眠れない人(ショートストーリー)
あれは、1年前の32歳になったばかりの夏だった。
俺は不眠症になってしまった。
総合病院の内科行ってが、どこも悪い所は無く睡眠薬はもらえなかった 。
朝は会社に行かなくては行けない 会社にいる間も眠くてしょうがない。
夜は眠れて3時間しか眠れない。
このままでは、病気になるか倒れるか だと思ったが、
もう、それも良い そんな風に思ってしまう程もう限界だ。
会社では、覇気の無い私に皆あきれ顔だ。
「返事もしてくれない、挨拶を返されなかった」
そう言われても、ぼんやり
していて気づいて無いのだからしょうがいない。
このままでは、会社をリストラされるかもしれない。 誰かが、自分の悪口
を言っていても気にならない 体が疲れていて、ささいな事はどうでもよく
ってしまっている。
かと思えばずっといらいらして、辞めさすなら、とっとと
しろ などという気持ちになる。 休みの日も、会社に行く時間に目が覚める
それっきり眠れない が、昼間眠ってしまうと、夜は一睡も出来ないので そ
れは出来ない 。
3時間睡眠で毎日頑張っている 倒れるなら倒れて良いそんな気持ちになってしまう。
そんな俺は友人の勧めでもう一度、睡眠薬を今度は心療内科にもら
いに行った。
今度は、睡眠薬を出してもらえた。 前は内科に行ったのがいけ
なかった様だ。
1年ぶりに8時間眠れた 気分は最高、心も体も最高だった。
俺は手元の睡眠薬の錠剤をじっと見つめ願った。
どうかこのままいさせておくれ。
終り
読んでいただいてありがとうございました。