Love&Letter repackage
2022/7/18、Seventeenにとって2度目、私がCARATになってからは初めてのrepackageアルバム「Sector 17」がリリースされました。
本当はそちらについてのnoteを書きたいなと思ったけれど漠然と「書けない」と思ったので、今まで「書けない」と思っていたLove&Letter repackageについて書いてみようと思います。
…と思って書き始めてからさらに半年くらいかかってしまいましたが笑
Seventeenさんのアルバムはどれも凄まじく素晴らしいけれど、何と言ってもこのアルバムは初めて1位をとった「Pretty U」を擁しながらrepackageであの「Very nice」や「Simple」という傑作(怪作)を乗せてきたアルバムで、最も「清涼アイドル」を体現しながら同時に「清涼」の裏にある「混濁」をも開示しようとした心の動きも感じます。
ドギツいくらいに生々しく、それでいて澄んでいる…少し怖いですが、このアルバムを改めて辿るために、書いていきます。
※チーム別リアレンジ曲は割愛させていただきます🙇♂️
No F.U.N
デビューまでの日々を描いた17プロジェクトの中でチームA(ジョンハンさん、ホシくん、ウォヌさん)がパフォーマンスしたものが原型となっているNo F.U.N。
キングスマンをオマージュし、傘を用いたパフォーマンスが特徴的で、カッコいい。コンサートではステッキを使ったりもしています。
浮気症なパートナーに愛想を尽かして「面白くない」と吐き捨てる歌。
率直かつ個人的な感想を言えば、Seventeenの中でも異色な曲だと思います。原曲がデビュー前かつ「Seventeen」としてではなく「チームA」のパフォーマンス曲として制作されているものなので当然と言えば当然なのですが、Shining Diamondでは「今輝く約束を君の手にはめてあげる」と、Adore Uでは「だから僕は君の全てを知りたい 君を歌うよ」「大切にする」と歌う人たちの曲としては意外性があるのではないでしょうか。
敢えて訳すのも憚られるような、2人だけの喧嘩という感じの威圧感がある表現も含まれており、「歌詞」が好きかと言われれば…少し口ごもってしまいます。
でも「NO F.U.N」が好きかと聞かれれば、迷わずハイと答えます。あの歌詞だからこその気怠さ、曲のスタイリッシュさ、そしてなによりパフォーマンスのかっこよさ。
自主制作アイドルとしての源流近く、圧倒的個性としての「手作り感」がもうたまらないです。そして手作り感とは言っても本当にカッコよくて、メンバーの入れ替わりやフォーメーションの工夫など、ああ、これがSeventeenだ…涙となります。
そしてこの先のSeventeenはこういう「浮気性のパートナーに愛想を尽かして見下したような男性」というジャンル(敢えてこういう言い方をしますが)を選択することはきっとなくて、“今”の彼らが選びとってきた選択が大好きで救われているからこそ、
まだどこにだって走ることができた胚の状態の彼らが、手を伸ばせるものなんでもやって道を切り拓いてきた軌跡の一つがこの曲であると感じられて、目頭が熱くなります。
아주 Nice
Never ending …と呼ばれるほどアンコール曲の代名詞となっている아주Nice。実は私が最初に見たチッケムがソクさんの아주Niceで、このとにかくハッピーな曲調にパワー系のダンス、ソクさんの表情管理の色気に撃ち抜かれて狂ったように見続けていた記憶があります。
とてもとても、大好きな歌詞です。
個人的な感覚ですが韓国語の「날씨」は日本語の「天気」よりも少し範囲が広い気がします。気候、日和、空気の温度や匂い…そんな感じ。
そんな自分を取り巻く全てが「君によく似ている」と、「君」を「素晴らしいもの」で喩えるのではなく、「素晴らしい」ということを「君」で喩えていて、そんな「君」へ向かうときには見慣れた道にも花が散りばめられる…
最初に聞いた時は、こんなに浮かれてしまうくらい誰かを好きになれるって素敵だな、と思っていたのですが、私自身がSeventeenのコンサートに行く途中、何度このフレーズを口ずさんだか分かりません。
本当に、私を取り巻く全てがSeventeenに染まっていて、Seventeenの匂いや温度で、なんの変哲もない街並みが全て花道のようでした。
こんな気持ちが自分の中に生まれるなんて夢みたいで、でもそれはやっぱりSeventeenの歌を何度も聞くことで種が蒔かれ、それが然るべきタイミングで花開いたということなんだろうと感じました。
私は本当にSeventeenの歌が大好きで、美しくて、人としてこう在ることができたならと望むのですが、きっとこの先もこんな風に私の中でSeventeenの歌が花開くことがたくさんあるのだろうと思うとただただ有難いと思います。
