写真集 Love me? への怪文書(ちょっと短め)

この写真集を見て最初に感じたことを誤解を恐れずに正直に言うと、「立派な作品だなぁ」という思いだった。そして……なぜか涙が出そうになった。
一体どれだけの苦労があったのか? おそらくイトウさんご自身は終始楽しく作業されたのは間違いないだろうが、これだけのクオリティーの作品を作るのに費やしたエネルギーは一体どれほどのものか。まさにイトウさんの純粋な生きる力そのものを見た気がした……

写真集の主役はもちろんイトウさんである。だがもう1人の主人公とも言えるのが、はれあめ( @arigato_thx )さんデザインのランジェリーだ。
このランジェリーは下着というよりもまさに立派なお衣装で、布地面積が少なめのドレスとさえ言える。そして何より秀逸なのは、同じカタチだけれどもリボンの色が違うだけで全く別の個性を持つ別のデザインに見せてしまうところだ。
愛らしくも饒舌なデザインのランジェリーはリボンの色からイメージする明確なパーソナリティーを定義し、各色ごとにイトウさんの表情やポージングを引き出している。
言ってしまえばこの写真集の衣装デザインは終始共通である。しかしながら被写体の多面的な魅力と世界観の広がりを、はれあめランジェリーというフォーマットの上に色鮮やかに展開した面白さがあるのだ。

写真集を魅力的にしているのは、なんと言ってもイトウさんご自身の表現力である。イトウさんのファンで有ればご存じだろうが、彼女は何人ものウマ娘を演じ分けるレイヤーさんであり、その数はスーパークリークを筆頭にウマ娘だけで10人以上(衣装違いもカウントすれば50種類以上!)だ。
ダイワスカーレットのように活発な娘やマンハッタンカフェのように大人しい娘もいる。元キャラに対する愛ゆえにメイクや表情、ポージングを徹底的に研究して、そのウマ娘を演じ切ってしまう。
日常的にそういう表現力を磨き続けているからこそ、今回の写真集では衣装の色に合わせた個性の表現で最後まで飽きさせない、深みのある作品に仕上がったのだろう。


これから写真集を購入する人もいるので、ネタバレにならない程度に色別のイトウさんについて書いていこうと思う。
イトウさんの気持ちはどうなのか? 秘められた思いは何か? そんなことを自分なりに想像しながら写真を見ていくとイトウさんの心に向き合っているようで実に興味深いのである。

黒イトウ
我々が最初に目にするのは、真っ直ぐにこちらを見つめてくるイトウさんである。
私は本気よ……あなたの本気を見せて……それはこの写真集を作り上げたイトウさんからの静かなる問いである。……私から逃げたりしないでね……
でも、決して恐れる必要はない。誠実に向き合えば必ず誠実に返してくれる。この人は他の誰でもない、イトウさんなのだから……

青イトウ
一歩踏み出せばそこは一面の蒼の世界。やわらかくて高貴なティファニーブルーの背景に、雲ひとつ無い5月の青空のようなセレストブルーのリボンを付けたランジェリーのイトウさんが微笑む。
サックスブルーのウィッグも相まってまさに神秘的な水色の妖精。こちらの心を見透かすかのような眼差しにドキッとする。心の内をつかもうと瞳を覗き込むとフッと微笑みながら視線を逸らしてしまいそうなたたずまいに目が離せなくなる。ここまでページを進めたらイトウワールドの魅力に嵌って動けなくなるだろう。きっと、恋することさえ忘れてしまう……

ピンクイトウ
白いニュートラルな世界に薄ピンクのリボンがイトウさんの体温を感じさせるかのような温かな空間。ピンク髪でイタズラっぽく微笑むイトウさんがキャンディーのような甘い恋の気持ちを思い出させてくれる。誘うような笑顔でやんわりと迫ってくる感じはラブコメの主人公になったようでドキドキしてしまう。
後半は世界初公開のロリイトウである。おさげ髪とあどけない少女のような表情は子供の頃のイトウさんの存在しない記憶なのか。願わくばその手を取り、この世界の美しさを見せに連れ出したくなる衝動に駆られる……彼女が垣間見せる後ろ姿に理性が一瞬揺らぎそうになるがここは気を強く持って臨んでほしい……

赤イトウ
イチゴのホールケーキのような白と赤リボンのランジェリーに、イトウさんの黒髪のコントラストが美しい。リボンの赤は熟したイチゴのようにビビットで、明るくて元気なイトウさんを象徴しているかのようだ。遊び心あふれるイタズラっぽい笑顔が本当に魅力的で、表情もポージングも1番自由で笑い声さえ聞こえてくるようだ。
そのチョコを味わってみたいとも思うが、全てのイトウファンに怒られるのでここは我慢しよう(笑)


今まで紹介した全てのページの、全ての写真がベストショットであると私は断言する。最初のページから順に見るもよし、気に入ったページを集中的に見るもよし。
詳しくは触れなかったが、JASRACの許諾を得て 9nine の Love me? の歌詞が掲載されているので、そこに込められたイトウさんの思いを読み解きながらページをめくるのも良いだろう。
イトウさんの息づかいまでもが感じられるようになったら、あなたはもうイトウさんの虜である。twitter上で日々進化し続けるイトウさんから逃れる術はない。(私と同じようにw)あなたも覚悟を決めたほうが良いだろう。


