族が横須賀にいた頃慣れ親しんだものであり、私も風向きで佐世保のものが聞こえるのでよく聴いていた。手っ取り早く外国気分になれるのがよかった。久しぶりに聞いて、なんとも言いようのない気分になっている。アメリカへ行ったり来たりしていた頃の気分を思い出す。その頃の私は死んだはずなのにな。
息子1のために始めたことなのに以外にも私が気に入って、息子が登校した後も聞いている。それにしても聞き取る能力も落ちている。英語には触れたくもない時期が続いて遠ざけている期間が悪かったことは間違いない。今更ながらシャドーイングとかしていることだし、少しずつ取り戻していけたら、と思う。
午後、つけっぱなしテレビから映画「トラ・トラ・トラ」。時期ものね、当ててきたのね、と思いつつも昨日はヒチコックの「鳥」だった。太平洋標準時に合わせてるのか。
息子1のピアノが苛烈。聞いててつらい。勉強がメインの日々にこれというのはやはりストレスがたまっているということか。弾いていたYOASOBIの「夜に駆ける」を口笛で合わせる。まあまあいけるが息継ぎ問題。歌よりオーバーブローするので足りなくなる。
夕方息子1が塾に出てから、デスクを片付け、お仕事も出来るモードに。こうするとやる気満々に見えて嫌。ひっそりと深々とやりたい。
夜、息子2から生徒会副会長に当選したとの連絡。こういう活動に熱心な学校で、先週からポスターを作ったり立会演説会を経て投票、今日結果が出たとのこと。そもそも息子2は同級生とずっと揉めていて、小競り合いや肉弾戦を繰り返し(母の目には似た者同士で目くそ鼻くそ、狸と狢の戦いにしか見えない)、誰が上なのかわからせてやる、というものすごい志望動機。揉めが増加しないことを祈りたいところ。
2021/12/10(金) 授業開放
午前、息子1の学校の授業開放へ。熊本市の学校がやっている学校改革の一環だろうか。結局授業参観なのだけど、午前中自由にどうぞ、というラフなものになっている。
息子2、体育に来てくれと言うのでその時間に行く。面白い。今は持久走の時期なので20分間走というのをやっている。得意な子はすいすい走り、苦手な子たちは気の毒なほど。いつも通り息子1は素晴らしかった。思わず激写。ラスト1分、ちゃんとスパートもしていた。私の子と思えない素晴らしさ。
久しぶりの学校行事だった。もしかしてこれが中学最後かも、と思いつつ。母仲間の皆さんと社交出来たのも良かった。
学校まで歩いて往復したので沈没。やっぱり歩く距離ではなかった。少し休んで皮膚科へ。診察。その後は食料品を買いだして帰宅。死ぬほど疲れていて、書物も読み物も断念。ゆるいものを読んで過ごす。
2021/12/11(土) ええっ、男の子か?!
なかなかにミッションの立て込んだ一日だったのでなんとも言えない気分で起床。
息子1が起きてくるのを待って、朝食を食べさせて連行、お出かけ。まあそれだけでまず大ミッション。ご飯を急げとは言えないので言わないのだけど、着替え終えるまでの長いこと。ようこんな子の習い事の付き人やってたなあと思う。
出かけたのは近所のこの時期だけ行く医院。インフルエンザの予防接種。遅めだけれど、息子1の受験期に一番働かせるために計算して。待合にものすごく咳をするのにマスクをしていない幼児がいて、しかも走り回りつつ席をしているのでものすごく嫌な気分になる。息子1は私のスマホで、私がつまらなくなって2週間ほど放置したゲームを一生懸命維持しようとやってくれる。私はいただいた歌集を読む。
そのうちに診察室に呼ばれる。そして久しぶりの「ええっ、男の子か?!」を聞く。なにをおっしゃる…身長170cm超えのThe中学男子に向かって…何という既視感。小さい時は多かった。色白・薄い茶の髪でぱっちり二重で当時は可愛かった息子1。スーパーのおむつ替え台で隣のお母さんに「ついてる!キャッ」と驚かれたり、近所の人にずっと女の子だと思われていたり。今回は名前で勘違いの模様。問診票、男に丸つけたのに…覇王系の漢字なのに、頭脳派の有名人男性もいるのに、同じ字・同じ読みの女優さんが居るからか。
ともあれ無事に接種終了。ちょっとほっとするも、会計を立って待っていたら息子1くねくねと踊り出す。この人は幼児期から一緒に出かけると踊る。隣で踊られるとつられて私も揺れてしまうのも昔からで、ひとしきり揺れてから気づいてやめさせる。帰宅してマスクを捨てて、全身着替え。
午後は息子1の塾の高等部の高校受験説明会。高等部は大学受験のためのものじゃないかい?と思いつつ。結局受験終了後もうちの塾に来てね、という感じの話。今それどころじゃないってのに。こんなことで時間使わせんな。しかし進学校に行く子は塾が必要だから、ここから囲い込みするのね。うまいことやるなあと思う。
