脱力感
小説の結末にどんでん返しがあったとき感じる感情は3種類あります。
①やられた!
②それありなの?
③脱力。。。
①は伏線がたくさんあるなかで気がつけなかったときです。
②は突然でてきた後出しの事実で腑に落ちないときです。
③は今回『何様ですか?』を読んで感じた、新しい感覚でした。
(以下ネタバレ含みます。)
よんだ後のなんとも言えない、ザラッとした感覚が残ります。
女子高生が大量殺人をくわだてる話です。
しかし、この"どんでん返し"広告によって
常に”ゆーて成功はしないんでしょう”と疑りながら読み進めていました。
その結末には、抽象化してみるとよくある形式です。
"立場の逆転"でした。
思い通りに周囲を動かしていたつもりの女の子。
しかし、最後、蓋をあけると逆の立場。
駒とおもっていた人たちにしてやられるのです。
脱力感を感じた点は3つ。
①悪意が壮大な割に、結末で起きたことは、高校生でも手が届くレベルの悪であること。
もっとやれるんじゃないの、と歯がゆくなります。殺人を物語に期待していたからです。
②関係ない情報が物語に多かった。
これは解説にかかれていました。確かに。
関係のない情報がありすぎて、読み終わって脱力しました。
③逆転の悪に感情移入できていない。
主要人物のわりに感情をのせられない人が最後に主役だった。
これだけ書くと不評をいっているようですが、
めちゃ面白い小説でした。
エネルギー量が凄いです。それでいて1つ1つの文書は読みやすい。
もっと彼女たちのことを知りたくなる小説です。
読んでいて強い感情を持てます。
なんで?何が面白いの?この結末じゃなきゃだめなの?あいつはなんでこうなったの?
読んだ後にたくさん考えるくらいには素敵な本でした。
本の解説がさらに面白いです。
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