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フランスには存在する一流のカードコレクター

フランスの累積について。

フランスでは1シーズン中に4つの大会が開催されています。(来シーズンから1つ減りますが)

フランスプロサッカー機構、通称LFP主催の
リーグ戦、リーグアン(Ligue un)
カップ戦、リーグ杯(Coupe de la Ligue)
スーパーカップ戦、トロフェデションピオン(Trophée des Champions)
フランスサッカー連盟、通称FFF主催の
カップ戦、フランス杯(Coupe de France)

フランスの累積の仕組みは、これら4つの大会全てが連動しています。

直近の10試合の内、異なる3試合で3枚のイエローカードを受けると、規律委員会で議題に上がり、その会議後の最初の試合で出場停止になる。

というのが規則なのですが、この書き方だと何が言いたいのかさっぱり分からないので、言い換えると
イエローカードは積み重なっていくものだが、時効が存在する。
リーグ戦だとかカップ戦だとか関係無しに、直近の10試合中、3試合で1枚ずつの計3枚受ければ自動的に出場停止になるが、それが限らずしも直後の試合だとは限らず、2、3試合もしくはそれ以上後になることもある。

↓これは2018-2019シーズンのPSG選手が受けたイエローカードの枚数、レッドカードの枚数と出場停止になった回数を表した画像です。

画像1

(ネイマールの出場停止の欄が「2+4」となっているのは、2回はシーズン中に消化、残りの4回は翌シーズンに持ち越しという意味です。)
例えばドラクスラーはイエローカードを8枚受けたのに出場停止になった回数は0。これがイエローの時効システムを上手く活用出来ている例です。

累積の仕組みを具体的に見る為、ネイマールを例に少し掘り下げます。
上に書いた、ネイマールの持ち越しになっていた4回に渡る出場停止、このきっかけとなった事件を覚えている方は多いと思います。

そう、フランス杯の決勝の後のメダル授与の際に観客と一悶着した事件です。
結局この後で罰が重過ぎるとPSGが上訴しましたが。

この罰が上訴に至った程PSGにとって痛手だった理由は、最初に書いた「フランスの累計の仕組みは、国内位の4つの大会全てが連動している」という部分です。
シーズンの一番初めに行われる試合、それは異国の地で行われるスーパー杯。
今シーズンのスーパー杯の開催地は中国の深センでした。
アジア、特に中国への市場を拡大しようとしているPSGにとって、サマーツアーを中国で行ったのは重要なこと。それは2年連続中国でしているところからも分かると思います。
そして、やはりPSGが中国向けに大きな目玉の一つとしているのは言うまでもなくネイマール。
だからこそ、PSGとしてはこの試合でネイマールが出場できないというのはなんとしてでも回避したかった。
結局は負傷でプレーしませんでしたが。。

次に「一流のカードコレクター」について、ヴェラッティを例に見てみましょう。

画像2

断トツにイエローカードが多いですが、レッドは1枚もない。
ただレッドを貰わないだけではなく、1試合の中でイエローを1枚は貰おうと、決して2枚目はもらわないということが数字に表れています。
でもそれだけではこのコラムのタイトルにある「一流のカードコレクター」ではなく、今のヴェラッティはただの少し優れた(?)カードコレクター。
これがもしも今後、1試合の中で2枚目はもらわないということに加えて、今自分が貯めているカードの枚数と、そのカードの威力が失効する時を意識できるようになれば、それは一流のカードコレクターにと化する時。
果たしてヴェラッティが称号の位を一つ上げられる時は来るのでしょうか?

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