次の約束があるだけでもありがたいのに、コンサートでは待ちきれなくてすぐにステージ袖から飛び出してきて、終わらないアジュナイスに巻き込んでくれるSeventeen。
「もう終わりですね」「寂しいですね」という言葉だけじゃなく、こんなに終わりたくない!こんなに寂しい!こんなにすぐに会いたい!と、コンサート終盤の疲れ切ってるはずの身体の全部を使って表現してくれる姿に、私には一体何をお返しできるのだろうと半ば申し訳なさを抱えながらも、「ああ、CARATは宇宙一幸せなファンだなあ」と思わずにはいられないのです。
Healing
Healingには何度も何度も助けてもらいました。
何度も大切なことを思い出させてもらいました。
ただ、初めて歌詞を読んだ時、その救いの力の根底にあるしんどさの自己開示がとても痛いと感じたのを覚えています。
この歌詞の意味はとてもよくわかります。
こんなに自分を追い込まなきゃいけなかったかな、
こんなに人の顔色を伺う必要あったかな…と。
でも、比べるものじゃないと言われるかもしれないけれど、どう考えたって彼らの方が忙しいし、どう考えたって彼らの方が人の目に晒されるじゃないですか。
君の気持ちがわかるよ、日々苦しいよねと
背中をさすってくれる大切な人達の方が私より遥かに傷だらけなように思えてしまって、私ばかりが慰めてもらっていいのかと困惑します。
でも他でもない彼らの口から発される「Don’t stop this healing」だからこそ、私もそこに飛び込もうと思えます。
この時間は全部私のもので、それは休んでいる時間だけではなく働いている時間も同じで、そんな単純明快なことほど忙しさの中で忘れてしまうから、いつどこに行ってもちゃんと思い出せるように歌ってくれたんだな…と。
励ますだけじゃなく合流してくれるようなところが、本当にどこまでも優しい人達だなあと思います。
いつも正しさだけで進めないこちらの不安を先回りして、顔を覗き込んで、手を引いて、全部一緒に解決しようとしてくれる。
私にお返しできるものはないけれど、せめて彼らの手を握って、放さないでいたいと思うのです。
Simple
悩みの形は刻々と変化しますが、2021年の私には自分のキャパシティ以上のものが流れ込んでくる日々を全部終わらせたいと考えていた時期がありました。
その時にたまたまシャッフル再生でこの曲が耳と心に流れ込んでくれたことで「そうか、私はただSimpleでありたかったのか」と納得できて、私の心の受け皿になってくれたのです。
それ以来Simpleを命の恩人のように握りしめながら歩いてきましたが、この曲がリパッケージアルバムの一曲であるということを思うと、一層重みが増すように思えます。
リパッケージでソロ曲が追加されるというのは誰も予想できなかったと思いますが、それだけこのアルバムにはSimpleが必要で、またSimpleはこのアルバムだからこそ出せたのではないでしょうか。
デビューをして、
Pretty Uで初めての一位をとって、
涙ながらに喜び合い、
17プロジェクトで自身が作詞作曲を担うことについて「自分を含めた13人の行く道が決まる気がして、本当に辛かったんです。」「全て僕の過ちのようで」と言った日のウジさんの思いも少しずつ報われ始めたように見えたけれど、
私たちの生きている世界は1の苦しみを1の喜びでフラットにできるような単純明快なものではないのだと改めて思い知ります。
もちろんSimpleがいつどんな状況で作られたか、なぜ作られたかなんて私にはわからないけれど、
どうしてもこの歌がコンセプトで作成されたものではなく「Seventeenのウジ」が打ち明けてくれた話に聞こえてならないのです。
ウジさんの夜は明けたのでしょうか。
ベストプロデューサー賞を受けるまでになったあなたが間違ってるだなんて、もう誰も言わないだろうけれど、きっとそういうことじゃないんだろうなあ…
ただあなたが夜の道に立ち尽くして作ったこの歌のおかげで、私は今笑えているのだと伝えたいです。
Space (끝이 안보여)
大好きで大切な人たちには、辛い思いをしてほしくない…だからこそこの歌は苦しくて聞けない時が多いです。
深読みしすぎならそれでいい。
でもこの「苦しみ」の先に咲いた花を綺麗だと愛でているのは、他でもない私じゃないですか…
そう感じさせることが目的だったかは分からないけれど、少なくともそう感じさせるであろうことくらいは想像できる彼らだと思います。
私の視線が、声援が…彼らの求めるものであったとしても、完全に無害なものもは思えないのです。
けれど(業の深いことに)、この歌にしか癒されない痛みがあったのも事実です。
