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山古志アート、制作中。

 こんにちは。Aotakanaと申します。
これまで私は、風景+人物のイラストを制作し、それらをインスタなどへ投稿したり、国内外のイベントで展示したりしてきました。

 一方、今年は、SNS投稿や展示会への参加のほかに、新しいことに挑戦したいと考えて色々試行錯誤してきました。
その中で生まれたもののひとつが、今回紹介する「山古志アート」です。

【1】山古志アートとは

題材にしたもの
左:山古志の田植えの時期に満開になる「ろーっぱ」(タニウツギ)の花と山々
右:山古志虫亀地区の「金倉の棚田」

 私は、最近新たに新潟県山古志地域を題材にした作品シリーズの制作を始めました。
 山古志独特の自然の美しさ•空気を表現し、見る人にそれぞれストーリーを想像してもらえるような絵作りをしています。
 作品の雰囲気作りの方法や方向性は他の風景作品と似ていますが、このシリーズ作品は、「山古志デジタル村民」の方々の協力を得て、現地の写真や動画•周辺地域についてのお話を元に描いています。
 そして、完成作品はさまざまな形で山古志地域へ寄付したり、NFTアート(後述)としてデジタル空間に展示•販売したりする予定です。

 ところで、上記で出した「山古志デジタル村民」というワードに関して、ご存知の方はいらっしゃるでしょうか。実は、私自身も「山古志デジタル村民」なのです。

【2】「山古志デジタル村民」と「NishikigoiNFT」


[1]電子住民票「NishikigoiNFT」

「山古志デジタル村民」は、「NishikigoiNFT」を保有している人のことです。

私が購入したNishikigoiNFT
https://opensea.io/assets/ethereum/0xf16a5b64f5a774c24218a83f6fb2c7700fb6469a/6161


 「NishikigoiNFT」(以下錦鯉NFT)は、「山古志住民会議」代表の方が中心となったチームが発行している、「NFTアート」です。※1

 「NFTアート」とは、ブロックチェーン技術を活用したデジタル証明書(トークン)である「NFT」の応用例の一つで、NFTにデジタルアートのデータの保存情報などを紐づけたものです。※2
 実体のある絵画作品とは異なり無体物であるため、「NFTアート」の保有によってアートそのものに対する「所有権」を主張することはできません。
 一方で、物理的な制約がないことからより手軽にコレクションできたり、NFTに紐づいたデータを元にNFT購入者としての特典をもらえたりするなどのメリットがあります。※3
 そのような「NFTアート」を、「電子住民票」として活用したものが錦鯉NFTです。

[2]山古志住民会議とNFTプロジェクト

 「山古志デジタル村民」を集めるプロジェクトは、山古志住民会議を中心に発足されました。もともとこの団体は、“中越地震からの復興や市町村合併を契機に、住民自らが地域のより良い将来像を考え、その実現に向けて行動するため”※4に発足され、18年間山古志地域(旧山古志村)を支えてきました。
 一方で、山古志地域の現在の人口は800人と、人口減少の問題は解決しませんでした。
 そこから、“山古志の人間だけではなく、外にいる共感者を仲間に加えて、共同体のように一緒に新しい山古志を作っていきたい”※5という思いを胸に、山古志住民会議代表の竹内さんを中心としたチームは、ブロックチェーンの技術に着目して新たなプロジェクトを始めました。それが、電子住民票となるNFTアートを発行して「山古志デジタル村民」を集める「NishikigoiNFT」プロジェクトです

[3]山古志デジタル村民のアクション

 「山古志デジタル村民」は、主にdiscordを「村会議」の場とし、様々なプロジェクトに関して議論し、行動に移しています。
 例えば、「仮想山古志村プロジェクト」は、VR空間上に山古志村を構築し、デジタル村民とリアルの山古志住民とを繋ぐ新しいコミュニティを作るプロジェクトです。直近では、プロジェクトチームがリアル山古志を訪れて、ワールドや3dモデルの素材となる写真の撮影や3Dスキャンを行い、その上でどのように仮想山古志村を作るかをdiscordやNeosVR(VRSNSのひとつ)で協議しています。※6