その後、予防接種のせいか体調が微妙という息子1に塾を休ませて家に置いて、息子2の面会へ。息子2今日も素晴らしかった。選挙であいつに勝った!と言う話をたっぷり聞いてやった。
帰りに文房具のデサキへ。ご挨拶用の鳩居堂のはがきと手帳を買いに。今年、手帳は完全に出遅れた。私はCampusのマンスリー・月曜始まりしか使いたくないのに、欲しいものだけ売り切れ。ネットで買うことにして、近くのホームセンター、ハンズマンに衣類の洗剤を買いに行く。家で使っているものはここにしかない。無香料・蛍光増白剤無配合のもの。ついでに安い封筒を買い足そうと文具コーナーに行き、先ほど売り切れていたCampusの手帳を発見…即購入。カバーはこっちにはなかった。素晴らしい買物ぶりよ。
結局なんだかんだでものすごく疲れて晩飯は流行りの、無人で自販機しかない店舗の冷凍餃子を買ってきて焼く。微妙。次はない。
2021/12/12(日) 時間の流れ
家族それぞれ仕事や模試で出かけるので、7時に起きる。
朝食を白いプレートにワンディッシュに。サラダとハム、りんご、ゆで卵とバタートースト。
卵が目玉焼きからゆで卵に変わっただけで昨日と似ているのでなんだか悪い気がしたところで、婆を思い出す。婆こと実祖母はばっちりと朝食なり何なり作っても、前日と同じだと
「ごめん、昨日と同じで」
という人だった。私は変化をあまり好まないたちで好きなものなら続いて全然問題ないので、
「これでいいよ、ばっちりだよ、問題ないよ」
と言ったものだった。
私はそもそもいろいろと実祖母に似ている。普通の主婦がやる家事一般何でもやれるけれど、そういうことは全部嫌いなところとか。こんな、妙な感情を抱くところも遺伝なのかね、と思う。ああ、毒な部分は似ませんように。
色々と新しい目標が出来たので、しばらく使っていなかったお仕事用キーボードを復活させようと出すも、電源アダプターが見つからずやる気を失う。ピアノの前でいろいろするの嫌なのよね、冬は。足が寒いし足元を暖かくするとピアノに悪いのでぬくぬくと暖かい部屋でホットカーペットの上でやりたい。ここのところの稼ぎをつぎ込んで買うか、と思うも現在うちは新規楽器購入は熟考しないとほんとにやばいところに来ている。どこに置くのか問題。ピアノ2台にキーボード、管楽器10本以上、それと楽譜。楽器部屋を改造するべきと思い立つ。次々とやりたいことが生まれて嬉しい。
それにしても誰もいない、一人の日曜は素敵だ。まだ子らが小さかった頃、一緒に寝ている子らとともに目覚める日曜も最高に輝いていたけれど、一人もまたいい。
午後、つけっぱなしかつミュートのテレビから古いJ-POPの歌番組。原田真二が「うっせえわ」をカバーしていて、ミュートを外す。そこから「キャンディ」。曲の連携がとても良かった。往年のきらきら青年からは思ってもみない姿なれど、完全に現役で、歌声は色気ダダ漏れで驚く。すごいわ。信じられない。昔より濃厚じゃないの。正しい歳のとり方の一例を見せてもらった感じ。一つ事に打ち込むことが作る姿。
ZIGGY、懐かしい。森重さん、ジョーカー味が強くなっていたけれど死ぬほどかっこよかった。あの頃のバンドカールにとってたまらない。
中西保志の「最後の雨」など、久しぶりに色々聞いて、あの頃のラブソングの切なさの正体は執着なのだと思う。結構過剰。今だったら受け止められず面倒くさい、ヤバい人扱いされるこれが良かったのは時代のせいだろうか。時代はバブルで全体としては軽薄な感じが流行りだった。アッシー君とかメッシー君という言葉もあった時代にバラートとしてはこの曲や久保田利伸の「Missing」や徳永英明の「レイニーブルー」とかが流行ったことは人の心の、どこか整合性を保つ行為だったのかな、と思う。その頃、狭い視野でそれが当たり前として世の中を眺めていた小娘として、今過ぎた時間を見渡してそう思う。
塾から帰ってきた息子1のピアノ。ピアノは息抜きらしい。
Butter(BTS)
裸の心(あいみょん)
怪物(YOASOBI)
ドッグソング(トビー・フォックス。ゲーム「undertale」より)
よくも色々弾く。しかしいつ仕入れているのか。中学生の時間どうなってるの。私も学生時代、大概だった。大概にせーよ、の大概。読みもの書きものと音楽しか考えてなかった。周りの大人からひどい言われようだったの、今よくわかるわ。見てると不安になるもの。
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