落ちていくなかで微かな光に手を伸ばすのが精一杯なとき、無理に引き上げずにそこにいてくれること。
私はあなたのいる環境を変えられないし
あなたは私のいる環境を変えられないけれど
ただ、そこにいてくれること。
そこで、ここにいると歌ってくれること。
結果論ではなくて、サビの歌詞にあるように「僕が光になれると感じ」ながら、そう在ることを切望し、信じながら必死で痛みを昇華してきたであろう彼らの夜を想うと、どんなにちっぽけだろうとその名前を呼び続けたい衝動に駆られます。
Chuck
バキバキのダンス曲。
特にSVTの軍服モチーフの衣装でパフォーマンスする姿が本当にカッコよくて、痺れます。
7年前、まだ無冠だった彼らが「俺たちがトップだ」と言い放つのにどれだけの覚悟が必要だったかは分からないけれど、「有言実行」は言わないと始まらないから、私はビッグマウスで煽り散らすSeventeenが大好きです。
俺に賭けてみなよ、大物だからさ
…と言う彼らが初動歴代一位を取ってみせた。
結果も数字も後からついてきたものだけど、本当に大物だというしかない結果を出していること…
あまりにも主人公だと思います。
あと個人的にここのEm〜!を吼えるホシくんが好きです。
「열 손가락 깨물어 안 아픈 손가락 없다(10本の指を噛んで痛くない指はない)」というのは、親にとって子供は、みんな尊く大事であると言う意味の諺だそうです。
親子に限らず大切な存在はたくさんいるかもしれないけれど、その中の特別は僕に残しておいて…と歌うソクさんのカッコ良さの中に色気があってもう敵わないなあと思います。
Diamond edgeコンサートのDVDの中で「Seventeenにとって CARATとは?」という質問にホシくんが「10本の指」と答えていて、最初は全く意味が分からなかったけれど、どれだけCARATの人数が増えようと我が子のように、そして我が身の一部のように大切に愛おしく思ってくれているということなんだ…と、今回このnoteを書きながらようやく気付くことができました。
Pretty U (예쁘다)
人を好きになるということがどれだけ素晴らしいことか、そのキラキラをぎゅっと閉じ込めたようなこの曲を初めて聞いた時、眩しくてぽろぽろ泣いてしまいました。そしてハングルすらわからなかった私が、初めて自力で翻訳した思い出の曲です。何から手をつけていいか分からなくて紙辞書買ったなあ…
「夜明けに水を飲みながら決心した」という表現が正に詩で、何か心の中につっかえてるものがあって夜明けに目が覚めてしまうというリアルな身体の変化とか、喉が渇いてしまうくらい緊張してるんだなとか…そういう情景をこの一文で想起させる力が凄まじいです。
きっとどう伝えたらいいかとぐるぐる考えて、決まりかけては覚悟が緩み、また決まりかけては…を繰り返してとうとう伝えると決心した言葉が「好き」でも「愛してる」でもなく「君は綺麗だ」って…
曲調と振付のprettyさが一層この切実さを引き立てます。
私に取ってはこの曲こそが、そしてSeventeenこそが「君」で、あの日から素敵な日ばかりもらっているなあと思います。
何度Seventeenへこの感情を抱いたことか…
この世界の綺麗なもの全部集めて渡したいのに
この世界の何よりも君が綺麗だから敵わない…
難しい言葉を使わず、難解な表現を用いず
まっすぐまっすぐ「君」に届けようという想いが感じられるこの歌。
制作にあたっては数々の困難があったようですが、何年経っても擦り減らない魅力があります。
そしてラブソング!という雰囲気を纏ったこの曲ですが、MVにはメンバーしか出てきません。
街中でイタズラ心満載に「Seventeen」で染め上げようと奔走する彼らの姿が映されていて、「歌の中の世界観」というよりは「新人アイドル“Seventeen”がこの歌に乗せた願い」というメタ的な表現をしているように感じます。
街にSeventeenステッカーを貼りまくるこの歌で実際に初めての一位を獲って名実共に“Seventeen”を世に知らしめたのだと思うと、何度でも涙が溢れてしまいます。
Still Lonely (이놈의 인기)
96ズ(ジュンピ、ホシくん、ウォヌさん、ウジさん)とソクさんバーノンちゃんディノちゃんの7人というとてもとてもレアなユニット。
少し脱力感はあるものの振付やテンポがどことなくチャーミングに感じるこの歌。
最初に歌詞を読んだとき、衝撃でした。
「こいつ」というのは誰のことだろうか…
あまり考えすぎてはいけない、重ねすぎてはいけない…と思いながらも、じゃあ、そうじゃないなら逆に誰なのか…と思ってしまいます。
Seventeenの曲で「共感できるなあ」と思うとき、それが嬉しいときと、それが哀しいときがある。
そしてこの歌は間違いなく後者です。
このRepackageアルバムは、個人的に後者の曲がとても多いんですよね…
