寝る

U-NEXTにあるブエノスアイレスのドキュメンタリー『ブエノスアイレス 摂氏零度』を観ているのだが、本編と全く異なるストーリー?のようなものが流れている。ファイ(トニー・レオン)がウィン(レスリー・チャン)のパスポートをこっそり隠し持っていたことに気づいたウィンが怒って取り返しにくる場面でファイが放つセリフ。

ファイ「お前の名は?」「お前はファイ」「ウィンは俺だ」「パスポートを俺が持てる限り」「お前も忘れない」「俺の名を」「永遠に」

ここで王家衛の「何かが違う気がする」というナレーションが入り本の練り直しが何度も行われたという話に移る、のだけど。ボツになったこのシーンの流れ、台詞……。

名前を交換して永遠に記憶に残ることを願うって、めちゃくちゃCall Me By Your Nameじゃないか?名前を交換することで相手を忘れないように、というのは古典的な何かなのだろうか、無知でわからないのだが、どちらも好きな映画なのでちょっと驚いたという話。

他にもファイに片想いする女が出てきてウィンに嫉妬したり、そもそもファイが父親の元愛人を訪ねてブエノスアイレスに来たら相手が男だった、といった、完成版とはかなり違うプロットがどんどん飛び出てきてびっくりした。ドキュメンタリーの最初に、監督はクルーと白紙の紙とともに8月のアルゼンチンに到着したと語られていたが、ロケ地に入ってから脚本を考える監督もいるのだなと驚いた。

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