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響けユーフォニアムやってくれたな【ネタバレ有】3期12話

私は3期12話の改変賛成派


私は衝撃を受けた。トラウマ級の一話を見せられた。

放送された25分を受け止めきれないし、この感情をどう対処したらいいか分からない。

賛否両論あることは理解している。私も原作勢だし理解に苦しんだ。

でも考えれば考えるだけ、この改変は正しかったのだと思えた。

一日仕事をほったらかして、久美子のことだけを考えた。
ごちゃごちゃの感情を整理し終えた頃には、すでに定時を過ぎていた。

今回は、私の考える3期12話を書きたいと思う。

普段はアニメ単体で感想を書くことはないんですがね。特別です。

久美子が特別になった世界線


今回の改変を経て、久美子は特別になれたと思っている。

原作では久美子がソロを勝ち取ったことで大団円を迎えた。
でも、その勝利の先に「特別」があるのかを考えると疑問が残る。

久美子が憧れた特別は、麗奈の演奏の上手さだろうか。

久美子が持つ憧れの本質は、
特別を目指す麗奈の姿勢、自分を貫く姿勢だと思う。

久美子が目指す特別を体現した集大成。それが3期12話の展開と言える。

勝ち負けでも、上手い下手でもない、その先の特別を手にした瞬間だ。

じゃあ久美子が得た特別ってなんだろう。

私は、己を貫く強さだと思った。それこそ麗奈に並ぶだけの特別な強さ。
原作通りにソロを吹けば、久美子は麗奈の陰に隠れたまま物語を終えることになる。麗奈は目標のままで、追いつくことはできなかった。だって、麗奈は音大に進むんですから。音楽の道で生きていく。前回の時点で音大を諦めた久美子は、もう叶わない。久美子は自分でも分かっていましたけどね。

ステージに立ち、全員の前で敗北を喫した久美子。そんな久美子が己の正しさを貫いた行動に、心を打たれた人は多いんじゃないだろうか。
一年の頃の久美子からは考えられない成長だ。

11話までの久美子が言っていた正しさは、自分の意志だけじゃなかった。先輩・麗奈から引き継がれた意志であり、「北宇治は実力主義でなければならない」という強迫観念に駆られていたと思う。部長としての意見が先行している場面が印象的に描かれていた。

でも、12話のあの瞬間は違う。
部長を貫いたのではなく、己の理想を貫いた瞬間だ。あの瞬間は、麗奈以上の特別な存在だったと思う。麗奈以上に頑固でわがままな黄前久美子がいた。実際、麗奈や真由ちゃんよりも前に出て話していたのがそれを物語っている。横に並ぶ以上のことをやってのけたのだと思った。

特別を目指す麗奈に並ぶためには、今回の展開しかなかった。

演奏じゃなく人として。久美子は、かけがえのない特別を手に入れた。今はまだ受け入れられないかもしれない。誇りに思えないかもしれない。悔しさが先行して何も考えられないかもしれない。
でも、その選択肢は間違っていない。

「この気持ちも誇りにしたい」

久美子がそう言った瞬間、涙がこぼれた。強くなったよ久美子は。
もう完全に親目線。世界で一番美しい青春の傷だ。

大人になった今だからそう思う。

久美子に託した製作陣


物語を180度変える責任を背負った久美子さん。

その責任を遂行した久美子さん。

「久美子ならやってくれる」と踏んだ製作陣。

久美子に響けユーフォニアムの全てを託した1話だったと思う。

久美子がこんなにもがき苦しんで特別を目指しているのだから、作っている側が影響を受けないわけがない。製作陣の覚悟が伝わる話だった。

ただの良いアニメじゃ終わらせない。特別なアニメにしてやる。そういう覚悟で作ってくれたのだと思う。受け入れられない人はいると思うけども…。

それにしても全てを背負い過ぎだとは思いましたけどね(笑)

久美子カッコイイ!!、ガチ尊敬。

終わりに~このままじゃ死人出ますよ~


3期12話を経て

「これ見て死んじゃう人いるんじゃないか」

私は率直にそう思った。

私が、響けユーフォニアムに出会ったのは4年前。その頃に3期を見ていたら確実に自殺していたと思う。ちょうど高校卒業して、部活と勉強から解放されたものの、自分のアイデンティティを見失って塞ぎこんでいた時期だ。そんな時に響けユーフォニアムに出会って、活力を貰った。もう埋まることはないと思っていたパズルのピースを見つけてくれた作品だ。

響けユーフォニアムが、あの頃の自分の一番の支えだった。

悔しさをばねに立ち向かう久美子に惚れていた。
秀一との甘酸っぱい青春に悶えていた。
足りなかった全てを響けユーフォニアムで補う生活だった。

あの時期に、3期12話を見せられたら絶望して自殺してた。
久美子が受けた傷を、傷としてしか理解できなかったと思う。

これから響けユーフォニアムを見る学生は気を付けてほしい。
部活と勉強に真っすぐに取り組む生徒には、あまりおすすめできない。

青春をすべて終え、後悔に悩み、全てを生産し終えて前に歩き出した時、
答え合わせとして見るべき参考書のようなアニメになった。

ほんとに特別なアニメになっちまったよ。
生命の危機を感じるほどのトラウマだ。


この衝撃は数年ぶりだった。

数年に一度そういう話が舞い降りる。私の中でそれに該当する1話は、いくつかあるものの、今回の響けユーフォニアム3期12話が、人生で一番の話だったと思う。

私のアニメランキングに変動が起きるとは…。

始めに話しましたけど、私も響けユーフォニアム原作勢。

久美子が勝つと思って見ていたから油断してた。

「アニメ勢、今が我慢時だ…」

なんて言って、高みの見物してた自分が恥ずかしい。

久美子。あなたを一生尊敬して生きようと思う。どんだけ年が離れようとも、君を敬愛し続ける。最高のアニメをありがとう京都アニメーション。
そして武田先生。


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