 また、デジタル村民になった後に初めて山古志を訪れ、山古志の素敵なところを共有している人がたくさんいます。元々山古志に住んでいる人たちも、山古志デジタル村民の「帰郷」を暖かく迎えてくださっているそうです。

【3】デジタル村民になってからこれまで


 私はもともと、山古志で生まれた「錦鯉」をモチーフにしたアートそのものと、デジタル村民の取組に興味を持って錦鯉NFTを買いました。
 そして実際にデジタル村民の活動に毎日目を通すようになって、私も何か貢献したいと考え、提案した企画が「山古志アート」です。
 これをなんとなく提案した時に、デジタル村民の皆さんはすぐ意見や提案をしてくださいました。前述の通り、作品の参考資料はデジタル村民の方々が現地で撮った写真や動画です。プロジェクトのために新たに動画を撮ってくださった方もいました。
 私がデジタル村民になってから、山古志アートの制作に着手するまで、わずか2週間でした。これほど、デジタル村民の方々は熱心になってくださいました。
 さらにありがたいことに、「NishikigoiNFT」公式Twitterにて、5月の取組として掲載されました。

 現時点では試行錯誤の途中で課題も色々とありますが、「山古志アート」プロジェクトを中心に、山古志デジタル村民の1人として山古志地域に貢献していきたいと思います。

【4】「山古志アート」展示情報と今後の予定

私が現時点で制作した2点の作品は、活動の宣伝として、大阪で開催される【NFT COLLECTION IN OSAKA】に展示されます。

展示情報
イベント名:【NFT COLLECTION IN OSAKA】
日程:2022年7月9日(土)〜7月10日(日)
会場:542-0081 大阪市中央区南船場4-7-21オーガニックビル201
オンライン会場:日本NFT美術館

 今後リアルの山古志や、その他ギャラリーで山古志の良さをアートを通じて発表する機会を増やしたいと考えています。
 また、【1】で述べたように、山古志アートの「NFTアート」(作品データを紐づけたトークン)の販売も予定しております。こちらに関しては改めて説明する記事を投稿いたします。ブロックチェーンの技術自体に課題が多いこともあり、多少時間を置く可能性がありますが、今後ともよろしくお願い致します。


参考文献

※1
山古志住民会議,“世界初。人口800人の限界集落が「NFT」を発行する理由”,2021年12月14日,https://note.com/yamakoshi1023/n/n1ae0039aa8a4#0c17cd8c-edd2-412c-8719-f3eb246f72bd ,(2022年6月18日)

※2
バーチャル美少女ねむ,“「NFTの所有≠アートの所有」今話題の"NFTアート"とは?”,2021年1月14日,https://note.com/nemchan_nel/n/n14485904820f ,(2022年6月18日)

※3
柿沼太一,“NFT取引の法的分析〜「NFT化」「NFTの保有」「NFTの売買」とは法的に何を意味しているのか〜”,STORIA法律事務所,2021年12月5日,https://storialaw.jp/blog/8344 ,(2022年6月18日)

※4
伊藤穰一,“第33回目のポッドキャスト配信:NFTで過疎地域を救え!山古志NFTプロジェクト”,JOI ITO 変革への道,2022年6月13日,https://joi.ito.com/jp/ ,(2022年6月18日)

※5
“NFTホルダーの「デジタル村民」に予算執行権も。人口800人の限界集落・山古志の挑戦”,SELECK,2022年5月18日,https://seleck.cc/1520 ,(2022年6月18日)

※6
“NishikigoiNFT-仮想山古志村プロジェクト”,https://vr-yamakoshi.notion.site/vr-yamakoshi/NishikigoiNFT-83768c1153d44e4c89d36770bb0d076a ,(2022年6月18日)

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