短歌「読んで」みた 2021/07/18 No.9
魔女ならばまだまだ若い
白菜のスープをぐつぐつ煮こむ真夜中
林あまり 『ベッドサイド』(新潮文庫 2000年)
何かを煮込む時。大きな鍋で、煮込み時間が長ければ長いほど、いろいろと考える。そして連想。大鍋を煮込む光景で思い出されるのが童話のあの光景だ。深夜の森の崩れかけたおどろおどろしい小屋の中。かまどには湯気を上げる大鍋。その前には蓬髪の魔女がいて、得体のしれないものを入れては混ぜるしわしわの手と鋭い爪。なかなかステレオタイプの連想ではあるが、それであるゆえ、無理のな