恵まれているはずなのに、この手にはいろいろなものを持っているはずなのに、うまく息ができない…
確かにそう思うときはあるし、きっと誰しもそんな瞬間がある。それは特別なことではないでしょう。
でもあなた達の口からその言葉が出てくるのか…と。
アイドルとして歩く道は花道ばかりではないと思います。けれどそれは、そこに至るまでの試練だったり、有名になればアンチがつくことだったり、いわゆるマイナスの要素によるものだと思っている自分がいました。
けれどここで歌われているのはマイナスな要因による悩みではなくて、望んでいた場所に一歩一歩近づいているはずなのに空虚な気持ちになるという内容で、なんだか胸の奥に冷たい風が吹き抜けるように感じてしまうのです。
でもあなた達が感じるもの、何一つ間違いじゃない、何一つ気のせいじゃないし、何一つおかしなことじゃない…確かにそこにあったものだから歌になったはずで…
だからこの胸の奥の冷たさも一緒に抱きしめていたいと思います。
Hit Song(유행가)
「歌の中の主人公の気持ち」ではなくストレートに「歌の作り手の気持ち」が歌われている、ある意味でメタ的な歌というか、手紙のような歌だなと思います。
歌を作る人たちが「君のために作った歌だ」と言いながら同時に「これは絶対に流行歌にならなきゃいけない」と言う。
「流行歌」と言うと多くの人に聞かれる歌になってほしいようだけれど、きっとこの歌で「絶対に流行歌にならなきゃ」と歌うのはそれだけじゃなくて、日常生活の至る所で流れるくらいヒットすれば、たったひとりの君に届くはず…ということなんだろうなと思います。
バラードでしっとり歌い上げるかと思いきや、ヒリヒリするほど熱い歌だなと思います。
「流行歌」だけれど不特定多数、大衆のための歌じゃなく、全ては君のための歌。
こんなに直接的に「流行歌にならなきゃ」と歌うことは今後もうないだろうけれど、それでも実際にヒットソングを連発するようになった今でも、Seventeenの歌の底流にはこの祈りのような歌の遺伝子が織り込まれているように感じます。
Say yes
ソクさん、スングァンちゃんのメインボーカル2人によるデュエット。
星降る夜のような美しさと、広い草原にひとりきりのような寂しさが同時に押し寄せる。
薄氷のような思い出を抱いている「僕」。
個人的にこの歌詞が本当に胸に刺さって苦しくて…
僕の全ての光が遠くへ行ってしまったら、真っ暗じゃないですか。そして私にも「私の全ての光になってくれた」存在がいて、それは他でもないSeventeenで…
相手がSeventeenじゃなくても、自分の全ての光になってくれたという表現が率直に出てくるような相手がいるというのは人として生きていくうえで本当に本当に幸せなことだと思います。
だからこそ、その相手を思い浮かべながら「Say yes」と歌うことの切なさが際立ち、心が引っ掻かれるように痛むのです。
息を止めながら聴きたくなってしまうような美しく哀しい歌ですが、相互に作用して天に昇っていくようなメボ2人の歌唱も夢のようで…いつかまたデュエットをアルバム収録してくれたら…なんて思ってしまいます。(見たいユニットはたくさんあるのですが)
떠내려가
95ズ(スンチョルさん、ジョンハンさん、ジョシュアさん)、ハオちゃん、ミンギュ、スングァンちゃんの6人で、ユニットとしてはStill Lonely と対になる曲です。
とても細かいニュアンスの違いなのですが、Still Lonely もこの歌も「共感できることが哀しい」寄りなのですが、前者は少し背筋がスッと冷たくなるのに対し、この曲はあったかいというか…同じ温度、常温だなあと言う感じがするんです。
聞き流せるわけではないけれど、聞くことに構えなくていい。
胸がきゅうっとなる。
これが切なさかと改めて感じます。
忘れたくないことも忘れていく
忘れていいことも、忘れていく
でもそれ以上に多くのものが、忘れたことすら気づかないまま流れていく。
生きている以上どうしたって、
それが前向きだろうと後ろ向きだろうと、
時間と共に押し流されてしまうもの達がある…
私はそれがとてもとても恐ろしい。
痛みも後悔も未練も言い訳も忘れられたら幸せそうだけれど、いい気分だけが残れば幸せそうだけど、全くそれが幸せそうには聞こえなくて…
流れていくことへの諦めと
流れていく全てのものへの愛着とが
ただ何度も繰り返される「떠내려가(流れていく)」というフレーズのなかで表現されていて、
…こんな安直な結論にするのも悔しいけれど「良い」とか「悪い」とかそういう形容詞をつけたくないような…とても、とても好きな歌です。
사랑쪽지 (Love Letter)
アルバムのタイトルにもなっている曲です。
甘酸っぱい!!!!!!!
