ラベルの言葉

大学2年の夏から2歳上の彼と交際している。
私たちは2022年の4月から遠距離恋愛を開始した。
遠距離恋愛が終了するまであと一年。
嬉しく、よく頑張ってきたなと思う反面、
彼と一緒になることが現実味を帯びてきて不意に不安になる。

2人の目標は家族で牧場を経営すること。
将来のために必要なキャリア形成、家族形成、
その他様々な選択肢の分岐点に立たされていることを、実感する。
正しい判断なのかわからなくなるときもある。
私の不安を掻き立て、傷つけるトリガーは「女」というラベルだった。
「女の子が一人で酪農するのは難しいよ。」
「お嫁に行けばいいじゃん。」
判断基準は性別だけ。
自分が女であることがこんなに憎かったことはない。
誰かにあなたの長所と欠点を教えてください。と言われたら
「私の長所は女であるということです。
そして私の欠点が私が女であるということです。」
と答えるであろう。
それくらい、女であることに疑問を持ち、
女であることで向けられる社会や世間からの目に苦しんでいる。

農業、田舎に蔓延るひと昔の考え方にあきれていた時、彼に出会った。
彼も私と同じ新規就農を目指していて、
夫婦で経営するというビジョンも同じだった。
彼は出会ったときから私を人として見てくれた。
何も押し付けてこない彼の緩さに惹かれた。

彼から言われて嬉しかった言葉がある。
彼に一人でも生きていける?と問いかけたら
「一人でも生きてはいけるけど、つまんないよね」と言われた。
急にどうしたの?と笑っていた。
いつだって言葉足らずで、
分かりやすい愛を口にすることはない。
だからこそ
言葉には彼の真意が含まれて、盛り込まれているように感じる。

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