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宮﨑あおいさん!!

「春、好き?」
「…ッス」
「お花見は?」
「…ッス。…ッス、ス、好きです!!好きでした!!花見も好きだけど、宮﨑あおいさんのことが!!大好きで好きでアーーーッッッ!!!ガンガンガンガン!!!ガリガリガリ!!!!」(胸の奥底に秘めていた宮﨑あおいへの恋心が解き放たれて気が触れた結果、池袋駅の山手線ホームから線路へ飛び降り、頭をレールに何度も打ちつけたあと、枕木に一心不乱に齧りつく)


僕たちは、一等大切な感情を忘れていた。宮﨑あおいが人の妻となり、表舞台から遠ざかって幾星霜。その期間僕たちは何かを誤魔化すようにずっと地下アイドルのお尻ばかりを追いかけていたけれど、本当は彼女のことが好きで好きでたまらなかった──

宮﨑あおいのためなら何だってできる。純情きらりを観て、アフラックのCMを観て、当時日本人男性のおよそ15割はそう固く心に誓ったものだった。今だって彼女がそう宣うのであれば僕は人殺しを厭わないし、改憲だって原発再稼働だって構いやしないのだ。

かの水原一平にしろ、事の顛末はきっとこんな具合だったんだろうと容易に想像がふくらむ。

「スポーツ賭博、好き?」
「好き!!!!!」


そりゃ7億大谷さんの口座から盗むっしょ。宮﨑あおいに言われたんだもん。俺も週末の大阪杯、宮﨑あおいのためにローシャムパーク単勝に給料全額賭けます。

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