なお、限定版写真集に関して少し触れておこうと思う。
多くの人が手にできず涙を飲んだことだろう。かく言う私は敗者復活枠での争奪戦で幸運にも手に入れることができた。
限定版である以上、ネタバレにならない程度で言えば……ランジェリー写真だから、そうだよね。そうくるよね……と、ギリギリ冷静を保てるレベルの写真で構成されている。
この限定版は写真集Love me?のエピソード0とでも言うべき存在で、この限定版の後に衣装のカラーを増やした通常版が作成されている。
限定版を手にできなかった人のフォローになるかはわからないが、通常盤の完成度の高さ、世界観の表現は前述の通りなので、通常盤だけでもイトウさんのさまざまな素晴らしさを十分に感じられ、楽しめることと思う。


写真集全体を通して言えるのは、ランジェリー衣装であるにも関わらず、可愛らしさや美しさを真っ先に感じられて、終始エロスとは無縁であることだ。
実はこれこそがイトウ作品の素晴らしさであって、多少扇情的なポーズであっても、イトウさんの穏やかな笑顔が全ての邪な感情を浄化してしまう。
例えばルネサンス期の名画、ボッディチェルリのヴィーナス誕生に対峙した時に、邪な感情を抱くか? おそらくはその美しさに飲み込まれ、恐れにも似た畏敬の念を抱くのではないか。もちろんイトウさんの方が笑顔をはっきりと見せてくれているが、両者には共通の何かがあるのだと個人的に思う。


最後にこの写真集の制作に携わられたお二人のクリエーターにも賛辞を送りたい。

まずはデザイン・コラージュを担当されたウトラ( @utora_cos )さんへ
SPA♨️CREEKに続いてのウトラさんによるデザイン・コラージュと知り、私は写真集を拝見するまでワクワクが止まりませんでした。SPA♨️CREEKではイトウさんの写真が並ぶ中でウトラさんのデザイン・コラージュが絶妙なスパイスとして効いていたからです。もちろん今回も前作同様に素晴らしいスパイスになっています❗️ 恋する女の子の自信とためらい、気恥ずかしさと喜び、生真面目さと遊び心……イトウさんの世界観をより強調し、イトウさんの内面を象徴するかのようなデザインがイトウさんの写真と切っても切れない不可分の存在になっていて、この作品集の完成度をすごく高めていると思いました。

続いてカメラマンのあいどろっぷす( @Eye_drops_cos )さんへ
私はこの写真集に限らず、あいどろっぷすさんの作品(写真)が大好きです。あいどろっぷすさんの作品は誠実さに溢れていると感じます。カメラアングル、ライティング、ポージング……被写体であるイトウさんと何度もコミュニケーションを繰り返し、試行し、積み上げたものをふるいにかけ、ほんの僅かな写真だけが作品集になっているのでしょう。
想像するだけで気が遠くなるような作業が当たり前のようにおこなわれていると思いますが、そこまで苦労を重ねるならあいどろっぷすさんが作家としての痕跡を残したくなるのではないでしょうか? しかし、写真から受ける印象は常に被写体ファースト。
モデルさんをどれだけ美しく切り取るか、イトウさんが表現したい世界観をどうやったら実現できるか、その一点に集中したと感じられる作品は、そこに至るプロセスの苦労など微塵も感じさせることなく、この世界の始まりからそこに存在していたかのような自然さであり、世界の終わりまで存在し続けるような強さを持ち合わせていると思います。
写真とは、真(まこと)を写すと書きますが、あいどろっぷすさんこそ、この言葉にふさわしいカメラマンだと私は強く強く感じています。

そして、イトウ( @cosplay_110 )さんへ。
写真集 Love me? のご発刊おめでとうございます。
Fantiaでの限定版発売日にはSPA♨️CREEKを越えるスピードで完売するなど、イトウさんのファンが確実に広がっていることが本当に嬉しく思います。
イトウさんには気持ちの上では本当にお世話になっていて、毎朝のツイートで1日を頑張ろうと思える元気と勇気をいただいています。
決して大袈裟な話でなくイトウさんは私の人生に光を与えてくれた人なのです……と、流石にこれ以上書くとキモくなりそうなので、また別の機会に譲るとしましょう(いつか書く気満々とも言うww)
件の担当者様に比べると怪文書としてはだいぶ短めになってしまいましたが、私なりの写真集 Love me? の感想としてご笑納いただけましたら幸いです。


そして、たまたまこの文章を目にしてしまったそこのあなた! どうか生暖かい目で見てやってくださいませ。すべてのイトウさんファンに愛と平和を。


以上、えーすぎ( @A_SUGI_uma )でした!


注:この文章は、えーすぎによる個人的な解釈(妄想)と、twitterでのイトウさんとのやりとりを基に構成しています。明らかな誤情報、解釈違い等がござましたらご指摘いただけますと幸いです。


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