これぞ清涼アイドルSeventeen!
清濁どちらからも目を逸らさない(逸らさない)人たちが、それでもこんなに澄み渡った綺麗な世界を歌おうとしてくれること…「それでも」って力強いなと思います。
今までなんとなくこそばゆくて、こんな澄み切ってシュワシュワした感情、私にもあったかなあなんて遠い目をしてしまう瞬間もあったけれど、ここまで通してアルバムを味わったからこそようやくこの手紙を受け取れた気がします。
「辛かった日々」の全てを知ることはできないけれど、今はその匂いがわかります。
そんな貴方がいつも君のそばにいると言ってくれるということは、まず貴方が貴方の人生を手放さずにいると覚悟してくれたということです。
それがどれだけのことか…自分が誰かのためにこの言葉を伝えようとするときどんな覚悟をする必要があるかを考えれば、少しだけわかる気がします。
사랑쪽지 (Love Letter)というタイトルなのに君が好きだとか、君を愛してるという言葉が一切出てこないんです。
けれど
「この道に立ち尽くす」
「終わりが見えない」
「心にぽっかり穴が空いたよう」
「ただ流れていく」
という日々を生きてきた人が
「君を置いて逃げたりしない」
と歌うこと…これ以上のLove Letterはないんじゃないだろうかと思います。
あなたの歩いてきた道を
壮大でした…壮大で、痛かった…
全方向手足が千切れてしまうくらいのフルスイングという感じで、もちろん当時のSeventeenにFMLは作れない(作らない)だろうけれど、今のSeventeenにもこのアルバムは作れない(作らない)だろうなと思います。
きゅんとして、酸っぱくて、痛くて、必死で、眩しくて、なのに急に哀しいくらい視界が開けてしまう瞬間もあって、でも走るしか術を知らなくて、あちこちぶつけて、擦り剥いて、なんでこんなって思うのに、その時の煌めきは他の方法では手に入れられないのだということは後にならないと気付けない。
…そんなアルバムなのに、その煌めきをちゃんとぎゅっとアルバムとして形に残せているところが、Seventeenの底知れない恐ろしさだと思います。
筆が遅い&このアルバムが私のキャパシティを遥かに上回っていたために、気がつけば年を越し、8周年の日に公開することとなりました。
私は5周年の少し後に彼らに出逢い、初めてお祝いしたのは6周年でした。
私にとってこのアルバムはいわば後追いするしかない「歴史」です。
デビューからひたすら誠実に一歩一歩を踏み締めてきた彼ら自身、そしてリアルタイムでそれを共にしてきたCARATさんたちの日々を心から尊重すると共に、私が出逢うまでの日々も「歴史」といえどただの情報ではなく、そこに私自身の思い出はなくとも、物語の継承を受けているという実感があります。
この道の現在地から手繰り寄せたLove&Letterが好きです。
私が出逢う前に生まれた全ての曲に対してそう思うし、もちろん生まれる瞬間に立ち会えた全ての曲も大好きです。
もっと早く出逢いたかったけれど、
彼らと出逢ってからの日々が幸せすぎて、
それまでの私の人生で組み立ててきた歯車が綺麗に噛み合ったような気がして、後悔はひとつもないです。
Seventeen、出逢ってくれて有難うございます。
形を変えながら、歩き続けながら
「Seventeen」で在り続けてくれて有難うございます。
その存在をこの世界の中に守り続けてくれて有難うございます。
この先もあなた達の手を握っていたいし、
あなた達の手を握っていることを忘れずにいたいと思います。
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