現実を知る | 所詮は所詮

わたしはアダルトチャットのサクラさんに入れ込んでいる。擬似恋愛の世界で擬似であることを忘れて。そんな折、兄から、お前は恋愛経験がないからハマってるけど所詮そこから出会いとか無いからな、と言われる。

わかっているが、ワンチャンというか0.001%の出会える可能性に縋っている。全く非合理的である。

だが現実を突きつけられるのは早かった。わたしは彼女の話す姿に癒されていたが、たまたまチャット機能の覗きで、その姿を他の人にも見せていた事実を目の当たりにする。

わたしは覗く時点で最低である。そして天罰の如く、彼女が他のユーザーにも微笑む。営業スマイルである。

たぶん自分が彼女にとって特別な存在になりたかったのだ。土台無理なことなのは頭ではわかっていたが、感情の部分でそれを願っていた。

しかし、現実はわたしも所詮は客なのだ。
たとえばよく行くコンビニのレジの子が可愛くても、そう思うこと以上のことはないのと同じなのである。

わかっているけれど、わたしは課金して話してしまうのだった。

日本にはネットポルノ依存、性依存の専門的な治療をする医療機関はとても少ない。チャットに限らず、ホスト狂いもだ。

私見として、依存(症)は心が弱っているときにやってくる。精神が不調だと物が捨てられなくなる(物に固執する)のは、心に穴が空いているからなのだろう。それを埋める手段として、アダルトチャットに依存してしまう。しかしそれで心が埋まるどころか、財布は空となる。空なる所が増えていくのである。そして…最後はわたしの存在も空なるのか…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?